戸建て住宅の引越し(入居・退去)のマナー。近隣への挨拶の仕方や手土産の有無など。
「戸建て住宅に入居するときに、引越し挨拶は必要なの?」というように、新居に移るときに引越し挨拶が必要なのか気になっている人も多いことでしょう。
戸建て住宅に入居するときには引越し挨拶が必要であり、退去するときも挨拶しておくべきです。
本記事では、引越し挨拶の重要性や入居時・退去時の挨拶の仕方、挨拶するときの注意点などについて解説していきます。戸建て住宅に引越しするとき、どのように挨拶したらよいのかわからない人は、ぜひ記事を参考にしてみてください。
戸建て住宅の引越し挨拶の重要性
戸建て住宅の引越し挨拶は、非常に重要なイベントです。
購入したり、建築したりする人は長年住むことを目的としていることがほとんどです。長年同じ場所に住むのであれば、住環境が大切になります。近隣の人との付き合いは住環境に大きな影響を与えるため、引越し挨拶も大切なことであるといえます。人との付き合いは挨拶から始めるため、挨拶をしなかったり、挨拶で悪影響を与えてしまったりすると近隣トラブルに発展し、住環境が悪くなるケースもあるため注意しなければなりません。
住み心地のよい住環境を作るには、引越し挨拶をきちんとすることが大切です。
また、入居だけでなく、退去時の引越し挨拶も大切です。引越しした後、付き合いはなくなるかもしれません。しかし、長年付き合ってきた人たちに対してのお礼という意味で、退去時の引越し挨拶は大切なことであるといえます。
戸建て住宅「入居時」の挨拶の仕方
引越し挨拶のときには、訪問先で住人の人と話しをしますが、まず定型文を話すのが基本となります。そして、住人から質問を受けたら簡単に答えておくくらいがちょうどよいでしょう。
入居時に話す定型文は、次のとおりです。
【基本】
初めまして。 〇〇(住所)に引越ししてきた〇〇(代表者の苗字)と申します。 引越しの挨拶に伺いました。 これからお世話になりますので宜しくお願いいたします。 【手土産がある場合】 心ばかりの品ではございますが宜しければお受け取り下さい。 【迷惑を掛ける要因がある場合】 こちらの家族には小さな子供がいるため、ご迷惑お掛けするかもしれませんが、宜しくお願いいたします。 |
上記の挨拶は基本であるため、うまくアレンジしてみてください。自己紹介を名前だけでなく、どこから来たのかとか付け加えると親しみが湧きやすくなります。他人と話すのが苦にならない人は、色々な話をしてみるのもよいでしょう。
戸建て住宅「退去時」の挨拶の仕方
退去するときの引越しでも、挨拶の定型文があります。
退去時の定型文は、次のとおりです。
お世話になります。
〇〇(住所)に住んでいる〇〇(代表者の苗字)です。 この度は〇〇月〇〇日(引越し日)に引越しすることになりましたので、お世話になったお礼として挨拶に伺いました。 引越し時にはご迷惑をお掛けするかもしれませんが、宜しくお願いいたします。今までお付き合いいただきありがとうございました。 |
退去時の引越し挨拶は、入居時よりも重要ではありません。そのため、引越しでのトラブルを避けるための挨拶と捉えてもよいでしょう。
戸建て住宅の引越し挨拶をするときの注意点
戸建て住宅の引越し挨拶をするときには、次の点に注意しましょう。
- 挨拶をする範囲を確認する
- 自治会長や町内会長などの役職者に挨拶する
- 引越しの手土産にはのしをつける
近隣挨拶は、入居後の住みやすさを決める上で大切なイベントとなります。注意点を守り、問題なく近隣挨拶を終わられていきましょう。
挨拶をする範囲を確認する
引越し挨拶するときには、どこまでの範囲で挨拶したらよいのか確認しておきましょう。
戸建て住宅の場合、引越し挨拶するのは「向こう3軒両隣り」とよくいわれます。向こう3軒両隣りとは、入居する戸建て住宅の対面側の住宅3軒・裏側3軒、入居する戸建て住宅の両隣を指します。つまり、対面側と裏側6軒と両隣2軒、合計8軒には挨拶しましょう、ということです。
ただし、住宅密集地など近くに住居が多い場合、もう少し多く挨拶した方がよいでしょう。向こう3軒両隣りは、挨拶する最低限の数ととらえておくことが大切です。
