築後20年以内にかかる家のメンテナンス費用高額ランキング10

20年までに家で起きること ― なぜメンテナンスが必要なのか 

実際に住宅のどの部位が、いつ、どの程度劣化するかを体系的に理解している人は多くありません。外壁や屋根などの外装は、雨風・紫外線といった自然環境の影響を常に受け続けます。一方、浴室やキッチン、給湯器など水まわりの設備は日常使用により摩耗し、1015年程度で交換が必要になるケースが多く見られます。 

住宅メンテナンスの本質は「劣化の拡大を防ぐこと」 

住宅メンテナンスの本質は、単なる「修理」ではなく、劣化の拡大を早い段階で食い止めることにあります。外壁や屋根、給湯器、水まわり設備など、住宅は築年数とともに必ず劣化が進行しますが、この“初期劣化”を見逃してしまうと、後に思いもよらない高額修繕へとつながってしまいます。 

実際、外壁の小さなひび割れや屋根材の軽度な傷み、コーキングの収縮といった初期症状は、適切な時期に補修すれば 数万円〜数十万円程度で済むケースが一般的 です。しかし、こうした劣化を放置すると雨水が内部へ浸入し、外壁下地や柱・梁へ影響が広がり、数百万円規模の大規模修繕が必要になることも珍しくありません。 

メンテナンス費が“先延ばしにするほど高くなる例” 

  • 小さなひび割れ → 浸水 → 下地腐食 → 大規模補修へ 
  • 給湯器の軽微な故障 → 全交換に発展 
  • 外壁汚れの放置 → 塗膜劣化 → 足場を組む高額工事が必要 

早期対応のほうが圧倒的に安く済むため、正しい周期で点検・補修することが長期的な節約になります。 

高額ランキング10【費用の“一般的な目安”と節約方法】 

マイホームの維持には、築年数ごとにさまざまなメンテナンスが必要になります。しかし実際に「どこに、どれだけの費用がかかるのか」は非常にわかりづらいものです。 

本記事では、築後20年までに発生しやすいメンテナンス費用を、“一般的な戸建住宅を想定した平均的な目安”としてランキング化し、 

  • どの部位にいくらかかるのか 
  • なぜその費用が必要なのか 
  • 20年までに何が起きやすいのか 
  • どうすればメンテナンス費を抑えられるのか
    を専門的に解説していきます。 

※注意
実際の費用は 

  • 住宅の大きさ 
  • 使用している建材の種類 
  • 地域の気候 
  • 施工会社ごとの価格差
    などで大きく変動します。
    ここで紹介する金額は「一般的な目安」としてご覧ください。 

【一覧】築20年以内にかかる主なメンテナンス費用(一般的な目安) 

順位  部位  費用の目安(※一般的な戸建の場合)  主な理由 
1  外壁  80120万円  足場+塗装で高額。1015年周期 
2  屋根  70110万円  雨漏りリスク高。10年点検必須 
3  浴室  70100万円  毎日使用し劣化が早い 
4  キッチン  60100万円  システム交換で高額になりやすい 
5  駐車場(カーポート)  1550万円  素材や仕様、設置条件により費用は変動する 
6    3050万円  傷・凹みで貼り替えが必要 
7  浄化槽  3050万円  地域により点検義務あり 
8  壁紙・内壁  2040万円  壁紙は10年ごとに張り替え 
9    1030万円  剪定・草刈り・植栽維持費 
10  給湯器  1525万円  10年で寿命 

 

※本一覧は編集部独自調査に基づく一般的な目安です。
築20年以内の戸建住宅において想定される主なメンテナンス項目について、過去の事例や相場感をもとに整理しています。
実際の費用は、建物仕様・施工内容・地域・劣化状況等により異なります。 

 

