設計料って何!?基礎的な情報から計算方法まで詳しく解説!
1からデザインして自分だけの注文戸建住宅を設計する際に、必ず「設計料」が発生します。設計料はどの程度必要で、どのようなメリットがあるのか分からない方もいるのではないでしょうか。 本記事では設計料とはどのようなものかを理解してもらうために、基礎的な知識から相場、依頼する際に注意が必要なことについて解説します。
設計料とは
設計料とは、設計図を制作した際に発生する料金を指します。設計料は業者によって異なりますが、以下の方式で算出します。
「直接人件費」+「特別経費」+「技術料金」+「諸経費」=設計料
戸建住宅の価格によって設計料も大きく異なります。部屋数や広さによって図面を検討するため、住宅の価格によって変動します。
費用が業者によって大きく異なるので、設計図の制作を依頼する前に設計料の確認をしておくことをおすすめします。
設計料の気になる内訳
設計料を制作するためには、大きく分けて「条件整理」「基本設計」「申請業務」「監理料」の4つがあります。それぞれどのような工程かについて簡単に解説しましょう。
条件整理
敷地面積や条件からどのような建物が設計できるかを検討します。土地によって環境が異なるため建築できるものが微妙に異なることも。そこで、プロの視点からどのようなものであれば建築可能かをアドバイスします。
基本設計
依頼者の要望に沿った住宅を作るために資料を作成します。図面のみで制作をすると依頼者がイメージできない可能性があるため、スケッチやモデルを制作して認識をすり合わせが必要です。
業者によっては基本設計段階で設備設計士や構造設計士が参加することもあります。基本設計は依頼者とのすり合わせ工程と認識しておきましょう。
申請業務
設計図を制作して終わりではありません。この土地にこのような建物を建築することを役所や審査機関に申請し、建築許可を得ます。建築許可の無い建物は違法建築になるため補助金などを利用できないこともあります。
設計図を制作した工務店が図面作成後に申請をおこなうため図面以外のサポートも受けられると認識してください。
監理料
設計費の中には、設計の図面通りに工事が進められているのかを確認する「監理」があります。設計料の中には「設計管理料」が含まれていることもあるので事前確認しておくことをおすすめします。
費用の違い
ハウスメーカーや工務店、設計事務所により設計費の費用感が異なります。違いを理解しておくことで事前にトラブルを回避することも可能です。ハウスメーカー・工務店、設計事務所では費用がどの程度異なるのか、違いがあるのかについて解説します。
工務店・ハウスメーカーの設計料
工務店・ハウスメーカーの設計料は、工事費用の2~5%と言われています。5000万円の注文住宅を依頼するのであれば、100万円〜250万円が設計料になります。
工務店やハウスメーカーは、注文住宅のパターン化ある程度決まっているため、その中からパターンに当てはまるものを取り入れるので設計費を一定に抑えることが可能です。
設計料が安い反面、凝ったデザインの場合は1から構築する必要があり設計費が高くなることもあります。
パターン化された注文住宅を販売しているハウスメーカーでは対応できないこともあるので注意が必要です。住宅のデザイン性よりも価格を重視するのであれば、注文住宅で設計を依頼しましょう。
設計事務所へ依頼をする
設計事務所に依頼すると、工事費用の10%から15%ほど設計費が必要だと言われています。
ハウスメーカーに比べて設計費用も高く、5000万円の注文住宅を依頼した場合、500万〜750万円ほどの設計費用がかかります。
設計事務所の費用が高い理由は、依頼者の要望を全て満たした設計図を可能にします。難しいデザインの家を設計したい場合には柔軟に対応してもらえるため、希望の住宅を設計してもらうことが可能です。
設計図の持ち込みは可能か
自分で制作した図面や、他社で制作した設計図を工務店やハウスメーカーに持ち込み制作をしてもらおうと検討する方もいるかもしれません。
設計図の持ち込みは可能なのでしょうか。
結論から述べると、注文住宅によって考え方がさまざまなので一概にこうであるとは言い切れません。
ハウスメーカーによっては、設計図をもとにプロの意見を踏まえたうえで良い注文住宅を完成するために何が必要なのかを提案するケースもあれば、設計図の持ち込みを禁止しているハウスメーカーもあります。
禁止しているハウスメーカーは、お客さんを不利にするためにおこなっているわけではありません。
費用を抑えるために、特定の施工を得意としている業者に依頼をするため持ち込まれた設計図の工事が実現できないこともあります。さらに、図面によっては安全性に欠いたものもあるので、プロの目線で問題が無いのかを1から見直す必要もあります。
設計図をどうしても持ち込みたいと検討しているのであれば、依頼段階で設計図の持ち込みが可能なのか確認しておくことをおすすめします。
予算を少しでも抑える方法は
設計費用の特徴や相場感を理解した人の中には、設計費用を少しでも抑え、品質の高い住宅を模索している方もいるのではないでしょうか。
依頼した費用を少しでも抑えるために、設計費用単体で予算を抑えることを考えるのではなく、注文住宅の依頼時に設計料が必要であると捉えてください。
例えば5000万円と予算を設定している場合、5000万円の中から必要な経費も捻出すると検討していれば不安になってしまうこともありません。
依頼する際には、すべての予算を5000万円以内に納めたいなど、明確な条件を提示しコミュニケーションを取りながらトラブル回避を目指しましょう。
気を付けること
設計図を依頼する際に、知っておかないとトラブルになることもあります。設計図段階からトラブルを回避するために以下の項目には注意をしましょう。
工務店・ハウスメーカーが外注することもある
工務店やハウスメーカーの中には、建築デザイナーに設計を依頼することもあります。外注の場合ハウスメーカーでも料金が高くなってしまうことがあります。一方で、外注することができるハウスメーカーの場合、自由度の高い住宅を建築することが可能になります。
ハウスメーカーだから全てNGと捉えるのではなく、何が出来るのかを事前に確認することをおすすめします。
工事費に設計料が含まれているのかを確認する
ハウスメーカーや工務店では、設計料の記載がなく「工事費」として記載する業者と、工事費と設計料を分けて記載をする業者があります。
工事費に設計料が含まれるかどうかを知りたい場合は、依頼前の確認がおすすめです。
デザイン性だけでなく住みやすさを意識する
デザイン性を重視すると、実際に住み始めたときに生活動線が十分確保されていないために不自由さを感じてしまうこともあります。
図面では生活動線など実際に住んでみないと分からない落とし穴も存在します。
デザイン性の高い住宅を目指すことも重要ですが、何年も住むことになるため住みやすさを重視した住宅を建築するように心がけてください。
まとめ
・設計図は注文住宅設計時に必要なもの
・業者によって対応がさまざま
・成功するためにはコミュニケーションが大切
注文住宅を設計する際に必要な設計費は、住宅の図面を制作するために必要不可欠なものです。
設計段階で失敗しないために、業者と綿密な打ち合わせをおこないスムーズな家づくりを目指しましょう。