宅配ボックスを設置する戸建て急増!各タイプのメリット・デメリットを解説
「オンラインで物を買ったものの、配達の時間をちょうど留守にして受け取れなかった」という経験はありませんか?
近年では玄関に配達物を置く「置き配」という方法も登場しましたが、特に周囲から玄関が見えやすい戸建て住宅では盗難リスクが高いと感じられます。また直接荷物を受け取るとしても、感染症が気になり「できる限り他人との接触は避けたい」と感じる方も多いようです。
これらの悩みは、配達員が荷物を入れて施錠してくれる宅配ボックスがあれば解決できます。
今回は「宅配ボックスの存在は知っているけれど、いまいちどう選べば良いのか分からない」という方に向けて、戸建てに宅配ボックスを設置するとき押さえたいポイントをまとめました。
戸建てに設置できる5タイプの宅配ボックス
複数種ある宅配ボックスのなかから、特に戸建て住宅での用途に合致しやすい以下の5タイプを紹介します。
- 簡易型宅配ボックス
- 据え置き型宅配ボックス
- 壁埋め込み型宅配ボックス
- 壁掛け型宅配ボックス
- ポール式宅配ボックス
それぞれメリット・デメリットを記載しているので、ぜひ最適なタイプの判断にお役立てください。
簡易型宅配ボックス
簡易型宅配ボックスは、他タイプの製品よりも安価で手に入り、サイズもクーラーボックス程度の手軽な宅配ボックスです。
簡易型宅配ボックスに分類される製品は総じて軽く、持ち運びやすいサイズとなっていることから、使わないときは自宅にしまったり玄関以外の場所に移動させたりと、自由な使い方ができる点が魅力です。
ただし、手軽に導入できる一方で防犯性は低く、他タイプの製品に比べて盗難されるリスクが高い宅配ボックスだといえるでしょう。また布製の製品も多いため、雨ざらしにすると中身が濡れてしまう可能性がある点には注意してください。
据え置き型宅配ボックス
据え置き型宅配ボックスは、大きな箱のような見た目をしており、頑丈な素材が使われることが多い後付けタイプの宅配ボックスです。
簡易型宅配ボックスでは盗難や悪天候に対する不安がありますが、据え置き型宅配ボックスは地面に固定できるため盗難が難しく、雨を通さない金属などの素材で作られてることから「安心して使える宅配ボックスが欲しい」というニーズに答えられます。
簡易型宅配ボックスに比べて手軽さでは劣り、一度固定して設置すると移動が大変だというデメリットはありますが、宅配ボックスの後付けを検討する場合には有力候補となります。
壁埋め込み型宅配ボックス
壁埋め込み型宅配ボックスは、工事により玄関部などの壁に埋め込むタイプの宅配ボックスです。また形状によっては自宅内から配達物を取ることができます。
壁埋め込み型であれば、宅配ボックスそのものを盗難されるリスクは限りなくゼロになるため、もっともセキュリティ性能に優れています。その反面、設置には工事が必要となるため後付けはできず、また一度設置すれば位置を微調整できないというデメリットも。
壁に埋め込むことで見た目がすっきりするため、これから戸建て住宅の新築を予定しており、かつ自宅の外観と配達物の盗難防止を重視したい方にとっては有力候補です。
壁掛け型宅配ボックス
壁掛け型宅配ボックスは、戸建ての外壁に直接取り付けるタイプの宅配ボックスです。
床部分の面積を占有しないため、玄関正面の空間を無駄なく使いたいときに候補となるタイプだといえます。ただし壁にビスなどを打ち込んで固定するため、雨水が入り込んだり保証の対象外となったりするリスクを事前に確認しておきましょう。
特に「住宅を劣化させる恐れのある行為」を行った場合、ハウスメーカーなどの保証を受けられない可能性があるためご注意ください。
ポール式宅配ボックス
ポール式宅配ボックスは、ポールによりボックス本体を支えることで、高い位置に収納場所を配置できるタイプの宅配ボックスです。
壁掛け型と同様に床部分の面積を占有せず、設置のために壁に穴を開ける必要もないため、玄関正面の空間を広く使いたいときに候補となります。
宅配ボックスの施錠タイプの種類
宅配ボックスは製品ごとに施錠方式が違います。
簡易型宅配ボックスのなかには、扉部分に南京錠を設けるだけの簡単な製品もありますが、それ以外のタイプでは「ダイヤル式」や「電子式」が主流となっています。
ダイヤル式(機械式)
機械式に分類される宅配ボックスのうち、主流となっている方式は扉に3桁、もしくは4桁のダイヤルが設置されており、以下の流れで荷物を管理する「ダイヤル式」です。
- 配達員が荷物をボックスに入れて暗証番号を設定
- 暗証番号を記載した配達通知書をポストへ投函
- 受取人が投函された通知書から暗証番号を確認
- 受取人がダイヤルを回して開錠し、荷物を受領
