【注文住宅】最初にケチると後悔する住宅設備と付けなきゃよかった住宅設備
注文住宅の設計を考えるときの楽しみのひとつといえば「住宅設備」ですよね。住宅設備は生活しやすい環境にするだけでなく、室内のデザイン性を向上させる効果があります。
しかし、住宅設備を導入するには初期費用がかかり、物によってはメンテナンス費用もかかります。そのため、ケチって後悔したり、逆に付けなきゃよかったと思ったりする人もいるはずです。
本記事では注文住宅の建築でケチると後悔する住宅設備、付けなきゃよかったと感じる住宅設備を紹介します。
最初にケチると後悔する住宅設備5選
最初にケチると後悔する住宅設備は、以下の5つです。
- 窓
- 太陽光発電システム
- エコキュート
- キッチン
- 外壁
それでは、なぜケチると後悔するのかみていきましょう。
窓
窓の性能を落としたり、適正な個数にしなかったりすると冷暖房効率が落ちてしまいます。
室内の熱がもっとも抜けやすく入りやすい箇所は窓です。窓の断熱性能が低いと冬は熱が逃げてしまい、夏は熱を取り込んでしまいます。そのため、窓の性能が低いと不快な室内となり、冷暖房を稼働させてもなかなか改善しない環境となります。
断熱性の低い室内だと長い時間にわたって稼働させなければならず、光熱費が高くなってしまうでしょう。
太陽光発電システム
太陽光発電システムを導入すれば、電気代の値上げ対策になるうえに防災にもなります。
資源エネルギー庁の「電気料金の変化」によると、電気料金の平均単価は2010年度を境に徐々に上昇し、2021年度から2022年度にかけて一気に高くなりました。2010年度と2022年度の料金を比べると、1.5倍もの価格になっています。
今後、電気料金がどの程度上昇するのかは不透明であり、対策が必須といえるでしょう。
また、日本は災害が多い地域であり、ライフラインが使えないときの想定をしておかなければなりません。
大災害が発生したとしても電気の復旧は1週間程度と早く、ガスなら2ヶ月弱かかるといわれています。そのため、電気中心の生活なら安心して暮らせるはずです。
エコキュート
エコキュートは高効率給湯器でガスを使わずにお湯が使える機器です。
空気を圧縮して発熱するため、電気やガスでお湯を温めるよりも効率的にお湯を沸かせます。そのため、電気料金を抑えることが可能で、太陽光発電システムと一緒に設置すればかなりの節約になるはずです。
また、エコキュートはタンクの役割を果たすため、断水したときにも役立ちます。
小さな量でも300リットル、大きな物であれば560リットルのサイズが用意されています。災害時に水を確保できれば、自宅避難を継続できるようになるでしょう。
キッチン
キッチンは利用する頻度、時間ともに長い住宅設備です。
収納のスペースの位置や量か、調理する人の身長に適した高さかなど多くの項目をチェックしたうえで検討しなければなりません。
また、キッチンは高額な住宅設備であり、初期費用と交換費用を比較する必要があります。長持ちしないキッチンを設置すると短期間で交換しなければならなくなるため、ステンレスやホーローなどで作られたものを選択するとよいでしょう。
外壁
外壁は使っている建築材料によって、メンテナンス費用が大幅に変わります。
窯業系サイディングなら初期費用が安く済むものの、メンテナンス費用が高くなります。窯業系サイディングは始めから塗装してありますが、時間の経過や風雨などによりはがれが起きやすく塗り直さなければなりません。また、反りも発生しやすく、目地から漏水するケースもあります。
一方、ガルバリウム鋼板だと初期費用が高いものの、メンテナンスの頻度が少なくなります。外壁のメンテナンス費用は高くなりがちなので、慎重に選択しましょう。
付けなきゃよかった住宅設備5選
付けなきゃよかったと感じやすい住宅設備は、以下の5つです。
- アルミサッシ
- 出窓・天窓
- 床下収納
- 一体型トイレ
- バルコニー
続いては付けなきゃよかったと感じやすい理由をみていきます。
アルミサッシ
アルミサッシの窓はとくに熱が逃げやすく、入り込みやすいため、費用が安くても設置を見送りましょう。
アルミサッシは加工が容易で気密性も高く、安価で設置できることから多くの住宅で利用されています。しかし、アルミは熱を吸収しやすい性質をもち、冬は寒く夏は暑い室内になりがちです。冷暖房効率が落ちる大きな要因となるため、電気料金が増えてしまうかもしれません。
出窓・天窓
出窓や天窓は、光熱費や補修費用の増加につながります。
