住む前に知っておくべき治安がいい街と悪い街の見分け方
新居を探すにあたって、治安を重視している人は多いことでしょう。しかし、「治安がいい街かどうかどのように判断すればいいのかわからない」と、悩んでいる人もいるはずです。
治安がいい街には特徴があり、治安がいい街か見分けるポイントを理解しておくことが大切です。
本記事では、治安がいい街の特徴や見分け方について解説します。記事の後半では、街の治安を調査するときの注意点についても紹介しますので、最後までご覧ください。
自分にとって治安がいい街と悪い街とは
治安がいい街を探す前には、まず自分にとって「治安がいい」とはどのような基準なのか明確にしておくことが大切です。
たとえば、令和5年の東京都23区内で発生した犯罪が一番多かったのは新宿区です。しかし、住民1人あたりもっとも多く犯罪が発生したのは千代田区であり、殺人や放火など凶悪事件と呼ばれる犯罪が発生した件数は1位が新宿区で2位が港区と豊島区でした。
犯罪のついて見方を変えると治安がいい地域なのか、悪い地域なのか変わります。単純犯罪件数のみを気にするなら新宿区は選択肢にならず、住民1人あたりの犯罪件数を気にするなら千代田区は選択肢に入らないなどです。
治安がいい街で物件を探すときには、まず自分の考える治安のよさは何か考えておきましょう。
治安がいい街の特徴
治安がいい街の主な特徴は、次のとおりです。
- 閑静な住宅街である
- 家賃や売買の相場が高い地域である
- パトロール巡回が充実している
治安がいい街には一定の特徴があるため、どのような特徴があるのか理解しておきましょう。
閑静な住宅街である
閑静な住宅街は、治安がいい傾向にあります。
静かで人通りが多くない地域は、基本的に不特定多数の人が入りにくい場所です。反対に繁華街は、住人以外の人も出入りする地域であり、犯罪が発生しやすくなってしまいます。
閑静な住宅街かどうかは現地を歩いてみればわかります。実際に最寄りの駅の繁華街から物件の位置まで歩き、どの程度人が少なくなってくるのか確認してみましょう。駅から離れても意外と人通りが多い地域もあるため、実際に歩いて確認するのがおすすめです。
家賃や売買の相場が高い地域である
家賃相場が高い地域の中には、治安がいい街も含まれます。
治安がいい街に住みたいと考える人は多く、人気が高まって不動産の需要も上がって家賃や売買の相場も上昇していきます。
ただし、家賃や売買の相場は、アクセスのよさでも上昇するため注意しなければいけません。駅前の飲食街やオフィス街など犯罪が多く起きる地域でも、家賃や売買の相場は上がります。
家賃や売買の相場で治安のよさを確認する場合、地図で繁華街に該当していないか確認することが大切です。
パトロール巡回が充実している
パトロールの巡回が充実している地域は、治安がいい街の特徴です。
犯罪は、人目につかない場所が多いほど発生しやすくなります。しかし、人目につかない場所が多くあったとしても、パトロール巡回をおこなっていれば人目がある場所に変わります。
なお、パトロール巡回している地域かは、その地域の町内会や自治会などに問い合わせて確認しましょう。巡回をホームページで公表しているケースは多くなく、自身で直接確認する必要があります。
治安が悪い街の特徴
治安が悪い街の主な特徴は、次のとおりです。
- 落書きが多い
- 空き家が点在している
- 道が入り組んでいる
どのような特徴をもつ街の治安が悪いのか確認しておきましょう。
落書きが多い
落書きが多く、管理されていない場所が多くあると犯罪が起きやすくなります。
管理されていない場所が多くあると、その街の犯罪に対する抵抗性が低い地域だとわかってしまいます。犯罪者も同じであり、抵抗性が低い街を狙って事件を起こすわけです。
街の雰囲気がいい街ほど、犯罪への抵抗性の高い人が住んでいる傾向にあるため、街自体がきちんと管理されているか確認しましょう。
空き家が点在している
空き家が点在している街は、治安が悪くなる傾向にあります。
人が少ない地域は人目が少なく、罪を犯しても発見される可能性が低くなります。空き家は人の減少を象徴する建物であるため、誰が見ても人が減ってきたとわかってしまうわけです。
また、管理されていない空き家は、落書きをされたり犯罪の拠点として使われたりします。犯罪への抵抗性を低くする要因ともなり、犯罪を助長してしまうケースもあります。
道が入り組んでいる
