テレワーク時代の新築戸建てに取り入れたい!在宅勤務に最適な間取り・アイデアとは?

新型コロナウイルスの流行とともにテレワークが広まり、企業によっては在宅勤務が定着しつつあります。

テレワークの実態調査によれば「今後もテレワークを続けたい」という声が多数派ではありますが、同時に「自宅ではオフィスよりも効率良く仕事ができない」と感じる人も少なくないようです。

この悩みの大半は間取りや空間づくりに原因があるため、いまお住まいの家に住み続ける場合はリフォーム工事などで対応するほかありませんが、今後自宅を新築予定のケースであればほぼすべての問題に対策できます。

今回は在宅勤務に適した家づくりのアイデアをご紹介しますので、ぜひテレワークにピッタリな環境を用意するためのヒントとしてご活用ください。

既婚かつ6歳以下の子どもと同居する家庭では「子どもを見つつ仕事可能な環境がない」という回答が最多だったものの、多くのテレワーカーが問題視している悩みは他にも多数あります。そのうち、特に間取りと一定の関係がありそうな悩みが以下です。

  • オンオフの切り替えがしづらい
  • 仕事専用の部屋やスペースがない
  • 仕事に使う資料等の置き場がない
  • 1人で集中できるスペースがない
  • 仕事環境の遮音性が低い
  • TV会議に適した環境がない
  • 仕事関係の来客と打ち合わせができる環境がない

すでにテレワークを経験された方は、いくつかの不満に思い当たる節があるのではないでしょうか?

今後のテレワークが一般化することを見越し、在宅勤務に適した家づくりを目指すのであれば、間取りを設計する段階でできる限り上記を解消しておくのが理想的です。

テレワークを意識した間取りのポイント

テレワークに関する実態調査で挙がった「オンオフの切り替えがしづらい」や「1人で集中できるスペースがない」といった問題の多くは、家族団らんで過ごす賑やかな部屋から離れた場所に仕事部屋を作ることで解決する可能性が高いでしょう。

ただし、子どもが6歳未満の未就学児である場合はこまめに様子を確認できる状況が好ましいため、後述するアイデアを部分的に採用する形で対応することをおすすめします。

たとえば、業務効率化の観点では視界に余計な情報を入れないことが重要ですが、子どもの様子を見るならリビングの方が好都合であると想定されます。

そういった場合には、簡易の仕事用デスクを用意してパーテーションで軽く目隠しをすれば、子どもの距離を遠ざけることなく集中しやすい仕事環境を作れるはずです。

子どもがある程度成長しており、こまめに様子を見る必要がない場合には、できる限り1人で集中できる環境を作るために以下を意識した間取り・アイデアの採用をおすすめします。

  • 視界から余計な情報を遮断する
  • 集中力低下を招く音を遮断する

とくに仕事環境を作るうえで重要な上記のポイントについて、順番に解説していきます。

視界から余計な情報を遮断する

子どもが散らかした空間やテレビがついている部屋で仕事をすると、視界に余計な情報が入るため「あとで片付けなければ…」「この番組だけ見てから仕事しよう」などと雑念が浮かびやすく、集中力が低下しがちです。

ですから、視界に仕事以外の情報が入りにくくするため、家族が賑やかに過ごしている場所から離れた位置に仕事場所を作ることをおすすめします。

この際、仕事部屋を作ったものの「仕事の合間の息抜きに必要だから」などの理由でテレビや漫画などの娯楽要素を持ち込んでしまうと気が散る原因となります。あくまで仕事へのみ向き合う空間にして、テレワークに関係のないものは置かないよう注意しましょう。

なお、仕事環境に最適な部屋の広さは人によって変わることはもちろん、使用するデスクや書類用の収納棚の大きさによっても変わります。あらかじめ、部屋に持ち込む仕事道具がどの程度の量・大きさなのか洗い出してから、必要な部屋の広さを逆算する意識が重要です。

集中力低下を招く音を遮断する

雑音が気になる性格であれば、防音対策も集中力アップにつながります。たとえば扉や窓は音の入り口になりやすいため、これら2つを防音仕様にするだけでも効果が期待できます。

ただし、あまり仕事部屋に予算を割けない場合には、新築後に扉や窓部分に防音カーテンを設置することで簡易的な対応が可能です。また「音が入ってきにくい場所」に仕事部屋を配置することで、ほかの対策を講じずとも騒音が気にならないケースもあります。

なお、主に家族が過ごす場所から離れた場所に仕事部屋を設ける場合、インターネットの無線LANが届かない場合があります。仕事部屋で快適にインターネットを使えるよう、無線LANの範囲を広げる中継器の設置もあわせてご検討ください。

低予算で手軽に取り入れられるアイデア

ここまでに紹介した間取りのアイデアは、仕事部屋以外との折り合いがつかなかったり、予算の都合で実現が難しかったりする場合があります。その際に検討したいテレワークに役立つアイデアをご紹介します。

気分を切り替えるスイッチを作る

テレワークに最適だと判断した間取りの実現が難しい場合でも、以下のアイデアを取り入れて「集中力が落ちてきた」と感じたタイミングで気分を切り替えることで、ペースを極力落とさずに仕事を続けられます。

  • スタンディングデスクを取り入れる
  • 持ち運べる簡易デスクを用意しておく

最初に挙げた「スタンディングデスク」は、その名の通り立って使える机のことです。

座ったまま長時間作業をすると肩回りや腰に疲労が溜まりますが、スタンディングデスクに移動して姿勢を変えることで別の筋肉で身体を支えられるため、疲れた部分を休ませながら仕事を継続できます。

また、集中力が散漫になったタイミングで仕事場所を変えることも、気分を切り替える方法としておすすめです。ただし移動先のデスクが仕事に適した広さ・高さでなければかえって疲れやすくなるため、持ち運び可能な仕事用の簡易デスクを用意しておくとよいでしょう。

テレワークに関する実態調査では「オンオフの切り替えがしづらい」や「TV会議に適した環境がない」といった悩みも見られましたが、上記のアイデアを実践すれば解決できるケースは多いはずです。

レンタルスペースやカフェを活用する

情報漏洩には十分に注意が必要ですが、とくに重要な情報を扱わない業務を行うときにはレンタルスペースやカフェも仕事場所の候補となります。適度な緊張感があるため、自宅より集中しやすいという声も決して少なくありません。

また、テレワークに関する実態調査では「仕事関係の来客と打ち合わせができる環境がない」といった不満も挙がっていましたが、自宅で行う必要性のある打ち合わせはそう多くないはずです。

エリアによって費用感は異なりますが、10人程度が入れるような広さがありながらも1時間あたり数百~千円台で借りられるレンタルスペースは珍しくありません。

打ち合わせに適した部屋が自宅に用意できない場合は、自宅外で手配できる場所に当てをつけておくことで対応しやすいでしょう。

まとめ

今後、テレワークが一般化する可能性は十分に考えられるため、とくに戸建てを新築する場合にはいったん「仕事を家に持ち込むことはない」という先入観を捨てて、自宅内に小さな自分用のオフィスを作る意識を持つことをおすすめします。

ただし、勤務先がテレワークを継続しなかったケースを想定し、別の用途に転用できるような設計も意識しておくことが理想です。従来の家づくりに比べて考えるべき事柄が増えてしまいますが、本記事を参考にテレワーク時代に最適な家づくりを目指してみてください。