戸建て住宅の効率的な掃除のポイントとは?時間を節約しつつキレイをキープする方法を解説

一人暮らし向けの集合住宅とは異なり、戸建て住宅は面積が広く部屋数も比較的多いため、定期的に掃除をする習慣がなければすぐに汚れが溜まってしまいます。

しかし、掃除が得意な人ばかりではありません。

株式会社ダスキンが20歳以上の男女4,700人に行った調査では、全体の65.1%の回答は「掃除が嫌い」だったとのこと。他社が行った別の調査結果を見ても、おおむね50%の人は掃除が不得意だと回答する傾向にあります。

そこで今回は、とくに負担が大きい「戸建て住宅の掃除」に焦点を当てて、効率的な掃除のポイントを解説していきます。

定期的に掃除を行う3つのメリット

自宅を定期的に掃除することで得られる効果は多岐にわたります。「見た目が整う」という視覚的な気持ち良さだけではなく、ほかにも以下のような点で良い効果があるのです。

  • 健康面のリスクを減らす
  • 時間の無駄遣いを減らす
  • 家の価値を維持する

掃除を苦手としている場合、あやふやな義務感だけで掃除を続けることは難しいため、掃除により得られるメリットを再確認してモチベーションを高めてから、掃除の習慣化に臨むことをおすすめします。

まずは定期的な掃除がもたらす良い効果について、順番に確認していきましょう。

健康面のリスクを減らす

空気中に舞っているホコリやカビは、アレルギーや呼吸器系の疾患を引き起こす要因として知られています。そして、仮に目に見えるホコリやカビがないとしても、安心するのは厳禁です。

基本的にダニの死骸や糞は目に見えませんが、ダニはほぼすべての家庭で夏場に繁殖しており、秋以降は乾燥して小さくなったものが浮遊して体内に入ります。ダニも吸引すればアレルギーを引き起こすため、健康リスクを考えるなら無視できません。

そのため、目に見えるゴミを掃除するだけでなく、目視できるかできないかにかかわらず各部屋をくまなく掃除する習慣が必要なのです。

時間の無駄遣いを減らす

アレはどこに置いたかな……と、ちょっとした日用品や小物を探すために多くの時間を費やした経験はありませんか?掃除のコツが語られる場面でよく「掃除は片付けのあとに行うもの」と説明されるように、掃除と片付けは表裏一体の関係にあります。

もちろん掃除か片付けのどちらか一方のみ得意な方もいますが、基本的に掃除と片付けはセットで考えるもの。そのため、掃除を怠ると片付けもおろそかになりやすく、結果として「何がどこにあるのか分からない状態」に陥りやすいのです。

もしあなたが整理整頓に苦手意識を持っており、よく探し物に時間を費やしてしまうことに悩んでいるなら、定期的な掃除を習慣化するだけで片付けも習慣化され、ひいては時間の無駄遣いも減らせるはずです。

家の価値を維持する

掃除を怠ると、家はいたるところから劣化が始まります。たとえば、早めに対処しておけばきれいに拭き取れたはずの壁・床の汚れは、放置期間が長くなるほど染みついて取れなくなりますし、カビや臭いの原因となる可能性もあります。

また定期的に掃除を行うことで、目に見えない些細な違和感に気付くことも珍しくありません。普段と比べて「床が沈む」や「床鳴りが気になる」といった不調を早期発見できれば、被害がより深刻化するまえに腐食やシロアリ被害にすばやく対処できます。

もちろん、掃除中ではなくても気付く可能性はありますが、常日頃から各部屋の状態に注意を払うというのは難しいものです。その反面、掃除中は手が塞がりスマートフォンなどを触ることがないため、小さな違和感にもアンテナが働きやすいのです。

こういった「目に見える汚れ」にも「目に見えない家の不調」にも早急な対処ができる点で、定期的な掃除は家の価値を維持するために役立つといえます。

基本的な掃除の心得

掃除を効率化し、無駄な時間をかけずに家を美しく保つためには以下が重要です。

  • 掃除の頻度とタイミング
  • 掃除の効率的な進め方

いずれも明確な正解はありませんが、基準の1つとしてご確認ください。

掃除の頻度とタイミング

家の掃除は重要ですが、決して毎日家の隅々を大掃除する必要はありません。清潔な家を保てる範囲で、無理のない掃除スケジュールを組むだけで十分です。

掃除のタイミングはそれぞれの家庭で基準が異なりますし、家族構成や家の広さによっても左右される部分ですが、考え方の一例として以下を参考にしてみてください。

項目 掃除場所の代表例
日常的な掃除 キッチン、トイレ
週1回の掃除 浴室、各部屋の床・窓ガラス
季節ごとの大掃除 エアコン、収納スペース、換気扇

水垢が溜まりやすい洗面所や毎日何度も利用するトイレ、料理のたびに油や食材のカスが飛び散るキッチンは放置するほど汚れが落ちにくくなり、どんどん対処が億劫になるため日常的な掃除が望ましい場所です。