入り組んでいる道や、行き止まりになっている道が多い地域は犯罪が起きやすい場所です。
道が入り組んでいると人目につきにくくなり、行き止まりの道は周辺と比べて人通りがかなり少なくなります。犯罪は人が少なすぎても起きやすくなってしまうため注意しなければなりません。
人通りが少ないと住み心地がよくなる傾向にあり、いい場所と思ってしまいがちですが、犯罪に強いかどうかも確認しましょう。
街の治安を調べる方法
街の治安を調べる方法は、次のとおりです。
- ファミリー世帯と単身世帯の割合を確認する
- インターネットで情報を収集する
- 警視庁の公表しているデータで犯罪発生件数を調べる
客観的な事実として街の治安を調べたい場合、上記の方法を使って調べることができます。ここからは、どのような方法で街の治安を調べればいいのか解説します。
ファミリー世帯と単身世帯の割合を確認する
治安がいい街かどうかは、ファミリー世帯と単身世帯の割合を比較すれば目安の確認が可能です。
ファミリー世帯は治安のいい街、単身世帯は治安より利便性のいい立地を選択する傾向があります。そのため、ファミリー世帯の割合が高く、単身世帯の割合が低い地域ほど治安がいいという目安となります。
インターネットで情報を収集する
治安がいい街に住みたい人は多く、インターネットでも治安を取り扱っているサイトがあります。
Webサイトの中には、自治体の情報を詳しく載せているものもあるため参考にしてみましょう。なお、参考にする際は、Webサイトの更新日時まで確認しておくことが大切です。掲載している情報が古いケースもあり、現状は治安が悪化している地域を紹介している可能性もあります。
警視庁の公表しているデータで犯罪発生件数を調べる
警視庁では、各市町村の犯罪発生件数を集計し公表しています。
認知された犯罪件数を細かく集計しており、治安がいい街かどうか判断する材料として有用です。
また、「犯罪発生件数 ÷ 市町村の人口 × 1,000」と計算すれば、犯罪発生率の計算が可能です。住民1人あたり、どの程度の犯罪が発生するか確認できれば、より詳細な情報が得られます。
街の治安を調べるときの注意点
街の治安を調べる際には、次のポイントに注意しましょう。
- 口コミは目安として考える
- 実際に街を歩いてみる
- 地元の不動産会社に治安を確認する
治安を調べる方法はいくつかあるものの、注意点を押さえておかないと調査ミスを起こしてしまうおそれがあります。どのような点に注意すればいいのか確認し、街の治安を調べていきましょう。
口コミは目安として考える
インターネットで治安のいい地域か調査する際、口コミは目安として考えましょう。
治安がいい街かどうかは、個人の考え方によって変化します。口コミは他人の主観で述べられているものであり、自分の考え方とは違う可能性もあります。
口コミを信じ切ってしまうと、自分にあった地域を物件探しの選択から外してしまうおそれもあるため注意しましょう。
実際に街を歩いてみる
治安のよさを確認する場合、実際に街を歩いて確認しましょう。
口コミや地図では、実際の状況はわかりません。街を歩き、人目につきにくい場所はないか、ゴミが散乱していたり落書きが放置されたりしていないか、実際に目で見て確認することが大切です。
実際に現地を確認し、確認した内容と口コミや犯罪発生件数などと比較すれば、治安がいいかどうかが明確になってきます。
地元の不動産会社に治安を確認する
地域に住んでいる人から情報を仕入れたい場合は、地元の不動産会社に確認してみましょう。
治安が気になるからといって、地域の人に直接確認するのは知り合いがいない人には厳しいものです。しかし、地元の人の声を確認したいケースもあるでしょう。直接確認したい場合は、地元の不動産会社に確認するといいでしょう。
地元の不動産会社は、地域の情報をもとに活動しており、詳しい情報を多くもっています。ほかの地域の人では知りえない情報をもっているケースもあるため、物件探しの際には必ず治安について確認しておきましょう。
まとめ
街の治安は、安心した生活が送れるかどうかに大きく影響します。
新居に移転する際には、街の治安はいいかどうか調べておかなければなりません。街の治安がいいかどうかは、街の特徴や調べる方法まで理解しておく必要があります。また、調査するときには、必ず調査するときの注意点を守るようにしておきましょう。
引越ししてから治安の悪さに気付いても手遅れであるため、引越しする前からきちんと調査しておくことをおすすめします。