命を守るために実践したい災害対策まとめ!非常持ち出し袋に入れるべき備品
近年、家屋の倒壊や浸水を招くような豪雨や台風が増えてきました。以前にも増して、自宅における災害対策や避難の準備が重要になりつつあるといえるでしょう。
今回は「これだけは準備しておきたい」という災害対策について解説します。ぜひ、被災に備えるアイテムの準備や段取りに本記事をお役立てください。
災害に備えて実践しておきたいこと
「災害に備えて実践しておきたいこと」として、本記事では以下の3つの実践を推奨します。
- 安否確認の方法を決めておく
- 避難経路を実際に確認しておく
- 自宅を使って防災訓練を行う
それぞれ具体的なアクションプランをご用意しました。ぜひ、休日を使ってご家族で実践してみてください。
安否確認の方法を決めておく
災害が起こるとき、必ずしも家族全員が一緒の場所にいるわけではありません。また家族がバラバラの状態で大規模な災害が発生した場合、むやみに移動することで各々の命が危険にさらされるため、家族と長期的に会えない可能性があります。
そのため、もしも家族が離れているタイミングで被災したとき、どのように安否確認を取るのか決めておくことが大切です。災害の種類・規模によっては通信が混雑し、通話が難しい状況となるため、基本的には以下のような手段が安否確認の方法として候補に挙がります。
- 災害用伝言サービス
- SNS(LINE・Twitter・Instagramなど)
災害用伝言サービスはNTTやau、ソフトバンクなどの通信事業者が提供しており、これらを事前に体験できるように「体験利用日」が設けられています。
SNSを使った安否確認の方が手軽で直感的ではありますが、安否確認をしたい家族や親族にSNSを使えない人がいる場合、事前に災害用伝言サービスの使い方を練習すると良いでしょう。
なお、SNSは安否確認の手段として有効ではありますが、被災の当事者ではない友人や知人から大量の連絡が届き、肝心の「家族の安否確認」が滞る可能性もあります。また迷いなく家族からの連絡を探せるように、災害時に連絡を取るSNSは事前に決めておくことを推奨します。
避難経路を実際に確認しておく
避難場所と避難経路の位置を把握しておくことはもちろん、できれば年に1回は実際に避難経路を歩いて確認することをおすすめします。何もトラブルがない状態で避難経路に迷うようなら、実際に被災したとき最短ルートで避難経路を進むことは不可能に近いからです。
また可能であれば、時間や天候の違うタイミングで複数回にわたり避難経路を歩いてみましょう。というのも、晴れた日中であれば目印として機能する建物や標識が、雨天時や夜間には見えなくなるケースがあるからです。
自宅を使って防災訓練を行う
災害の種類・規模によっては、被災直後に移動するのではなく自宅待機が主になるケースもあります。不慣れな避難所での生活よりも楽なイメージはありますが、断水すれば水道は使えませんし、停電すればバッテリーや電池駆動ではない電化製品は全滅です。
普段よりも不便な生活を強いられることは確実なので、実際に断水や停電が起こったとき必要となる備えを確認するためにも、自宅を使って防災訓練を行ってみることをおすすめします。
「丸1日、水洗トイレを使わない」などの本格的すぎる訓練ではなくとも、以下のような簡単な防災訓練を行うだけでいくつも発見があります。
- お皿にサランラップを敷いて食事を載せる
- 夕方早くに消灯してランタンだけで夜を迎える
- 電気やガスを使わず非常食を食べて過ごしてみる
最初から実践が難しいものを試す必要はありません。まずはハードルの低い訓練から始めて、徐々に本格的な防災訓練にも挑戦してみてください。
非常持ち出し袋に備えるべきアイテム
在宅避難の場合、普段から飲食料品や生活用品を多めに備蓄しておけば、数日間の避難生活は問題なく過ごせる傾向にあります。
一方、被災直後に自宅を出て最寄りの避難所へ向かう場合には、あまり多くの荷物を運ぶ余裕がありません。そのため、あらかじめ非常持ち出し袋(防災リュック)を用意し、それを避難所へ持ち込むことになります。
この際、被災直後の道中は普段にはない危険が潜んでいますし、避難所では在宅避難ほど快適な生活を送れない場合がほとんどです。以上の背景を踏まえて、非常持ち出し袋に備えることを検討すべきアイテムは6種類に大別できます。
- 情報収集手段を確保する道具
- 危険から身を守る道具
- 持ち出し用の飲食料品
- 避難生活のための道具
- 応急手当ての道具
- 現金・貴重品
それぞれ、具体的にどのようなアイテムの用意を検討すべきか紹介します。
情報収集手段を確保する道具
