時代はサステナブル!?環境への配慮とエネルギー効率向上のためのオプションについての情報

憧れのマイホームを手に入れる」という夢が実現する瞬間は、多くの人にとって特別な瞬間です。しかし、入居後に不具合やトラブルが発生することは避けられない場合もあります。このような状況に備えてトラブル防止のポイントと、トラブル発生時の対処法についていくつかご説明します。

時代はサステナブルな方向に進んでいる

サステナブルの本来的な意味は「持続可能」「維持できる」というような単語ですが、現在は「地球環境の持続可能性」という意味合いでも使われます。

世界的に環境に配慮した行動が求められるようになってきており、持続可能な開発目標 SDGsからこの風潮が生まれました。

持続可能な開発目標 SDGsは2001年に策定されたミレニアム開発目標の後継である、2015年9月の国連サミットにて採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の項目です。この項目の中に「住み続けられるまちづくりを」「エネルギーをみんなにそしてグリーンに」というものがあり、建築業界もSDGsに影響を受けています。

環境に配慮した戸建てとは

環境に配慮した戸建てとは、次のような建物です。

  • 省エネルギー住宅
  • 寿命が長い住宅
  • 自然エネルギーを利用した住宅 など

住宅の性能を向上させることで、エネルギーの発生イコール二酸化炭素の発生を抑えることが可能です。二酸化炭素を発生させなければ地球温暖化の防止に貢献でき、さまざまな災害を防げます。

また、建物の寿命が長くなれば中古戸建市場が活性化し、新築戸建ての着工数が減ります。新たなものを生み出すには多くのエネルギーと資材が必要となり、古いものを活かしていければエネルギーの抑制につながるわけです。

このように戸建てが環境に与える影響は大きいため、戸建てを建築する施主も会社も大きな責任を負っているといえます。

環境に配慮した設備とそのオプション費用

環境に配慮した設備は多く、さまざまな設備をオプション工事で設置できます。一部の設備は標準装備でついているものもありますが、環境に配慮した設備をオプションとして挙げていきます。

太陽光発電システム

太陽光発電システムを設置すると、電気を自家発電でき電気代を抑えられるほか、二酸化炭素の抑制にもつながります。

太陽光発電システムの設置費用は設置する工務店などにより異なりますが、経済産業省の資産によると、1kwあたり26.3万円の費用がかかっています。太陽光発電システムのソーラーパネルは、一般的に3kw~5kwが多く採用されているため78.3万円~130.5万円が相場です。

ただし、設置費用目安は補助を利用していない金額であるため、補助を利用したときには費用が下がります。

また、ソーラーパネルの設置位置や重さによっては屋根を補強しなければならず、別途費用が発生するケースもあるため注意しなければいけません。

複層ガラス

複層ガラスとは、いわゆる二重サッシであり、ガラスとガラスの隙間が真空になっていることで熱を遮断し断熱性の向上が可能です。

熱のほとんどは窓から侵入しているため、窓の断熱性能を上げるとエアコンの効きが大分よくなります。

通常の二重サッシを入れた場合の費用は、掃き出し窓か腰高窓かにより異なったり、高断熱性サッシを利用したりするのかどうかでも変わります。

二重サッシのオプション工事費用目安は、次の表のとおりです。

掃き出しの引き違い窓に使う二重サッシ 腰高の引き違い窓に使う二重サッシ
複層ガラス 約72,000円 約27,000円
遮熱高断熱複層ガラス

高断熱複層ガラス

約88,000円 約29,000円

など、窓の大きさ引き違い窓の枚数などにもよって費用が異なります。

LED照明

LED照明は、通常の蛍光灯に比べ消費電力を抑えることができ、電気代の削減と二酸化炭素

の削減につながります。

電気は使っていなくてもつけっぱなしにしてしまうことがあり、照明設備を交換することで年間の消費電力を大きく抑えられます。

LED照明の設置工事は、1ヵ所につき約3,000円~5,000円です。この金額には工事費用だけでなくLED照明自体の値段も含まれています。ただし、設置する場所やLED照明の規格によって値段は変わるため、注意しなければいけません。

