新築住宅の購入時、追加費用や追加工事がかかる理由と事前の対処法
新築住宅購入時には、購入諸費用や税金がかかります。そして、もう1つ忘れてはいけないのが、追加工事による追加費用です。
新築住宅を購入するときには、必ず追加費用まで考慮して資金計画を立てましょう。
しかし、なぜ新築住宅に追加工事が必要なのでしょうか。本記事では追加工事が必要な理由や、追加費用の目安などについて解説します。
追加工事ってどのような工事?
追加工事とは、オプション工事とも言われ、建物の標準仕様についていない設備などを建物完成後に設置する工事です。
追加工事費用は新築住宅の購入金額に入っておらず、追加工事をする箇所ごとに費用が発生します。
追加工事費用の支払時期については、新築住宅引き渡し後になることも多いですが、念のため追加工事をする会社に支払時期を確認しておきましょう。
追加工事が必要な理由
追加工事が必要な理由は、建物の標準仕様に生活に必要な設備が入っていないこともあるからです。
標準装備に生活に必要な設備が入っていない、ということに驚かれる人も多いと思います。しかし、実際に次のような設備は、標準装備に入っていないケースがあります。
- カーテン
- カーテンレール
- 網戸
- シャッター
- テレビアンテナ
- エアコン
- 照明
例として挙げた物がすべて必要とは限りませんが、生活に必要な物が多いはずです。
新築住宅を購入するときには、網戸やテレビアンテナなどがない可能性もあることを理解しておかなければなりません。
主な追加工事とその費用目安
主な追加工事とその費用目安は、次の表のとおりです。
追加工事名 | 費用目安 |
網戸 | 4,000円~6,000円/枚 |
物干し金具・物干し竿 | 2万円~3万5,000円/ヵ所 |
カーテンレール | 5,000円~8,000円/窓 |
テレビアンテナ | 3万円~10万円 |
表札 | 2万円~4万円 |
照明 | 5,000円~2万円/ヵ所 |
エアコン | 5万円~20万円/台 |
シャッター | 6万円~8万円/枚 |
防犯フィルム | 15万円~25万円 |
食洗器 | 10万円~20万円 |
ハンガーパイプ | 7,000円~3万円 |
バルコニー屋根 | 10万円~15万円 |
面格子 | 2万円~4万円 |
カップボード | 15万円~30万円 |
カーポート | 20万円~100万円 |
吊戸棚 | 2万円~3万円 |
室内干し | 2万円~4万円/窓 |
ウッドデッキ | 10万円~ |
IHクッキングヒーター | 10万円~15万円 |
フロアコーティング | 15万円~50万円 |
電子施錠・スマートキー | 2万円~7万円 |
芝生 | 5,000円/㎡ |
新築住宅には多くの追加工事があり、上記表は代表例と費用の目安です。
各建築・販売会社により標準仕様は異なり、費用も異なるため、追加工事をするときには、建築・販売会社に直接確認ください。
追加工事費用は値引き交渉できるの?
追加工事費用は時期や金額、工事内容によっては、値引き交渉ができます。
追加工事費用には値引き可能な枠が設定されていると言われており、工事費用の1割~2割程度の値段交渉ができることもあります。
そして、値引き交渉をするときには、追加工事する内容をまとめてから交渉をするようにしましょう。
何度も追加工事をして、何度も値段交渉をすると担当者の心象を悪くしてしまいます。値引きができるかは担当者から上司・メーカーへの交渉も必要になります。担当者の負担を軽くする行動をすれば、値引き交渉の通る確率が上がるかもしれません。
追加工事するかどうかの判断基準
追加できる設備は多く、どの設備を設置したらよいか迷ってしまうことがあるかもしれません。そのようなときには、追加工事するかどうかの判断基準を作っておくとよいでしょう。
追加工事するかどうかの判断基準は次のとおりです。
- 後付けすると追加工事費用が高くなるかどうか
- 自分で設置可能かどうか
- 予算に収まるかどうか
本章では追加工事するかどうかの判断基準の各項目について解説します。
後付けすると追加工事費用が高くなるかどうか
追加したい設備が追加工事で設置したほうが安いのか、後付けで設置しても値段が上がらないのかで、追加工事するかを判断します。
一般的には建築途中や入居前に設置したほうが工事費用は安くなります。しかし、追加工事によっては、後付けでも値段が変わらないケースもあります。もし急いで設置する必要のない設備が後付けでも値段が変わらないのであれば、設置を後回しにして本当にその設備が必要なのか検討してもよいでしょう。
自分で設置可能かどうか
設備によっては自分で取り付けたりできる物もあるため、自分で取り付けられる物なのかで、追加工事をするか判断します。
たとえば、カーテンレールやカーテンなどは自分で設置できる可能性があるものに該当します。設置の手間を考えて費用を払うのであればよいのですが、もし金銭的な部分を優先させるのであれば、自分で取り付けるのも1つの手段です。
予算に収まるかどうか
予算に収まるかどうかで追加工事をするか判断します。
追加工事は追加していくとキリがなくなります。そのため、あらかじめ追加工事の予算を決めておきましょう。
どれだけ設置したい設備があったとしても、追加工事予算を超えるのであれば行わないというラインを決めます。また、予算のラインとともに、追加工事内容の優先順位をつけておきます。
ラインと優先順位がついていれば、予算が確定でき、追加工事する範囲を簡単に決められることでしょう。
追加工事費用は住宅ローンで払えるの?