続いて、週に1回程度の掃除を行うべき場所としては浴室や各部屋の床、窓ガラスが挙げられます。とくに浴室で繁殖しやすいカビは、一度発生するときれいに落とすまでに時間がかかるため、予防もかねて週に1度は掃除をしたいところ。

各部屋の床や窓ガラスは、休日にまとまった時間をとれるなら全部屋まとめて対応するのが効率的です。ただし時間の確保が難しい場合には、日替わりで各部屋を順に掃除し、1週間で全部屋を一巡するなどの方法でも良いでしょう。

そして季節ごとの大掃除ではエアコンや収納スペース、換気扇など日常的に掃除を行いにくく、時間をかけて徐々に汚れが溜まってしまう場所を清掃するのがセオリーです。

掃除の効率的な進め方

掃除を効率的に進めるためには、以下のポイントを意識して順序立てて進めることが重要です。

  • 掃除道具は1ヶ所にまとめておく
  • 掃除は「上から下、奥から手前」に進める
  • いきなり広範囲を清掃せず1ヶ所ずつ対応する

まず「掃除をしよう」と思い立ったとき、どんな場所の掃除でもすぐに着手できるように、できる限り掃除道具を1ヶ所にまとめておくと良いでしょう。

また基本的なルールとして、掃除を行うときは「上から下、奥から手前」に進めることで、一度掃除した場所へ再びホコリが移動してしまうことが減り、無駄な手間を増やさずに済みます。

そして掃除を始めるときは、どれだけ「今日はいろいろな場所をきれいにするぞ」とモチベーションが高まったとしても、一度に複数個所に対処するのではなく1ヶ所ずつ確実に清掃を進めていきましょう。

これは複数個所を同時に掃除している最中、何らかのきっかけでモチベーションを失ってしまった場合に、手がけた場所すべてが中途半端な状態となり清掃の効果が半減してしまうからです。

戸建て住宅の掃除を楽にする工夫

できる限り1回の掃除にかかる負担を減らすことが、定期的な掃除を習慣化するコツです。掃除の負担を減らす方法はいくつかありますが、とくに実行に移しやすい以下の2つをご紹介します。

  • 掃除を分散・分担する
  • 定期的な断捨離で無駄なモノを減らす

どれか1つでも取り入れれば格段に掃除が楽になるので、ぜひ実践しやすいものから試してみてください。

掃除を分散・分担する

「掃除の効率的な進め方」の章では、いきなり広範囲を清掃せず1ヶ所ずつ対応することを推奨したため、掃除を分散・分担する行為は矛盾しているように思えるかもしれません。

しかし、ここでご提案するのは1ヶ所の掃除を分散・分担する方法です。

取り入れやすい方法の具体例としては、待ち時間が生じるタイミングでの「ながら掃除」が挙げられます。たとえばコーヒーを淹れる際、お湯を準備するときやドリップ時の待ち時間でシンク周りをふき取っておけば、汚れのこびりつきや水垢の予防が可能です。

これを習慣化できれば、シンク周りの掃除1回にかかる負担が減り、「またシンク周りのこびりつきや水垢を必死にとらないといけないのか……」と憂鬱になる機会が減ります。

また、家族で掃除を役割分担して進めるやり方も有効です。

浴室の掃除を例にすると、以下のように役割を分担することで1人ひとりの作業内容がシンプルになり、使う道具をこまめに交換する必要がなくなるため負担が減ります。

  • 浴槽や浴室の壁・床など「大きい掃除対象」を担当する人
  • シャンプーボトルや桶など「小さい掃除対象」を担当する人

1人で全部を掃除するとなると「どこから手を付けるべきか」など考えなければならない事柄が増えますが、何らかの基準で区切って分担すれば作業は単純化され、結果的にスピーディーに掃除が進みます。

定期的な断捨離で無駄なモノを減らす

ひと昔前とは違い、現代は高品質なモノを低価格で手軽に購入できます。その分、いろいろなアイテムに目移りする機会が増え、気付けば家のなかにモノが溢れてしまう……といったケースは珍しくありません。

どちらの方が掃除に手を付けやすいか想像してみてください。

  • 何も置かれていない床
  • モノが散らばっている床

ほとんどの場合「何も置かれていない床の方が掃除に手を付けやすい」と感じるはずです。

ここからも分かるように、家にモノが溢れているだけで掃除に手を付けにくくなるため、掃除が億劫で悩んでいる場合は定期的な断捨離から始めてみてください。

また、気軽に捨てたり買い替えたりすることが難しい家具・家電を購入する際は、できる限り掃除の邪魔にならない移動が簡単なものを選ぶことをおすすめします。

まとめ

アンケート調査からも判明しているように、家の掃除に苦手意識を持つことは珍しいことでも、恥ずべきことでもありません。

しかし、現実問題として掃除を継続しなければ家はすぐに不潔になり、急速に劣化が進んで住居としての価値を失っていくため、定期的な清掃の習慣化が不可欠なのです。

だからこそ、掃除のコツを知り効率良く家を清潔に保つために、本記事で解説した方法を取り入れてみてください。