電気自動車充電設備

電気自動車を利用している場合、自宅に電気自動車充電設備を設置すればより環境に配慮した状態になります。

電気自動車はガソリンを使用せず電気で走行可能なため、二酸化炭素の排出量を大きく抑えることが可能です。

電気自動車充電設備は充電速度や車から家へ放電できるタイプなどさまざまなものがあり、それぞれ値段が異なります。

通常の充電速度のコンセント型電気自動車充電設備であれば、約7万円で導入が可能です。しかし、車から家へ放電できるタイプのものだと100万円を超えるケースもあるため、どのタイプが自分にあっているのか確認しておかなければいけません。

サステナブルな戸建てには優遇制度がある

サステナブルな戸建てには、減税や補助交付など優遇制度が用意されています。

サステナブルな戸建てで受けられる優遇制度は、次のとおりです。

  • 住宅ローン控除
  • ZEH支援事業
  • 固定資産税の減税措置

優遇制度にはそれぞれの制度の利用条件がありますが、建築するときや建築後にお金の節約になるため、どのような制度があるのか理解しておくことが大切です。

住宅ローン控除

住宅ローン控除とは、住宅ローンの融資を受けて自宅を建築・購入した場合、所得税・住民税から一定金額を控除できる制度です。

住宅ローン控除で適用される控除は、次の表のとおりです。

住宅新旧等 住宅環境性能等 借入限度額 控除期間 控除割合
令和4・5年入居 令和6・7年入居
新築住宅
買取再販
認定長期優良住宅
認定低炭素住宅
5,000万円 4,500万円 13年間 0.7%
ZEH水準省エネ住宅 4,500万円 3,500万円
省エネ基準適合住宅 4,000万円 3,000万円
その他住宅 3,000万円 2,000万円 10年間
既存住宅 認定長期優良住宅
認定低炭素住宅
ZEH水準省エネ住宅
省エネ基準適合住宅
3,000万円
その他住宅 2,000万円

表を見てわかるとおり、建築・購入する住宅の性能が高いほど控除が受けられる金額も高くなります。

たとえば、住宅ローン4,000万円を借り入れて認定長期優良住宅と建築し令和7年中に入居した場合、年間の控除額は次の計算で算出します。

4,000万円 × 0.7% = 28万円(所得税から控除される年額)

このように住宅ローン控除を利用すると、所得税を減らせます。

なお、住宅ローン控除の適用要件は、国税庁のホームページ「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」を参照ください。

ZEH支援事業

ZEHとはゼロ・エネルギー・ハウスの略称であり、名前のとおりエネルギー収支ゼロの家です。

エネルギー収支ゼロとは、生活で排出エネルギーと、太陽光発電システムなどのエネルギー創出分と、断熱性向上により抑えたエネルギーを引いてゼロになることをいいます。

ZEHでは支援事業がおこなわれており、1戸あたり55万円の補助が受けられます。

ただし、ZEH支援事業の適用を受けるには一定条件を満たし、予算があるうちに申請しなければいけません。

申請条件などについては、一般社団法人環境共創イニシアチブのホームページ「公募要領<個人申請用>」を参照ください。

固定資産税の減税措置

新築戸建てを建築した場合、3年間、建物の固定資産税が半分になる措置が設けられています。

そして、認定長期優良住宅の新築戸建てを建築した場合に限っては、3年間が5年間に延長されます。

なお、この制度は2024年3月31日までに建築が完了した建物で、なおかつ居住部分の床面積120㎡までの部分までしか減税されないことには注意しなければいけません。

まとめ

戸建ては環境に大きく影響を与える存在であり、現在は戸建てについての意識が変化していっています。

昔は住めるだけでよい、と考えているような時代もありましたが、現在は環境に配慮した戸建てを建築することが当たり前になってきています。しかし、環境に配慮するには戸建ての設備を整えなければいけません。

どのような設備を取り入れればよいのか、設備を導入する費用はいくらなのか理解しておくことが大切です。また、導入する費用が高いと感じるのであれば、費用を抑える方法も知っておかなければいけません。

環境に配慮した生活を送るためにも、設備内容と費用について理解を深めておきましょう。