出窓は空間を広くみせるのに効果的ですが、面積が増える分だけ熱効率が下がり、建物に出っ張り部分が増えることで漏水する箇所が増えてしまいます。漏水は建物を傷ませる原因ともなり、高額な補修費用が必要となるため注意しなければなりません。
また、天窓は部屋が明るくなるものの、必要以上に熱を取り込んでしまって冷暖房効率が下がります。そして、出窓と同じく漏水の可能性があり、想定外の補修費用がかかるおそれもあります。
床下収納
床下収納は設置しても使わない人が多い住宅設備です。
仮に使ったとしても物置として利用するくらいでしょう。そして、床下収納は密閉空間となり、地面から上がってくる湿気が溜まります。湿気に弱いものを収納しにくい環境であり、物置としても入れる物が限定されてしまいます。
また、床下収納と点検口を兼ねている場合、検査のたびになかの物を出し入れしなければなりません。使わないうえに手間がかかるものを、費用までかけて設置する必要はないでしょう。
一体型トイレ
一体型トイレは清掃が簡単なものの、交換になりやすい住宅設備です。
トイレに付いている便座や便器、タンクなどすべてのパーツが一体となっており、スマートなスタイルになっています。トイレスペースを広くみせたり、清掃しやすかったりとメリットもあります。
しかし、一体となっていることで一部のパーツが破損しただけで、全体を取り換えなければなりません。当然ながら交換費用は高く、無駄なお金が発生する原因となります。
バルコニー
バルコニーは何度も防水補修しなければならず、漏水の原因となる箇所です。
バルコニーは直接風雨にさらされる場所で、定期的な防水補修が必要です。防水補修には10㎡でおおよそ3.5万円~10万円かかり、10年程度で工事しなければなりません。
ただし、バルコニーは洗濯物を干したり、くつろぎスペースにしたりと用途が多い場所であるため、費用対効果を考えつつ必要であれば設置しましょう。
住宅設備選びに成功するためのポイント
住宅設備選びに成功するためのポイントは、以下のとおりです。
- 予算管理を徹底する
- 住宅設備についての知識を得る
- ライフプランを明確にする
ポイントを押さえ、理想の注文住宅を手に入れましょう。
予算管理を徹底する
住宅設備を選ぶ前には、しっかりと予算を決めておきましょう。
住宅設備にこだわりすぎるとお金がいくらあっても足りません。しかし、どの設備を諦めたらよいのか判断するのも難しいといえます。判断するためには設備にかけられる金額を明確にしておくとよいでしょう。
あらかじめ住宅ローンの事前審査を受けておき、借り入れできる金額を把握します。そして、逆算して土地購入費用・建築費用・諸費用を引いた金額が住宅設備の導入に使えるお金です。
導入したい物の優先順位を付けて予算に達する順位までが導入できる住宅設備です。
住宅設備についての知識を得る
住宅設備選びをする際にはインターネットやカタログをみたり、実際に導入した人から感想を聞いたりして知識を得ておきましょう。
住宅設備についての知識がないと、導入の順位付けできません。不要な物を高順位にすると、後悔する原因となるおそれがあります。
とくに初期費用とメンテナンス費用のバランスは必ず調べておく必要があります。初期費用の安い住宅設備のなかには何度もメンテナンスしなければならないものもあり、長期の視点でみると質のよい設備よりも高額になるかもしれません。
ライフプランを明確にする
生活をよりよくしてくれる住宅設備は年齢や家族構成によって変化するため、ライフプランを明確にしたうえで本当に必要なものを導入しましょう。
たとえば、二人が同時に使える大きな洗面台は子どもがいるときに重宝しますが、夫婦二人になったときには不要な設備になりかねません。ライフプランによって必要かどうか変化する設備はある程度、優先順位を低くするのもひとつの方法です。
一方、断熱性の高い樹脂サッシのペアガラス窓は年齢や家族構成が変化しても重要なものであり、ライフプランに影響受けないものは高順位にしておくとよいでしょう。
まとめ
住宅設備は生活環境を良好なものにしてくれるため、できる限り多く導入したいと思ってしまうものです。
しかし、住宅設備を導入するには初期費用やメンテナンス費用がかかり、効果よりも負担が大きくなるものもあります。また、設備によっては設置したものの、使わなかったというケースもあるでしょう。
本当に必要な設備かどうか判断するためにも、各住宅設備の特徴を理解してから導入を判断することが大切です。