リビングルームの空間づくりで意識すべきポイントとは?理想の家族団らんを実現するレイアウトを徹底解説
リビングルームのレイアウトには、横長タイプや縦長タイプなど複数の種類があり、採用する間取りによって部屋の印象は大きく左右されます。
漠然とイメージする「我が家のリビングルームの理想像」があったとしても、選んだレイアウトによっては理想を叶えることが難しくなるため、ぜひ本記事を読んでリビングルームの空間づくりについて予習してみてください。
リビングルームにおけるレイアウトの重要性
家族が自然と集まる場所でもあるリビングルームは、マイホームのなかでもとくに空間づくりにこだわりたい部屋です。リビングルームに与える機能やレイアウト、デザインによって「家族団らんの空間」としての快適度が大きく変わってしまうからです。
- 不便だから家族が集まらない
- 部屋面積に対して窮屈に感じる
- ライフスタイルにマッチしていない
- 美観に配慮できておらず雑多な印象を受ける
家族と過ごす空間として、マイホームでもっとも重要ともいえるリビングルームで上記のような後悔を生まないためにも、ここから解説するいくつかのポイントを押さえておきましょう。
リビングルームにおけるレイアウトの種類と特徴
一般的に、リビングルームの間取りは以下の4つに分類できます。なお、横長タイプと縦長タイプは合わせて「I字型」と呼ばれることもありますが、ここでは分類して解説します。
- 横長タイプ
- 縦長タイプ
- 正方形タイプ
- L字型タイプ
レイアウトの違いは、ときに壁材や床材、設置するインテリアを変更する以上に雰囲気を左右するため、まずは各レイアウトの特徴について把握しておきましょう。
横長タイプの特徴
横長タイプのリビングルームは、部屋の入口から見たときにリビングルームが横に広がっているレイアウトを指します。一般的に横長タイプのレイアウトには、以下のような特徴があります。
- 入室時に開放感や空間の広さを感じやすい
- 家族全員がテレビを見られる食卓にしやすい
- 大きな窓を使えるため全体に日光が届きやすい
リビングルームに入室した際、目の前で空間が横方向に広がり、さらに大きな窓を採用できるため開放感を出しやすいレイアウトだといえます。リビングルームを広々と見せられるため、ゆとりのあるカフェのような非日常的な空間をつくることも可能です。
また横長タイプのリビングルームは、入口から見てどちらか一方の壁にテレビを設置することで、リビングルームのどこからでも無理のない角度でテレビを視聴できます。
家族全員でテレビを視聴する習慣がある場合、横長タイプのリビングルームであればテレビの配置に試行錯誤することはなくなるでしょう。
さらに横長タイプであれば、リビングルームに入ったとき正面に「横方向に大きな窓」を採用できるため、以下画像のように日光をたっぷりと部屋に入れられます。
できるだけ電気に頼らず、日中は目いっぱい日光を浴びたいというケースでは、横長タイプに設置しやすい大きな広範囲の窓が役立つはずです。
一方、横長タイプのリビングルームに大きな窓を採用した場合は使える壁の面積が狭くなりやすく、壁を活用するタイプのインテリアの配置が不自由になる傾向があります。
壁際に設置するインテリアを多く採用するのであれば、より壁を広々と使える別タイプのレイアウトを検討してみてください。
縦長タイプの特徴
縦長タイプのリビングルームは、部屋の入口から見たときにリビングルームが奥に広い間取りとなっているレイアウトを指します。一般的に縦長タイプのレイアウトには、以下のような特徴があります。
- 広い壁面を活かした空間の演出が得意
- 奥行きが長く縦方向に開放感がある
縦長タイプのリビングルームは、両サイドの壁面を広々と使った空間の演出が得意です。目指す雰囲気に合わせて広い壁に写真やアート、壁掛けタイプのインテリアを設置していけば、個性を感じられる空間を簡単につくれます。
また横長タイプのリビングルームとは異なる、視線が部屋の奥へ向かうような縦方向の開放感が特徴です。横方向には広くないため、入口から足を踏み入れたときには、視線を動かさずに全体が目に入る「一直線にギュッと凝縮された空間」になりやすいといえます。
一方、横長タイプほど大きな窓を設置できない場合が多く、窓から入る日光が部屋全体に届かず照明に頼らなければならないことも。採光のしやすさを重要視する場合は、まず別のレイアウトから検討することをおすすめします。