このようなシンプルな仕組みとなっており、製品自体も安い傾向にあるため比較的手軽に導入できます。また機械式のなかでも「テンキー式」と呼ばれるタイプは電池等が必要になりますが、ダイヤル式であれば電池や電源は不要です。
ただし、配達員が通知書に誤った暗証番号を書いてしまうと、受取人は非常用のカギを使わなければ開錠できません。また何らかの方法で第三者に通知書を盗み見られた場合、不正に開錠されるリスクがあります。
電子式
タッチパネルで操作したりカードキーで開錠したり、非アナログ的な方法で管理される宅配ボックスは「電子式」に分類されます。電子式の宅配ボックスは、基本的に以下の流れで荷物の管理を行います。
- 配達員が画面や音声の案内通りに荷物をボックスへ入れる
- 配達員が配達完了を知らせる通知書をポストへ投函
- 設定しておいた暗証番号やカードキーで開錠し、受取人が荷物を受領
シンプルな使い勝手のダイヤル式と比較し、配達完了を通知するものや操作履歴を記録できるものなど、電子式の宅配ボックスには高性能な製品が複数存在します。
導入費用が比較的高く、使用するために電源が必要になるというハードルはありますが、高性能でセキュリティ性能が高い宅配ボックスを検討する際には、電子式の製品が候補に挙がります。
戸建てに設置する宅配ボックスの選び方
戸建てに設置する宅配ボックスを比較検討するとき、初期段階で確認しておきたいポイントは以下の5つです。
- 日ごろの配達物から最適な規格を逆算する
- 設置するスペースから寸法を考える
- セキュリティ性能を確認する
- 配達回数に応じて製品タイプを選ぶ
- 同時に収納できる最大重量を確認する
どれも基本的なことではありますが、宅配ボックスを買い慣れていない人は見落としが起こりがちです。
宅配ボックスの導入には、数万円~数十万円の費用がかかることも珍しくないため、後悔しないように1つずつ確認しておいてください。
日ごろの配達物から最適な規格を逆算する
日常的に届く配達物が、設置した宅配ボックスに収まらないものばかりであれば、せっかく導入した宅配ボックスは役に立ちません。
当たり前のことに思えるかもしれませんが、取り回しの良さを重視して選んだ宅配ボックスが案外小さく、注文した荷物が入らずに再配達や玄関直置きとなるケースは珍しくないようです。
普段から大きなサイズの製品を注文する機会が多い場合は、必ずゆとりのある規格の宅配ボックスを選びましょう。
設置するスペースから寸法を考える
基本的に宅配ボックスは大きいほど便利ですが、やはり大容量のモデルになるほど玄関での存在感が増し、スペースを占有します。使われている素材によっては非常に重くなるため、移動も容易ではありません。
そのため「大きければ大きいほど良い」と安易に決めつけず、自宅の空きスペースを確認してから現実的な範囲の大型ボックスを選ぶのが無難です。
セキュリティ性能を確認する
信じられないことですが、宅配ボックスの施錠を不正に開けるのではなく、泥棒が宅配ボックスをまるごと盗難するケースがあるようです。
特に周囲から玄関部分がよく見える戸建てであれば、盗みやすそうな宅配ボックスを狙い撃ちにされる可能性があるため、床に直接固定したりワイヤーで固定したりできるセキュリティ性能の高い製品が良いでしょう。
また暗証番号で開錠するタイプの宅配ボックスは、配達業者が郵便受けに入れた「解除番号を記載した用紙」を泥棒に盗まれて、不正に入手した番号で無断開錠される可能性があります。
配達回数に応じて製品タイプを選ぶ
宅配ボックスのなかには、一度宅配物を入れて閉じると2個目の配達物が入らない製品もあります。
そのため、留守にする時間が長い場合やこまめな配達が予想される場合には、2回目以降の配達を想定して「2個以上の配達物が入る宅配ボックス」や「複数重ねられる宅配ボックス」の検討をおすすめします。
同時に収納できる最大重量を確認する
宅配ボックスはおおむね5~20kgのあいだで、収納できる重量の上限が定められています。据え置き型であれば多少の過重は耐えられるかもしれませんが、壁掛け型やポール型など箱本体を宙に浮かせて設置するタイプの宅配ボックスは、特に重量制限に注意すべきでしょう。
普段から米や菜園用の土など重いものを注文しているなら、対応重量の上限が大きい宅配ボックスを選んだ方が破損や変形などのトラブルを減らせます。
まとめ
宅配ボックスがあれば再配達を頼む回数は確実に減りますし、玄関に置かれた荷物の盗難や感染症拡大の対策としても機能します。
一定のセキュリティ性能が期待できる製品であっても、高機能であることにこだわらなければ数万円の予算から購入可能であるため、ぜひ導入をご検討ください。