年代別ライフシミュレーションからわかる「不安のない資金計画」とは
住宅ローン制度の拡充により、若者世代からシニア世代まで住宅を購入することができるようになりました。
住宅購入をする方が避けたいことと言えば、資金難から家を仕方なく手放さなければならないこと。住宅を購入する際には、購入前、購入後のライフプランをシミュレーションしておくことが大切です。
本記事では、これから住宅を購入しようと検討している方が、どのようなことに注意をする必要があるのかについて解説します。
住宅購入者がライフプランのシュミレーションをする必要性
住宅購入を検討している方は、ライフプランを検討しておく必要があります。住宅を購入する際に大切なことは、長期的な視野で購入することを心がけることです。「住宅を購入することが目的」ではなく、その後の人生をどのように歩んでいくのかを考えておきましょう。
特に、20代の方が住宅を購入する場合、これからの人生でどのような生活環境の変化が起こり、どのようなことにお金がかかりそうかをあらかじめ把握しておく必要があります。
住宅購入前から資金計画をしっかりおこなうことで、理想の購入時期にトラブルなく住宅を購入することが可能です。ライフプランをしっかり検討して、住宅購入後の返済もスムーズにおこなえるようにしてください。
年代別おすすめのライフシミュレーション
住宅を購入するにあたり、ライフシミュレーションを考えるといっても、どのように考えれば良いのか具体的なイメージがつかない方もいるかもしれません。
そこで、各年代別のライフシミュレーションのポイントを紹介します。
住宅購入時に意識すべきことではなく、どのようなことにお金がかかるのかなどにも触れて紹介しています。
20代は引っ越し、結婚資金、子育て、の確保
20代は何かとお金がかかり、住宅購入まで手が回らない方も多くいらっしゃいます。
住宅購入を思い切っておこなう前に、「引っ越し」「子育て」「結婚資金」の3つのお金が多くかかることを考えておきましょう。
引っ越しは計画的に
一人暮らしの住まいから、結婚を機に引っ越しを検討しているのであれば、子どもが何人欲しいかによって引っ越し先を検討しておくことが大切です。家族構成が変化するたびに引っ越しを検討するのではなく、結婚する際に夫婦で将来何人子どもが欲しいかなどの話し合いをしっかりおこなうようにしましょう。
結婚資金の確保
結婚をする方の中で、結婚式を検討している場合は、結婚資金の確保をあらかじめしておくことをおすすめします。結婚式の内容によって費用は異なりますが、400万円〜600万円程度の資金が必要です。
結婚式をおこなう場合、結婚式の半分はご祝儀などで賄えるため、想定している費用の半額の資金を確保しておくようにしましょう。
出産・子育てのための資金確保
20代で第一子を産む場合は、出産・子育てのための資金をある程度確保しておく必要があります。出産時にも費用がかかるだけでなく、育児に必要なベビーカー、服、おむつ、ミルクなど何かと費用が必要です。成長度合いによって異なりますが、6歳児までの子は年間50~60万円程度費用が必要だと考えておきましょう。
20代の適正価格
20代で住宅を購入する場合、住宅ローンにゆとりを持って組むことができます。購入する住宅によって異なりますが、頭金を300万円準備できれば、月10万円以内の返済が可能です。
30代はマイホームを購入する適齢期
一般的には、30代にマイホームを購入する方が多くいます。この時に重要なことは、住宅を購入して良いかの見極めと、必要な頭金を準備しておくことです。20代とは異なり、30代では第二子が産まれる、転勤なども考えられます。
住宅を購入した後に生活環境が変わらないよう、あらかじめ家族構成などを考慮しておくと良いでしょう。
教育費が増えていくので注意が必要
30代になると、子どもが成長し学校に通いはじめます。成長とともに養育費も増えていくので注意が必要です。中学を卒業するまでに1900万円、大学卒業であれば3000万円近くの費用が必要となるので、子どもの将来を考えながら養育費を検討しておきましょう。
住宅ローンの負担が多くなる
30代で住宅を購入する場合、住宅ローンの負担が多くなります。3500万円の住宅を購入する場合、月12万円程度の返済が必要です。ローンを返済するだけでなく、子どもの数によって養育費も異なるので、購入前にローン返済額もシミュレーションしておきましょう。
40代はローンでの購入が難しくなる
30代後半で結婚をした方と、20代で結婚をした方では資金繰りが異なってきます。それぞれどのような違いがあるのかについて解説していきましょう。
30代後半・40代で結婚をした場合
30代後半から40代で結婚をした場合、老後をふまえて住宅を購入することができます。また養育費も、結婚前の貯金がある方はゆとりを持った子育てをおこなうことが可能です。
老後のことを踏まえて住宅を購入する方も多く、住み替えの必要のない建物を購入することもできるでしょう。
30代後半で結婚をした場合
40代はお子さんの養育費が最も多くなる時期です。この時期に新たに住まいを購入すると、養育費と返済ローンでかなりの家計を圧迫することが考えられます。仮にローンを組むのであれば、返済期間はかなり短くなり月に20万円近く充てる必要があります。諸々の返済でゆとりがなくならないように注意してください
ローンを組むなら早めの決断を
40代は20代、30代と異なりローン審査も厳しくなります。働いている環境によっては、ローンを組むことができないことも考えられるので、注意が必要です。またローンを組む時期が遅くなればなるほど、返済額も増えていくので遅くとも40代前半で決断することをおすすめします。
50代は老後計画を立てる時期
50代は、養育費の負担が大幅に増える一方で、収入が増えるため資金計画にゆとりのある時期です。しかし、新しく住宅を購入する方は少数派となり、この時期に購入する場合には、ローンを組めない場合の対策も検討しながら計画をする必要があります。
住宅費用だけでなく老後資金の確保も検討する
新しく住宅を購入する場合は、住宅の頭金を準備するだけでなく老後資金の確保もしておくことをおすすめします。特に、50代は病気などで生活環境が一変してしまうことも考えられます。無理が生じないよう、老後資金なども視野に入れながら資金確保をしてください。
リフォームをおこなう時期
すでに住宅を購入した方は、リフォームをする時期でもあります。リフォームの費用を確保しておくか、家を売却し老後を視野に入れた環境に変えるかなど、その家庭によって選択肢が変わるでしょう。
住宅取得予算の50%を自己資金で賄えられるかどうか
50代はローンを組むことが難しいため、住宅資金を自力で確保しておく必要があります。ポイントは、住宅取得予算のうちどの程度を自己資金で賄うことができるかどうかです。組めるローンも限られているので、もし購入をするのであれば、50%自己資金で対応できることを検討しておきましょう。
まとめ
今回紹介したライフシミュレーションは、年代別に検討すべき項目を簡単にまとめたものです。家族構成によっては、紹介した内容以外にも検討すべきこともあります。大切なことは、住宅購入後にどのような生活になるのかをイメージしながら、この先どのような費用が必要なのかをイメージしておきましょう。