知らなかった…床暖房ってこんなに種類あったの?選ぶ際のポイントは?

部屋全体がぽかぽかと暖かくなる床暖房を、注文住宅やセミオーダー住宅を依頼する方の中には検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

床暖房は一度設置すると簡単に設備変更が難しいため、慎重に検討する必要があります。本記事では床暖房の種類とランニングコストを比較し、床暖房を選ぶ際にはどのようなことに注意が必要かについて解説します。

床暖房の種類


床暖房には大きく分けて「電熱式」と「温水式」があります。それぞれの特徴が大きく違うので、まずは床暖房の違いについて理解しましょう。

電気式の特徴


電気式床暖房は、床下に電熱線のヒーターを張り巡らせ電気を通すことで床を温める床暖房です。


電気式床暖房のメリット


電気式は、電熱線を張り巡らせるパネルを設置してその上にフローリングを敷く工事のため、比較的短時間での工事が完了します。

大きさを柔軟に変えることが出来るため、トイレや廊下など床暖房が不要な箇所を省き工事を進めることも出来ます。

リフォームをおこなう際にも床暖房を設置出来るため、新築だけでなくリフォームを検討している方にもおすすめです。

設置した床暖房は、センサーによって温度を管理します。部分的に温度を調整することも可能なため、快適に過ごすことが可能です。

デメリット


電気式の床暖房の施工費用は安く抑えられる一方で、ランニングコストが高くなります。立ち上がりにパワーが必要です。使用する電気量が増え月に1万円以上のコストがプラスで必要になります。

ヒーターが温まるまでの時間がかかり、場合によっては快適と感じるまでに2〜3時間かかってしまうこともあります。

温水式床暖房の特徴


温水式床暖房は、ガス給湯器でお湯を沸かしフローリングを温める方法です。


温水式床暖房のメリット


温水式は、電気式に比べ温まりが早い特徴があります。さらにスイッチを切った後もお湯の熱で部屋が温かいためスイッチを切った後でも30分程度は温かい状態を保つことが可能です。

床の温度は38〜40度のため電気式と比べ低音やけどをする可能性も低く、安心して床暖房を利用することが出来ます。

電気式に比べランニングコストが安く、電源をオフにしても熱を保つため将来的に費用をおさえたい方におすすめです。

デメリット


温水式床暖房は、床下に温水パイプを張り巡らせるだけでなく、熱源機を別に設置する必要があります。設置時の初期費用が電気式に高く、工事も複雑になるため一定の工期が必要です。

温水式は給湯器や不凍液の定期的なメンテナンスをおこなう必要があり、メンテナンスを怠ると床暖房の故障につながります。

給湯器や不凍液の耐久年数は10年のため、10年ごとに定期的なメンテナンスが必要なことを視野に入れて検討してください。

失敗しない床暖房の選び方


電気式と温水式の床暖房はどちらもメリット・デメリットがあるため、どちらが優れているとは言い切れません。

失敗しないためにも次に紹介する3つのポイントに意識をして適切な設備を選ぶ必要があります。

・床暖房を使用する場所

・エアコンと比較をして本当に問題がないか

・床暖房に相性の良い床材の検討

規模に合わせて床暖房を選ぶ


床暖房の設置面積が広くなればなるほどランニングコストと設置コストが高くなります。

設置費用がクリアしても、ランニングコストが高くなってしまっては将来的に設置しない方がよかったと後悔してしまうこともあります。

設置をする際には、「設置面積」と「ランニングコスト」を考慮して最適な床暖房を選ぶようにしましょう。

トイレや廊下以外の床暖房を設置するのであれば、ランニングコストが比較的抑えられる温水式の床暖房を選びましょう。

一方床暖房の設置箇所がリビングのみなど限定しているのであれば、電気式の床暖房にして設置コストを抑えましょう。

設置する住宅によっては先程紹介した事例に適さないこともあります。自分で判断が難しいと感じた場合は、プロの意見を参考に設置を検討してください。

エアコンやストーブとコストを比較する


床暖房の設置が最適な選択肢とは限らないこともあります。場合によっては無理して設置するのではなく、別の方法を検討し、余った予算を別のところに転用する方法もおすすめです。

日当たりの状況、エアコン、ストーブなどとコストを比較しながら床暖房を設置する方が良いか、別の選択肢を検討すべきかを考えましょう。

床暖房と相性の良い床材を選択する


床暖房が適していない床材もあります。見た目を重視して床暖房を設置するとフローリングが劣化するだけでなく、床暖房を設置したのにお部屋が暖かくならないこともあります。

特に注意すべき床材が無垢のフローリングです。従来の無垢では、相性が悪く長期的に使用をしているとひび割れが発生し、効率的に温めることが出来ません。

しかし、最近では床暖房に対応したフローリングも登場し、特殊加工を施した床材であればひび割れを防ぎ快適な状態で利用することが可能です。

床暖房と最適な床材を選び効率よく室内を温められる配置は何かを考えましょう。

まとめ


・床暖房は設置にコストがかかる

・電気式と温水式それぞれメリット・デメリットが存在

・規模に合わせて最適な床暖房を選択する

床暖房は注文住宅の立地によっては不要な箇所もあるため、設置時には注文住宅の設置場所を考慮して検討してください。

床暖房の設置をする際には、本記事で紹介したポイントに注意をしながら最適な広さと最適な素材で失敗しない床暖房の設置をご検討ください。