1位:外壁(約80120万円)※一般的な目安 

足場+塗装で高額。1015年ごとに必須のメンテナンス 

外壁は雨風・紫外線の影響を最も受け、築1015年で劣化が現れる部位です。 

費用が高くなる主な理由 

  • 足場設置費(全体の約34割) 
  • 高圧洗浄・下地補修・塗装の3工程が必要 
  • 外壁材の種類で耐久性が変わる 

※金額は外壁の面積・塗料グレード・業者の価格設定により大きく増減します。 

費用を抑えるポイント 

  • 35社の相見積もり 
  • 劣化初期の小規模補修で延命 
  • 塗料選びより施工品質を重視 

 

 

2位:屋根(約70110万円)※一般的な目安 

雨漏りリスクが高く、10年ごとの点検が必要 

屋根は住宅の中でもダメージを受けやすく、
劣化を放置すると数百万円規模の大規模修繕に発展する可能性もあります。 

※費用は屋根材(スレート・ガルバリウム鋼板・瓦)によって大きく変動。 

費用を抑えるポイント 

  • 5年ごとに点検+清掃 
  • 早期補修が“最も安いメンテナンス” 
  • 相見積もりで30万円以上の差が生じることも 

 

3位:浴室(約70100万円)※一般的な目安 

ユニットバス交換は解体・配管工事が必要で高額 

浴室は水を使うため劣化が早く、1015年で交換を検討する家庭が多い部位。 

費用は「ユニットバスの種類・サイズ・機能」で大幅に変わります。 

費用を抑えるポイント 

  • 日々の換気・乾燥でカビを抑制 
  • 排水口清掃でトラブル回避 
  • 部分交換(シャワー・水栓・鏡)で延命可能 

 

4位:キッチン(約60100万円)※一般的な目安 

システムキッチンは部分故障でも交換に至りやすい 

費用の幅が大きい部位で、素材・天板・水栓・レンジフードの種類により金額が倍以上違うことも。 

費用を抑えるポイント 

  • 換気扇の油汚れ対策 
  • 排水の詰まり予防 
  • 部分交換を活用(IH、水栓、レンジフードなど) 

 

5位:駐車場・カーポート(約1550万円)※一般的な目安 

素材・設備仕様・設置条件により、材料費や工事費、作業量は異なる。 

地域(台風・雪)による劣化速度の差が大きい点も特徴。 

費用を抑えるポイント 

・標準仕様・既製品を基本に選ぶ 

・機能は必要最低限に絞る 

・設置条件をシンプルにする 

6位:床(約3050万円)※一般的な目安 

家庭環境(子ども・ペット)で劣化速度が大きく変わる。 

素材別の耐久性差も大きい部位。 

費用を抑えるポイント 

  • ラグやカーペットで傷防止 
  • 安価な床材は寿命が短く結果的に割高 

 

7位:浄化槽(約3050万円)※一般的な目安 

地域によっては必須の設備。
点検義務があり、適切な管理を怠ると交換が必要に。 

費用を抑えるポイント 

  • 定期点検を欠かさない 
  • 使用方法(油・異物を流さない)を守る 

 

8位:壁紙・内壁(約2040万円)※一般的な目安 

壁紙は10年前後で張り替え時期。
部屋の湿度・日当たり・使用状況で劣化に大きな差が出る。 

費用を抑えるポイント 

  • 湿気対策(換気・除湿) 
  • キッチン付近は特に注意 

 

9位:庭(年間1030万円)※一般的な目安 

剪定・草刈り・芝生管理など、意外と費用がかかる項目です。 

※庭の広さや植栽の種類により年額は大きく変動。 

費用を抑えるポイント 

  • 基本は舗装+最低限の植栽 
  • 自分で管理できる設計が最も安い 

 

10位:給湯器(約1525万円)※一般的な目安 

給湯器は10年程度で故障が発生しやすい設備。 

費用を抑えるポイント 

  • 給湯器専門業者に依頼 
  • 高効率給湯器でランニングコストを削減 

メンテナンス費を抑えるコツ 

住宅メンテナンスを安く抑えるには、「正しい知識」と「早期対応」が不可欠です。 

① 相見積もりは必須(最大50万円以上差が出ることも) 

