新築したマイホームを最高の状態にする照明のこだわり方!生活の質を高める照明選びと設置場所
生活スタイルや部屋の役割によって、選ぶべき理想の照明が変わることをご存じですか?
照明は奥が深く、明るさ・数・配置・色味など1つの要素が変われば、部屋の印象はガラリと変わります。具体的には「リラックスできる部屋」や「仕事がはかどる部屋」、「細かな手作業が進めやすい部屋」といったように、各部屋へ役割に応じた効果を与えられるのです。
照明は家のなかでも交換が効きやすい場所であるため、新築時は間取りや使用する建材などに目を向けがちですが、完成直後から自宅の快適度を最高の状態とするためにも照明について考えていきましょう。
照明が持つ役割とは
一見すると照明は「暗い場所を照らす道具」に思えますが、実は生活の質を高める重要なインテリアです。
とくに「光の色味」は照明によって得られる効果を左右するので、以下のような分類があることを念頭に置いて照明選びを進めてみてください。
- 電球色:オレンジっぽい暖かみのある光
- 昼白色:太陽の明るさに近い自然な光
- 昼光色:青みがかった白い光
一般的に電球色はリラックス効果があり、昼光色には集中効果があるとされています。
その中間にある昼白色は無難な選択肢ではありますが、あえて電球色や昼光色を選んでそれぞれの特性を活かし、部屋の印象を用途別にコントロールして生活にメリハリをつけるといった考え方もあるのです。
以下の画像をご覧ください。
暖色寄りの照明が使われているため、穏やかで暖かい印象の演出ができています。家族団らんや余暇の時間を過ごす部屋にこういった暖かさがあれば、よりリラックスして心休まる時間を過ごせそうですよね。
一方、以下のような寒色寄りの照明はどうでしょうか?
寒色寄りの明るい照明は部屋全体をクリアに見せるほか、脳の集中力を呼び起こし仕事の効率を高めるとされています。実際、このような昼光色と呼ばれる青みがかった光の照明は、オフィスをはじめ集中力が求められる環境でよく使われます。
上記は一例ですが、照明が単なる「暗い場所を照らす道具」ではなく、良くも悪くも空間の印象をガラリと変えるものだとイメージできたのではないでしょうか?
最近では調色に対応した製品も増えていますが、照明の色味がもたらす効果を知っておいて損はしません。
予算やデザイン的な制約から調色非対応の製品を選ぶ可能性もありますし、役割が限定的な部屋は照明の色味を固定することで「いつもの雰囲気」を調整なしのワンアクションで実現できます。
また照明の色・照度だけではなく、照明の種類によっても部屋の印象は変わります。
天井に取りつける照明の種類は、一般的なものだけでも以下のように複数挙げられます。
- シーリングライト
- ペンダントライト
- シャンデリア
- ダウンライト
- トラックライト
それぞれデザインや光の広がり方が異なるため、予備知識として各照明の特徴やメリット・デメリットを解説します。
シーリングライト
シーリングライトは、賃貸マンションに設置されていることが多いため、名前は知らなくても見たことがある方は多いはず。部屋全体を均一に明るくしやすいため、数ある照明のなかでも採用率が高く汎用性に優れたライトです。
ただしデザイン性に乏しい製品が多く、照明の方向調整ができないため「部屋の用途に応じて光を演出する」といった役割を苦手とします。
ペンダントライト
ペンダントライトは天井から吊り下げるタイプの照明で、光源が低い位置となることを活かして部分的な照明に使われます。一般的にはダイニングテーブルやキッチンカウンター、玄関先を優しく照らす用途で活用されることが多いでしょう。
ペンダントライトはデザインが豊富で「空間への馴染みやすさ」に優れており、1灯使いにも多灯使いにも対応できるため、それぞれの部屋に最適な製品を探しやすい点がメリットです。
シャンデリア
皆さんもご存じのシャンデリアは、いわば豪華なデザインのペンダントライトです。
華やかな装飾があるため基本的に重い製品が多く、天井にしっかりと固定するための工事が必要になることも。また照明としては高価な傾向にあり、清掃に手間がかかるものの、ほかの種類の照明では得られない高級感を演出できます。
ダウンライト
ダウンライトは、部屋の天井に光源を埋め込むタイプの照明です。天井にあとから取りつけるタイプよりも照明器具が目立たず、天井全体をスッキリとした印象にできます。
特定の場所を照らす用途で使ったり、ペンダントライトやシャンデリアの補助としてサブ照明で使ったりできるほか、数・配置次第ではダウンライトのみで部屋を照らすことも可能です。
スポットライト
スポットライトは、特定の方向に対して光を当てられるタイプの照明です。複数灯でメインの照明として使用できるのはもちろん、1灯使いで気に入ったインテリアやアート作品を照らすような使い方もできます。
一般的には、シーリングライトのように天井に直接取りつけるタイプと、照明の位置を移動できるライティングレールに取りつけるタイプに分類されます。
天井に埋め込むダウンライトとは異なり、光源の位置や方向を自由に調節できるため、たとえば定期的にインテリアの位置を変えるような場合に、その都度ベストな照明効果を得られるよう調整可能です。
新築時に考えたい部屋別の照明選び