大規模な災害の場合、情報収集を怠ったまま行動を起こすことで命を落とす可能性があります。特に自宅から避難所へ向かうまでの道中は、被災直後のパニック状態を引きずっている場合があるため、常に情報収集をしながら冷静に行動することが求められます。
以上を考慮して、情報収集の手段を確保するために下記の道具を備えておくと良いでしょう。
- ラジオ
- スマホ用充電器
- 充電用ケーブル
- 乾電池
- ペン・ノート
手元にスマホがあれば素早い情報収集ができるものの、昨今では災害時にSNS上でデマが出回ることもあります。そのため古臭いと思われがちなラジオの方が、正確な災害情報をいち早く収集できる場合があるのです。
もちろん「スマホでラジオを聞く」という選択肢もありますが、インターネット回線の安定性やバッテリー残量の心配もあるため、できればスマホとラジオの両方を用意して併用するのが理想でしょう。
それらの機器を長時間使うために、充電器や乾電池も忘れず用意したいところです。
危険から身を守る道具
避難行動を始めるタイミングが、必ず「晴れ」や「昼間」といった移動しやすい条件下であるとは限りません。身体を冷やす雨や雪が降っていたり、停電した夜の道を歩いたり最悪の状況でも対応できるような準備が求められます。
自身や家族を危険から守るために、以下の道具は優先的に準備しておきたいところです。
- 上下用のレインウェア
- ヘルメット・防災頭巾
- ヘッドライト
- 懐中電灯・LEDランタン
- 軍手・グローブ
- ホイッスル・防犯ブザー
可能であれば、これらに加えて踏み抜き防止インソールの入った靴や目を守るゴーグル、手ごろな護身用具の準備をおすすめします。
護身用具の準備と聞いて意外に感じるかもしれませんが、大規模な災害時には治安が低下する傾向にあります。パニック状態となった他人が、冷静さを欠いて犯罪に走る可能性も考えられるため、犯罪に遭遇するケースを考慮して防犯グッズを備えておくと安心です。
持ち出し用の飲食料品
飲食料品は特に多く持ち出したいアイテムですが、もっともスペースを取りやすく、非常持ち出し袋を重くする要因になります。飲料水を中心としつつ、質量に対して栄養素の高い食品の準備を心がけることが推奨されます。
- 飲料水
- 食料品(アルファ米・レトルト食品・クッキーなど)
- 塩分補給タブレット
避難所の生活では野菜や肉、魚を十分に食べられない可能性があるため、ビタミンやミネラルの不足が懸念されます。栄養不足により健康状態を損ねるリスクを抑えるために、上記に加えてサプリメントを用意しておくとさらに良いでしょう。
避難生活のための道具
避難所での避難生活は、ほとんどの人にとって強いストレスがかかるものです。ストレスの理由は複数ありますが、特に普段通りの生活ができないことは大きな要因の1つです。
避難所にいながら普段の生活を取り戻すことは不可能ですが、準備を整えて「普段通りの生活に近付ける」ことはできます。そのために準備を検討したいアイテムは以下の通りです。
- 生理用品
- 肌着・上着
- タオル
- 携帯トイレ
- ウェットティッシュ
- 大小サイズのポリ袋
- 歯磨き用品(ペーパー歯磨きなど大量の水が不要なもの)
- 軽い寝具(アルミ保温寝袋やエマージェンシーシートなど)
- 使い捨てカイロ
- オムツやミルクなどの育児用品
子どもの人数、年齢や性別で必要なものは変わるため、上記を基本としつつ家庭別に最適なアイテムを揃えてみてください。
応急手当ての道具
災害の種類によっては転倒や飛来物の衝突が起こり、被災中や移動時に怪我を負うことがあります。その際にスムーズな応急処置ができるよう、以下のアイテムはぜひ揃えておいてください。
- 絆創膏・傷パッド
- ハサミ・カッター・マルチツール
- 各種薬(消毒薬・胃腸薬・頭痛薬など)
持病がある方は、処方された薬も忘れないようご注意ください。
現金・貴重品
被災時に避難する際、貴重品探しに時間を取られて怪我をしたり、命を落としてしまったりしては元も子もありません。「より素早く避難行動に移る準備」という観点では、以下の貴重品を非常持ち出し袋に入れておくことが望ましいでしょう。
- 現金
- 通帳・キャッシュカード
- パスポート・運転免許証・健康保険証・マイナンバーカード
普段よく使う貴重品を非常持ち出し袋に入れると不便ですから、あまり使わない銀行通帳や身分証明書を選んでリュックに入れておくと無駄がありません。
まとめ
近年、気候変動が原因と思われる異常気象が増えており、大規模な停電や浸水が起こるケースも珍しくなくなっています。また日本は地震大国でもあるため「いつ災害に見舞われてもおかしくない」といった意識を持つことが推奨されます。
ぜひ、本記事を参考に災害に対する備えを始めてみてください。