追加工事費用は住宅ローンで払えます。
ただし、追加工事を住宅ローンで払うには、あらかじめ建物購入代金とともに追加工事費用もローン審査にて申請しなければなりません。つまり、建物購入代金と追加工事費用を合計した金額のローン審査をするわけです。
金融機関はローン審査した金額しか住宅ローンを貸してくれないため、事前に審査をしておく必要があります。
また、住宅ローンではなくても、追加工事費用はリフォームローンの対象になります。
リフォームローンは住宅ローンより金利が高いものの、住宅ローン審査時にまだ追加工事が決まっていないときには、リフォームローンを利用するのもよいでしょう。
一番いけないのは、追加費用を住宅ローンで払うために急いで追加工事を決めることです。
急いで追加工事を決めてしまうと、本当に必要のない工事を依頼してしまったり、必要な工事を依頼し忘れたりします。そのようなことがないよう、じっくりと検討し、リフォームローンを利用することも含めて検討すべきでしょう。
追加工事に関する注意点
追加工事をするときには、確認しておくべきことや注意しておかなければならないことがあります。
具体的に確認・注意しなければならないことは次のとおりです。
- 建築会社や販売会社の追加工事費用は高い
- 設備会社の見積もりを取得する
- 保証対象外にならないか確認しておく
本章では上記、追加工事に関する注意点について解説します。
建築会社や販売会社の追加工事費用は高い
建築・販売会社の追加工事費用は高い傾向にあります。
追加工事を行う会社は建築・販売会社に対し仲介手数料を払うことが多く、工事する業者は払う仲介手数料の金額を工事費用に上乗せすることがあります。
そのため、追加工事費用 = 工事費用相場 + 仲介手数料となり、金額が上がってしまうのです。
設備会社の見積もりを取得する
追加工事を住宅ローンで払う、急いで追加工事をしたいというとき以外は、複数の設備会社から工事費用見積もりを取得しましょう。
急いで行わなければならない追加工事は、建築・販売会社に行ってもらうしかありません。しかし、建築・販売会社の追加工事は高くなりがちです。
高い費用を払うのはもったいないため、後回しにできる追加工事に関しては設備会社から工事費用見積もりを取得し、費用を比較しましょう。
なお、設備会社の見積もりは1社だけでなく、複数社に依頼しましょう。
1社だけに見積もり依頼をしても、依頼した設備会社の見積もり内容が正しいか判断できません。設備会社の見積もりが正しいか確認するために、複数の見積もり取得が必要になります。
保証対象外にならないか確認しておく
建築・販売会社以外の工事業者が追加工事をし、建物に不具合を発生させた場合、建築・販売会社のアフターサービスの対象外になることには注意しましょう。
アフターサービスとは、商品を購入した顧客に対し引き渡した商品に不具合があった場合、商品の交換・補修・点検などをしてくれるサービスのことです。不動産の場合であれば、クロスのはがれを直す、床のきしみを直すなどのサービスです。
アフターサービスは建築・販売会社およびその関係会社が行った工事しか保証してくれません。そのため、無関係な会社が追加工事をして建物に影響を与えた場合、建物のアフターサービス適用外となってしまいます。
まとめ
新築住宅購入時には、追加工事が発生し追加費用も発生することもあります。
追加工事・費用が発生する理由は、生活に必要なものがついていないからです。
標準仕様は各建築・販売会社により異なりますが、網戸やカーテンレール、テレビアンテナなどがないこともあります。そのため、網戸などを自分でつけなければならず、追加工事・費用がかかってきます。
自分・家族が本当に欲しい設備は何かを決めておき、追加工事をして不必要な金銭を払うことを防止しましょう。追加工事をしたものの、生活を始めたら使わなかったというようなことが起きなくなります。