正方形タイプの特徴
正方形タイプのリビングルームは、横幅と奥行きの長さがほとんど変わらないレイアウトを指します。一般的に正方形タイプのレイアウトには、以下のような特徴があります。
- フリースペースを確保しやすい
- 家族との距離が近くなりやすい
縦横のどちらかに長いレイアウトに比べて、正方形タイプのレイアウトはバランスよく空間が広がっており、フリースペースが取りやすいという利点があります。
またリビングルーム内のどこにいても家族との距離が近くなりやすいため、自然とコミュニケーションが生まれやすいレイアウトだといえるでしょう。
ただし、横長タイプと縦長タイプの中間である特性上、レイアウトの強みを明確化しづらく空間づくりの難易度は高いとされています。どちらかといえば少数派となる珍しいレイアウトであるため、事前にネット上で正方形タイプの実例を複数見比べて、イメージを固めておくことをおすすめします。
L字型タイプの特徴
L字型タイプのレイアウトは、真上から間取りを見たときにリビングルームの形状がL字状になっているレイアウトを指します。
- 複数の方位に窓を設置できる
- リビングルーム内がゆるやかに区切られる
- 動きがある個性的な空間になりやすい
L字型タイプのレイアウトは複数の方位に窓を設置しやすく、立地によっては1日のうち長い時間を自然光で過ごすこともできます。
またL字状を描くレイアウトはゆるやかに空間が区切られやすく、それぞれの場所へ自然に別の役割を持たせることが可能です。
シンプルな形状である横長・縦長・正方形タイプと比べ、L字型タイプはやや複雑な形状となっているため、個性的な空間を演出しやすい特性があるともいえるでしょう。くわえて、リビング・ダイニング・キッチンのどれを中央に配置するのかにより、空間の印象がガラリと変わることも特徴です。
一方で横長タイプや縦長タイプとは異なり、一方向に長く広がっているわけではないため、同じ面積であればL字型タイプの方が手狭に感じられる場合もあります。
レイアウトと同時に考えるべきポイント
横長タイプや縦長タイプなど、複数ある選択肢からリビングルームのレイアウトを検討する際、同時に考慮すべきポイントとして以下が挙げられます。
- 窓やドアの位置・方向
- インテリアのサイズ・配置
窓やドアの位置・方向は、室内の採光や導線に関わる部分であり、多くの人が重要視するため見落としは起きにくいでしょう。
一方、インテリアのサイズ・配置には見落としやすいポイントがあります。とくにレイアウトの特性を意識せず、漠然とイメージしている「目指す部屋の雰囲気」から逆算してインテリア選びを進めると、本来リビングルームが持っていた魅力を打ち消してしまう場合があるのです。
たとえば、縦長タイプのリビングルームであれば、入口から見て手前側に背の高いインテリアを設置すると、それだけで視覚的に非常に窮屈な印象になります。
背の高いインテリアを置いたからといって、実質的な部屋の面積が大きく変わるわけではありませんが、リビングルームに出入りするたび感覚的に「我が家のリビングルームは窮屈だ」と思ってしまうのです。
結果として自宅の快適度低下につながるため、インテリア選びの際はレイアウトごとの特性も意識してみてください。
まとめ
多くの場合、リビングルームはもっとも長く家族が時間を共有し、コミュニケーションを取る空間です。
ですが各家庭にはそれぞれ違ったライフスタイルがあり、ひとえに家族全員の距離感が近いほど好ましいというわけではありません。また「ほぼ家族以外は使わないリビングルーム」と「頻繁に来客があるリビングルーム」では求める要素も変わってきます。
たとえば、家族そろって一緒に長時間テレビを視聴する習慣があるなら、どの位置からでもテレビを見やすい横長タイプのリビングルームが相応しいと判断できます。
一方、リビングルームという1つの空間を共有しながらも、部屋にいるメンバーがそれぞれ違った時間の過ごし方をする場合が多いなら、空間がゆるやかに区切られるL字型タイプのリビングルームが候補に挙がるでしょう。
リビングルームに求める機能性や採光のしやすさ、部屋を飾るために取り入れたいインテリアなどを考慮しつつ、理想の空間づくりを追求してみてください。