なお、向こう3軒両隣の中に集合住宅がある場合、集合住宅への挨拶をおこなうかは自己判断で決めましょう。集合住宅は戸数が多く、すべて回りきるのは困難であるからです。
自治会長や町内会長などの役職者に挨拶する
引越し挨拶は入居する戸建て住宅周辺におこないますが、例外として自治会長や町内会長などの役職者が近隣に住んでいないとしても挨拶をしておきましょう。
自治会長などの役職は、地域の人が持ち回りで務めます。しかし、地域によっては、自ら長年役職を務めている人もいます。このような人は地域の主となっているケースもあるため、挨拶しないと近隣トラブルになる恐れもあるため注意しなければなりません。
役職者の住所は、自治体や近隣の人に確認できます。
引越しの手土産にはのし紙をつける
引越しの手土産には「熨斗(のし)が付いている掛け紙」を付けるのがマナーです。
のしとは贈答用の品物に添えられる飾りであり、のし紙とはのしが印字された掛け紙です。
のし紙には入居時には「ご挨拶」、退去時には「御礼」と書き、自分の名前も記載します。通常、のし紙に記載する文字は筆や筆ペンで書き、ボールペンやマジックペンでは書かないのには注意しましょう。
年配の人が多く住む地域の場合、このようなマナーがある人かどうかも見られてしまうことがあります。のし紙を付けるのにお金がかかる、文字を書くのが面倒などとは考えず、きちんとマナーは守りましょう。
挨拶時に不在だった場合の対処法
引越しの挨拶に回ったとき、近隣の人の一部が不在というケースは多くあります。
近隣の人が不在だった場合や不在に備えるために、次のような対処法をおこないましょう。
- 時間や曜日を変えて再度訪問する
- 挨拶状を投函する
- 消費期限のない手土産を用意する
近隣が不在だったとしても、挨拶しないという選択肢を選んではいけません。自分のところだけ挨拶に来なかったと思われないよう、対処法を実践した上で挨拶を終わらせましょう。
時間や曜日を変えて再度訪問する
不在だった場合、時間や曜日を変えて再度訪問をしてみましょう。
人によっては夜勤であったり、平日休みであったりと在宅している時間が違います。引越し挨拶は基本的に土日祝におこないますが、不在だった住宅には時間や曜日を変えると在宅している可能性が高くなります。
また、不在者がいたときには、近隣の人に不在者が在宅している可能性が高い日時を確認するのもよいでしょう。近隣の人であれば、在宅している時間帯を知っているかもしれません。
挨拶状を投函する
引越し挨拶に何度も行っても不在である場合、挨拶状を投函しておきましょう。
引越し挨拶する人によっては、何度も挨拶の時間が取れない人、平日に時間が取れない人もいるはずです。このような場合、不在者へ引越挨拶を挨拶状に変更します。もし手土産がある場合は挨拶状とともにポストへ投函しておきましょう。
ただし、手土産がポストに入らない場合、挨拶状だけ投函しておくことをおすすめします。善かれと思い手土産を紙袋に入れてドアノブに引っ掛けたりすると、不在にしていることが見てわかるようになってしまします。不在なのがわかってしまうと、犯罪リスクが高まってしまうため、無理に手土産を渡す必要はありません。
消費期限のない手土産を用意する
手土産を用意する場合、消費期限のない手土産を用意しましょう。
消費期限がある手土産は受け取った側がすぐに食べたり、使ったりしなければなりません。また、不在者がいる場合、早めに手土産を渡さなければなりません。消費期限がある手土産はさまざまな制限がかかるため、タオルやゴミ袋、ラップなどがよいでしょう。
食べ物はアレルギーの問題もあり、洗剤はニオイが合うかどうかの問題もあるため、もらっても困ってしまうケースがあります。手土産を何にするか考えるときには、生活に必要になる消費期限のないものを選択することが大切です。
まとめ
戸建て住宅に入居するときには、引越し挨拶する必要があります。
引越し挨拶に決まり事はありませんが、一定の基準やマナーがあるため、挨拶の内容を理解しておくことが重要です。基本的には戸建て住宅の周辺8軒に挨拶をし、手土産を持参するときにはのし紙を付けておくなどです。
引越し挨拶は近隣の人との関係性を良好にするためのものであるため、挨拶の範囲とマナーを守り、自分で住環境を良くしていきましょう。