注文住宅で子供部屋を設計するときに重視したい6つのポイント!そもそも子供部屋は必要?不要?
注文住宅を新築するときに出てくる「子供部屋をどう設計すべきか」という悩みは、簡単にベストな回答を見つけることが難しい問題です。
そこで今回は、どのような点を意識することで理想的な子供部屋を作れるのか、重要なポイントをまとめました。
子供部屋を設計するとき重視したい6つのポイント
大前提として、注文住宅でどのような子供部屋を作るかは自由であり、それぞれの家庭の事情を考慮して設計すべきです。あくまで、以下に挙げたポイントは「子供部屋をこのように設計すればありがちなトラブルが減る」という点です。
- 広すぎる子供部屋を作らない
- 子供が増えることを想定する
- 子供部屋と寝室の位置を離す
- 取り付ける収納機能はシンプルなものを
- 複数の子供部屋を作るなら条件を揃える
- 子供部屋の窓の鍵は「高め」に設計する
それぞれ順番に解説していきます。子供部屋を設計する際のヒントとしてみてください。
広すぎる子供部屋を作らない
子供部屋の平均的な広さは1部屋あたり6畳前後で、家庭によって4~8畳のあいだで調整される場合が一般的です。子供部屋を広く取りすぎるべきでない理由は複数ありますが、まず「いつか子供が使わなくなる部屋だから」という理由が挙がります。
たとえば、小学生高学年から高校生まで子供部屋を活用する場合、子供部屋として使うのは8年前後となります。
それ以上の年齢になると、一人暮らしや寮生活を始めることも珍しくありません。建築後、何十年も住むであろう家の面積を、8年程度しか使わない部屋に多く割くのはもったいないという考えから広すぎる子供部屋を作らないことも多々あります。
また広すぎる子供部屋を作ることで、子供にとって一番のびのびと過ごせる部屋が自室となってしまい、一家団欒の場に顔を出す機会が減ってしまう可能性もあります。
「広いからなんでもできてしまう部屋」を作らないために、あえて子供部屋を小さめに作る選択肢もありでしょう。副次効果として、広すぎない部屋はこまめな整理整頓が必須となるため、片付け上手に育ちやすいというメリットもあります。
子供が増えることを想定する
たとえば、注文住宅の設計を考えている段階では「子供は2人を想定している」といっていたご家庭で、あとから子供が3人、4人と増えていくケースも珍しくありません。
とはいえ授かるかどうか分からない人数を含めて、子供部屋を3部屋も4部屋も作っておくわけにはいかず、「3人以上になったとき2人分の子供部屋をどう割り当てれば良いか」と戸惑ってしまうことも。
上記問題への対策は複数ありますが、子供部屋を用途別に作ってしまう方法を検討してみてください。たとえば、遊んだり寝たりする部屋と勉強部屋を分ける…といった具合です。
子供の人数が確定しているなら個室でも良いのですが、子供の人数が増える可能性を考慮するなら、部屋を用途別に区切って共用部屋とした方が設計ミスは少ないからです。
3人以上の子供それぞれに個室を用意すると、子供が独り立ちしたあとに小さい部屋が複数余ることになりますが、共用部屋として広めに面積を取っておくと将来的にいろんな用途で使えます。
子供部屋と寝室の位置を離す
ご家庭のライフスタイルや教育方針と要相談ではありますが、子供部屋と寝室は位置を離しておくことを推奨します。というのも、たとえば子供部屋と寝室を壁1枚で仕切る程度では、それぞれの部屋から声や音が漏れてくる場合があるからです。
具体的には、子供の学友や恋人が自宅に宿泊した場合、子供たちが夜通し騒いでいる声が寝室に響いて眠れない可能性もあります。親と子供がそれぞれのプライバシーを確保するためにも、子供部屋と寝室の距離は話しておいた方が良いでしょう。
取り付ける収納機能はシンプルなものを
子供部屋に収納機能を設ける際には、できる限りシンプルな動作で収納できることを意識しましょう。整理整頓の基本である「出したら戻す」を子供が実践し、継続できるようハードルを下げる目的があります。
子供部屋といえば玩具が散らかるイメージを思い浮かべますが、実際には年齢に応じて漫画や教科書、衣服も増えてきますから、玩具だけでなくそれらのアイテムの収納場所も考えておきましょう。
複数の子供部屋を作るなら条件を揃える
