子育て世帯が戸建て住宅を選ぶべき4つの理由とは?マンションにはないメリットを解説
子育てが始まると「そろそろマイホームが欲しい」と感じる場面が増えます。
しかし、戸建て住宅か集合住宅のどちらを選ぶべきか、かかる支出が多額なだけに判断が難しいところ。戸建て住宅であれば騒音問題を気にする必要がない一方、マンションは比較的立地が良く、セキュリティ性が高いなど一長一短があります。
ただ、総合的に判断すれば、多くの場合「戸建て住宅の方が子育てのストレスを減らせる」といえるでしょう。
今回は戸建てが子育てにもたらすメリットや、マンションなどの集合住宅と悩んだ際の判断基準について解説します。ぜひ、マイホームの購入前にご一読ください。
子育て世帯が戸建て住宅を選ぶメリット
子育て世帯は、戸建て住宅を選ぶことで主に以下のメリットを得られます。
- 騒音を気にする必要がない
- プライバシーが守られやすい
- レイアウトの自由度が高い
- スペースが広い
目標とするライフスタイルや教育方針の都合上、上記のポイントが魅力的に感じる場合は、戸建て住宅を選んだ方が満足度は高くなるでしょう。ここからはマンションやアパートなどの集合住宅に比べて、戸建て住宅が優れている部分を解説していきます。
騒音を気にする必要がない
子育て世帯は声の大きさや生活音のコントロールが難しく、集合住宅であれば隣人と騒音トラブルで揉める可能性があります。また反対に、寝かしつけた幼児が隣人の声や生活音で目を覚ましてしまう懸念もあり、より気を配りながら子育てを行う必要があります。
その点、戸建てはマンションよりも近隣住宅と距離が離れるため、騒音問題に悩まされる機会が比較的少ないでしょう。
ある程度の節度は必要ですが、子どもを自由に伸び伸びと遊ばせやすいのは、騒音を気にする必要がない戸建て住宅だといえます。
プライバシーが守られやすい
集合住宅に住む場合、階段や廊下、エレベーターなどの共用スペースで近隣住民に出会う機会が多々あります。また生活音が近隣に聞こえやすいため、隣人に生活サイクルが伝わりやすいとも考えられるでしょう。
その点、戸建て住宅は敷地を柵や塀で囲えるため、近隣からの視線を遮ってプライバシーを守ることが容易です。
レイアウトの自由度が高い
戸建て住宅はレイアウトの自由度が高く、集合住宅に比べて好みのインテリアやエクステリアを取り入れる制約がありません。
屋内であればクロスやフロア材、屋外であれば庭や駐車場など、あらゆる箇所を自由に設計できるため、子育て世帯のライフスタイルに合わせた選択ができます。また子どもの成長に合わせ、リフォームで内装をガラリと変えやすい点も戸建て住宅のメリットです。
スペースが広い
生活空間の広さを重視する場合、戸建て住宅はマンションやアパートよりも有力な選択肢となります。戸建て住宅であれば「理想とする住居スペースの広さ」から逆算して、最適な面積の土地を選ぶところから家づくりを始められるからです。
また屋内だけでなく屋外のスペースも広く取ることで、砂場やプールの置き場を設けて遊ぶための空間を用意したり、家族でバーベキューを楽しんだりすることもできます。
広い庭を活用して子どもと草花や小動物を育てることで、命の大切さや思いやりを育む情操教育につなげやすい点も、スペースを広く使える戸建て住宅のメリットだといえるでしょう。
子育て世帯がマンションを選ぶメリット
ここまで戸建て住宅のメリットを挙げてきましたが、もちろん集合住宅にもメリットはあります。とくにマンションには以下の特徴があり、「戸建て住宅の弱点」ともいえる部分をカバーしている場合が多いことも事実です。
- セキュリティ対策が手厚い
- 利便性に優れた物件が多い
- メンテナンスが手軽
マイホームを戸建て住宅にするかどうか判断に迷ったときは、ここから解説するポイントも含めて、子育て時期にどのような家が欲しいのか考慮してみてください。
なお、アパートもマンションと同じく集合住宅ではありますが、アパートのセキュリティ性や利便性は戸建てに近い部分が多いため、ここではマンションにのみ焦点を当てて解説します。
セキュリティ対策が手厚い
マンションは共用部に防犯カメラやオートロックなど、セキュリティ機能が設けられることも多く、敷地内へ犯罪者が侵入しにくい環境になっています。管理人や警備員などのスタッフが24時間常駐しているマンションは、とくにセキュリティ性が高いといえるでしょう。