外壁・屋根・浴室などの工事は業者による価格差が大きく、
35社の比較で大きな節約が可能です。 

② 足場工事をまとめると大幅に節約できる 

外壁+屋根の同時工事で足場代を一度で済ませることができます。
別々に行うと足場代が二重に発生するため、総額が大きく跳ね上がります。 

③ 劣化初期の小規模補修が最も安い 

ほぼすべての住宅トラブルは「初期対応が最も安い」です。 

例:外壁の小さなひび割れ 

  • 初期補修:数万円 
  • 放置 → 雨水侵入 → 下地腐食:数十万円 
  • 雨漏り → 躯体腐食 → 大規模修繕:数百万円 

④ 火災保険の適用を理解する 

台風・雪害・落雷などの自然災害は火災保険の適用対象です。
特に屋根・カーポート破損は保険申請で大幅に費用を抑えられます。 

⑤ 日常的なメンテナンス習慣で寿命は伸びる 

  • 浴室の乾燥 
  • キッチン換気 
  • 外壁の汚れチェック 
  • 給湯器の異音確認 

これらの習慣は数十万円単位の節約につながります。 

⑥ 売主・施工主に相談することで“安心と効率”を両立できる 

購入時の売主や施工会社がリフォーム・メンテナンスを請け負っている場合、
建物の構造や仕様、過去の施工内容を熟知しているため、
不要な工事を省いた適切な提案が受けやすく、結果的に費用抑制につながるケースも多くあります。 

また、 

  • 図面や仕様を一から説明する手間が少ない 
  • 建物特性を踏まえた施工ができる 
  • 施工後の不具合時も相談しやすい 

といった点から、金額面だけでなく施工品質やアフター対応の安心感も大きなメリットです。 

住宅維持の本質は“計画性”に 

住宅は建てた瞬間から少しずつ劣化が進みます。とくに日本の戸建住宅は、四季の温度差・高湿度・台風などの影響を受けやすく、10年・築15年・築20年と節目ごとに、外壁塗装・屋根補修・給湯器・水まわり設備などのメンテナンスが確実に必要になる資産です。
このため「住宅は建てて終わり」ではなく、長期的に維持・管理して育てていく存在であるという認識が欠かせません。 

とくに築20年までの期間は、外装・内装・設備など多くの部位で交換や大規模修繕が発生するため、
各部位のメンテナンス時期と費用の相場をあらかじめ把握しておくことが、予算管理と安心につながります。
必要なタイミングを知らないまま突然トラブルが起きると、工事の緊急性が高まり、結果的に費用が大幅に増えるケースも少なくありません。 

一方で、外壁・屋根といった高額になりやすい工事はもちろん、給湯器・庭木剪定・壁紙の張り替えなどの細かな維持費も、気づかないうちに積み重なります。
しかし、住宅メンテナンスは「正しい時期に、正しい内容で行う」だけで、総額を大幅に削減することが可能です。 

例えば、 

  • 定期点検で劣化を早期発見すること 
  • 外壁と屋根を同時に施工し足場代を節約すること 
  • 相見積もりで適正価格を把握すること 
  • 火災保険・補助金制度を活用すること 

などは、メーカー側から見ても極めて有効で、長期的に「無駄な出費を避けるための最も現実的な方法」です。 

また、住宅の維持管理は単に出費を抑えるためだけのものではありません。
適切なタイミングで手を入れることにより、住まいの資産価値を維持し、将来の売却時の評価額にまで影響する非常に重要な行為です。
長く快適に住み続けられるだけでなく、暮らしの安全性・耐久性が向上し、家族の健康や生活の質にも直結します。 

住宅の寿命を伸ばし、住まいの価値を守る最大のポイントは、“正しい知識と計画性を持つこと”。 

 メンテナンスを「避けるべき支出」ではなく、「住まいの価値を高めるための投資」と捉えることで、結果的に長期的なコスト削減につながります。 

20年に向けて何を準備すべきかを理解し、必要な時期に必要な工事を行うことで、住宅は本来持つ性能を最大限発揮できます。 

今回のランキングを参考に、無理のない資金計画を立て、
安心して長く暮らせる住まいづくりを進めてください。