子供部屋が2つ以上あり、かつそれぞれ子供が自分の個室として使うことを想定するなら、各子供部屋の条件はできる限り平等に揃えることをおすすめします。片方の部屋だけが広かったり、片方の部屋だけが設備面で充実していたりすれば喧嘩の原因となるからです。
「面積も設備面も完全に一緒」という条件を実現するのは難しいかもしれませんが、トータルで評価したときにそれぞれの部屋がおおむね平等になるよう心掛けることで、子供部屋を子供へ与えたときに無用な争いが起こりません。
子供部屋の窓の鍵は「高め」に設計する
小学生低学年やそれ未満の年齢から子供部屋を与える場合、とくに窓周りの安全面には十分配慮した設計とすべきです。
たとえば、小さな子供が知恵を絞り、台に乗って窓から外へ出ようとすることは十分にあり得ます。簡単に窓を開錠できないよう、子供部屋の窓はできる限り高い位置に鍵を設置するなどの工夫をしても良いでしょう。
ちなみに、窓が大きすぎると外から子供部屋の様子が見えてしまったり、日光がよく差し込むため教科書や図鑑などが日焼けしやすかったり、いくつかのデメリットがあります。
以上の理由から、とくに子供部屋の窓は高い位置に鍵を付け、大きすぎない窓を選ぶことをおすすめします。
あえて「子供部屋を作らない」という選択も
子供部屋を作るつもりではいるものの、将来的に子供が一人暮らしや寮生活を始める可能性を考えて、二の足を踏んでいる方も多いのではないでしょうか?
また、子供部屋を作らないことで子育てが上手くいったと声を挙げる家庭もありますから、そのような意見を聞いて子供部屋が必要かどうか悩んでいる方も一定数いるはずです。
そこでこの章では、子供部屋を作って子供に与えるメリットとデメリットを解説し、いま一度「子供部屋を作るべきか、作らないべきか」という問題を取り上げていきます。
子供部屋を与えるメリット
子供部屋を子供に与えた場合に得られるメリットは「子供にとってのメリット」と「親にとってのメリット」に分けられます。
子供にとってのメリット | 親にとってのメリット |
l 友達を家に招きやすい
l プライバシーを確保できる |
l リビングが散らからない
l 子供と距離を取りやすくなる |
子供にとっては「自分が好きに使える部屋」ができるため、基本的には嬉しく感じる場合が多いようです。また自分の部屋に友人を招くことができるため、友人の家へ遊びに行くばかりではなく、学友を自宅へ招き入れる機会が増えるでしょう。
思春期へ近付くにつれてプライバシーの意識が芽生えてきた場合には、1人の時間を確保するために自室で過ごす機会も増えると予想できます。
一方、子供が子供部屋に過ごすようになることで、多くの親が頭を抱える「リビングがすぐに散らかる」という問題が軽減されます。制服を脱ぎ散らかしたりノートや教科書がリビングに放置されたり、子供がリビングを自室代わりに使うことで起きる問題は減るでしょう。
また親子喧嘩をしたときには、それぞれが別の部屋に移動して冷静になることで、心の距離を取っていさかいがヒートアップすることを防げます。
子供部屋を与えるデメリット・リスク
子供自身が感じるデメリットは少ないのですが、長期的に見て子供に悪影響となる以下のようなデメリットが心配されます。
- 監視の目がなくなり指導が不十分となる
- 部屋に閉じこもり漫画やゲームに熱中する
- 親子のコミュニケーション量が不足する
すべての子供に当てはまるわけではありませんが、子供部屋を与えて親の監視の目がなくなったために、勉強や片付けなどやるべきことを怠ってしまう場合があります。また漫画やゲームに熱中して、子供部屋に閉じこもってしまう可能性は想像に難くありません。
そして、親子のコミュニケーション量が不足し、お互いに自分の意思を伝え合えず心の溝を作るリスクも見逃せないポイントです。これらのデメリットは子供部屋の有無にかかわらず起こり得るものですが、子供部屋の存在がその問題を助長する可能性があるのです。
子供部屋を与える場合は、上記の点でトラブルが起きにくいよう対策を考えておくことを推奨します。
まとめ
注文住宅であれば子供部屋を比較的自由に設計できるため、どのような部屋にすべきか迷いやすい部分です。とくに「いま」の満足度だけにこだわって設計してしまうと、子供が成長したときや独り立ちしたときに不満が出てくるため、慎重に考えたい部分だといえます。
本記事で紹介した6つのポイントを参考に、子供にとっても親にとっても満足度が高い子供部屋の在り方を考えてみてください。