新築時は壁材や床材、間取りや採光に気を取られて、意外と照明選びにまで意識が向かないものです。「照明はあとから気軽に変えられる」と判断しやすい点も、照明選びがおざなりになりやすい要因でしょう。
ここまでに解説した照明の色味・種類の特性を踏まえつつ、各部屋に取り入れたい照明選びの一例をご紹介します。
リビングの照明
リビングは各部屋のなかでもっとも家族が集まりやすく、自宅にいる時間の大半を過ごす部屋です。
いわば「家族の誰もがいろいろな用途で使う部屋」であるため、過ごし方に応じて明るさや色味を調整できる照明が望ましいでしょう。
たとえば、広範囲を均一に照らせるシーリングライトをメイン照明としつつ、観葉植物や壁に取りつけた絵画・写真にスポットライトを当てれば、部屋全体の明るさを確保しながらも立体感を演出できます。
ダイニングの照明
ダイニングは食事やお菓子を楽しみつつ、家族団らんの時間を過ごす場所です。そのため、電球色の照明を取り入れて落ち着いた雰囲気を演出し、家族との大切な時間が和やかに流れる工夫ができると理想的です。
また、寒色寄りの照明で食事を照らすと食べ物が冷たく見える場合があり、一般的には「美味しそう」と感じにくくなる傾向があります。
献立が同じであっても最良の食事体験を得るために、肉や野菜などの自然な色が強調される暖色寄りの照明を選ぶことをおすすめします。
なお、ダイニングを洗練した空間にする照明として名前が挙がるのはペンダントライトですが、ペンダントライトの設置位置には要注意です。
というのも、ダイニングテーブルを置く正確な位置を決めないまま大まかな判断でペンダントライトを設置した結果、テーブルとペンダントライトの位置が合わず不格好になってしまう可能性があるからです。
照明に合わせてあとからテーブルの位置やサイズを調整しなくても済むように、ダイニングテーブルを置く位置を厳密に決めてしまい、そこに調和する配置で照明を設置するように心がけると失敗を減らせます。
寝室の照明
睡眠そのものはもちろん、寝室はその前段階である入眠前のリラックスタイムを過ごす重要な部屋です。そのため間接照明で優しい光を拡散させるような演出を取り入れ、脳や目を極力刺激しないよう工夫することをおすすめします。
就寝前に読書をしたり日記を書いたりする習慣がある場合、間接照明では光量不足で作業しにくいケースもあるため、その場合にはテーブルランプやスタンドライト、壁掛け照明で手元の明るさを確保すると良いでしょう。
子ども部屋の照明
幼い頃は図鑑や絵本を読んだりおもちゃで遊んだり、学校に通う年齢になると宿題や自主勉強をこなしたり、子ども部屋は幅広い用途で使われます。
とくに幼いころは部屋の1ヶ所でじっとするのではなく、グルグルと忙しく移動しながら遊ぶお子さんもいるため、部屋のどこで何をしていても快適に過ごせるように部屋全体を照らせる照明が理想的です。
また力がついてくる年齢になると、おもちゃを天井に向かって投げてしまうこともあります。そのため、照明は割れやすい素材を避けて、多少衝撃が加わっても破損する危険が少ない素材や、破損しても怪我をしないような素材の製品を選ぶことをおすすめします。
なお、日頃から自室でも勉強に励む年頃になった際は、部屋全体の明るさを気にかけることはもちろん、照明の色は集中効果が期待できる青みがかった昼光色にできればなお効果的です。
ただし子ども部屋が寝室も兼ねている場合、青みが強い照明だと入眠を妨げる可能性があるため「勉強中は青みがある照明」「就寝前はオレンジ寄りの照明」といったように、場面に合わせて調整できる照明が良いでしょう。
キッチンの照明
刃物を使ったり調味料を測ったり繊細な作業を行うキッチンは、とにかく手元が均一に明るくなることが重要です。
リビングやダイニングの照明を暖かみのある電球色にした場合、雰囲気を統一するためにキッチンの照明も電球色を選びがちですが、暖色寄りの照明は手元をハッキリ照らす用途には不向きです。
快適な調理環境を目指すのであれば、昼白色や昼光色の照明をおすすめします。どうしても暖色に寄せたい場合は、照明の数を増やしたり可能な限り光源を手元に近づけたり、照度の強い製品を選んだりといった工夫を取り入れてみてください。
玄関の照明
玄関は長い時間を過ごす場所ではないため、十分な明るささえあればデザイン重視で選んでも問題ないでしょう。それより重要となるのは、以下の2点を検討することです。
- スイッチの場所
- 人感センサーの有無
照明のスイッチが玄関ドアから離れていた場合、帰宅時間によっては暗い玄関から手探りでスイッチを探さなければなりません。頻繁にこのような状況が繰り返されるとストレスになるため、照明のスイッチは玄関ドアから少し手を伸ばせば届く場所が理想的です。
また別の選択肢として、玄関付近に人感センサーがついた照明を取りつける方法もおすすめです。
買い物をしたり屋外から荷物を運んだりといった場面では、両手がふさがって照明のスイッチを押すにも一苦労することがあります。人感センサーつきの照明はそういった問題を解消できますし、慌てて外出した際に玄関の電気を消し忘れたかどうかを気にする必要もなくなります。
まとめ
新築したマイホームを最良の空間にするためには、照明へのこだわりが不可欠です。
照明を選ぶときはデザインが優れているかどうかに目を向けがちですが、使い勝手や快適度を左右する「照明の数・配置」や、リラックス効果や集中効果をコントロールする「照明の色味」にも目を向けてみてください。