戸建て住宅は「近隣住宅と距離が離れている」という点がメリットですが、裏返せば近隣の目が少ないため犯罪を行いやすいともいえます。
防犯カメラを設置したり犯罪を検知・通報するホームセキュリティサービスを利用したり、戸建て住宅へ防犯対策を導入することも可能ですが、周囲から独立している戸建てはマンションよりも犯罪のターゲットにされやすいといえるでしょう。
利便性に優れた物件が多い
マンションは駅やバス停など、公共交通機関に近い場所へ建設されることも多く、通学や通勤に便利な物件が多い傾向にあります。マイカーを所有する予定がないファミリー世帯にとっては、心強い条件のマイホームとなるでしょう。
エリアによっては購入可能な駅近の戸建て住宅もありますが、戸建て住宅に立地的な利便性を求めすぎると極端に選択肢が狭まることも。以上の理由から、利便性を最優先する場合はマンション、条件の自由度を優先するなら戸建て住宅が有力候補に挙がります。
このほか、将来的に子どもが通う可能性がある学校や塾、レッスン教室との位置関係も念頭に置いておきたいところです。
メンテナンスが手軽
マンションは管理会社の管理下にあり、基本的には共用部分のメンテナンスを専門業者が担当します。また共用部分の管理や修繕にかかる費用は全戸が負担するため、戸建て住宅に比べて負担するメンテナンスの総費用が少額となる傾向にあります。
戸建て住宅の場合、メンテナンスの手配を自ら行う必要がありますし、トラブルを避けるためには依頼先の専門業者を比較検討しなければなりません。
これらは子育てに直接は影響しませんが、多少なりとも家庭の経済事情に影響を及ぼすため、出費が多くなりがちな子育て世帯にとって無関係とはいえないでしょう。
平屋・2階建てのどっちが良い?
ここまでの解説を踏まえて「子育て世帯のマイホームは戸建てがベストだ」と判断したご家庭にとって、つぎに課題となるのが戸建ての階数です。
以下に平屋と2階建ての主なメリットをまとめました。
平屋のメリット | 2階建てのメリット |
l 子どもを視界に入れやすい
l 家事の導線設計がシンプル l 地震の影響を受けにくい |
l 土地を最大限活用できる
l プライバシーを確保しやすい l 2階は水害を防ぎやすい |
もう少し深掘りして、それぞれのメリットを紹介します。
平屋の特徴
家族全員が同じ階で生活をするため、2階建てよりも平屋の方が子どもを視界に入れやすく、コミュニケーションも生まれやすくなります。「思春期の子どもが2階の自室から出てこない」という状況を寂しく思うのであれば、平屋を選ぶことで家族団らんの時間を伸ばしやすいといえるでしょう。
また家事の際に上下階を行き来する必要がなくなるため、導線設計がシンプルになり家事効率が上がります。育児に多くのエネルギーを割く子育て世帯にとって、心身の消耗につながる家事の負担軽減は嬉しい点です。
そして、平屋は2階建て以上の戸建てと比較したとき、背が低く構造がシンプルであるため地震の被害を受けにくい傾向にあります。ただし、平屋であっても地盤が弱い場合には耐震性が著しく損なわれる点にご注意ください。
2階建ての特徴
同じ延床面積でマイホームを設計すると仮定した場合、2階建ての戸建ては平屋よりも小さい土地で家を建てられます。シンプルではありますが「1階の真上にもう1階分の部屋を設けられる」という点は、平屋には真似できない2階建ての強みだといえるでしょう。
また2階は1階に比べて通行人の視線が届きにくいため、プライバシーの観点から安心感を得やすいとされています。そのほか、突発的な水害で1階が浸水したとしても、2階に避難できる点は平屋にはないメリットです。
まとめ
「すべての子育て世帯にとって戸建て住宅が最適だ」とはいえませんが、以下を重視するご家庭にとっては戸建てが有力な候補となります。
- 騒音問題を気にしたくない
- プライバシーを重視したい
- 自由にレイアウトを考えたい
- 広い庭や遊び場を設けたい
なお、近年までは2階建て住宅が主流でしたが、昨今では平屋の割合が増えつつあるといわれています。平屋と聞けば古民家を想像しがちですが、戸建てを検討する場合は一度先入観を捨てて「我が家は平屋と2階建てのどちらが最適か」を考えてみてください。