戸建ては庭あり・庭なしどっちがオススメ?メリットとデメリットを解説

「庭があるといろいろ使えるけど、手入れが大変そうだし……」と悩む方は珍しくありません。難しい決断ではありますが、まずご自身と家族にとって理想のライフスタイルを書き出して、どんな瞬間に庭が必要なのか照らし合わせることから始めてみてください。

その結果「理想のライフスタイルに庭が不可欠だ」となれば、庭ありを前提に家づくりを考えれば後悔する可能性を抑えられますし、反対に「憧れはあるけれど現実的に庭は不要だ」となれば庭なしを前提に考えれば良いのです。

ここでは「庭あり戸建て」と「庭なし戸建て」のメリットとデメリットをまとめ、各ケースを比較できるように情報をピックアップしました。より理想のライフスタイルにマッチする選択がどちらなのか、家づくりの判断材料としてご活用ください。

庭あり戸建てのメリット

自宅に屋外のプライベート空間を設けられることが、庭あり戸建てのメリットです。より具体的なメリットとしては以下が挙げられるでしょう。

  • 本格的なガーデニングや家庭菜園を楽しめる
  • 子どもの遊び場として使える
  • プチアウトドアやホームパーティー
  • 自宅の敷地でペットをのびのびと放せる

メリットを順番に解説していきますので、理想のライフスタイルと比較して「やっぱりうちには庭が必要だ」と感じるかどうか確認してみてください。

本格的なガーデニングや家庭菜園を楽しめる

マンションやアパートに設けられた小ぶりなベランダでは、本格的なガーデニングや家庭菜園は難しいものです。その点、戸建ては集合住宅のベランダよりも広い庭を設けられるため、いくつもの花や樹木、野菜を育てる本格的なガーデニングや家庭菜園を楽しめます。

子どもの遊び場として使える

戸建てに庭が付いていれば、滑り台やブランコを設置して自宅に子どもの遊び場をつくれます。夏場にビニールプールで楽しむ子どもを見られるのも、庭がある戸建ての特権です。

近年は感染症や治安の問題など、子どもに外出させることが不安になるリスクが多く潜んでいます。自宅に庭があれば、子どもの「外で遊びたい」という欲求を発散させられるため、ファミリー世帯にとっては魅力的に映るはずです。

プチアウトドアやホームパーティーを楽しめる

庭にバーベキューセットを置いたりテントを張ったりすれば、気軽にアウトドア気分を味わえます。いつもとは違う雰囲気で過ごす休日は、子どもにとって特別な1日になるはずです。家族そろってプチアウトドアを楽しみたいなら、戸建ての庭は大活躍するでしょう。

また自宅へ友人家族を招く場合、子どもが多ければ室内が手狭になる懸念もありますが、庭があれば思う存分みんなで走って遊べます。ホームパーティーを楽しみたい家庭にとっても、庭は魅力なはずです。

自宅の敷地でペットをのびのびと放せる

動物のなかには、外に出なければストレスを感じる種類もいます。もちろん、こまめに散歩へ連れ出せるのが理想的ではありますが、庭で運動させるだけでも軽いストレス発散に繋がると考えられています。

また本来なら散歩を好む犬などのペットが、何らかの理由により外出を嫌がっている場合には、散歩に慣れさせるためのトレーニング場として庭を活用できるでしょう。外出が嫌いな犬にとっては「抱っこして庭を歩く」だけでも散歩のリハビリに繋がるため、庭の活躍場面は多いはずです。

庭なし戸建てのメリット

庭にできる場所を別用途のスペースとして活用できることが、庭なし戸建てのメリットです。

  • 駐車・駐輪スペースを広くできる
  • 建物部分の面積を広くできる
  • 虫の発生を抑えられる
  • 管理に気を配る場所がほぼ屋内のみに

庭なし戸建てにある、これらのメリットについて解説していきます。

駐車・駐輪スペースを広くできる

とくに都市部の場合、もともとの土地面積がよほど大きい場合でなければ、庭をつくることで駐車・駐輪スペースが狭まります。そのため、庭を設けることで「駐車スペースは車2台分が理想だったけれど1台分しか確保できない」という事態に陥る可能性も。

1台しか車を保有していない場合であっても、親族や友人を自宅に招く機会が多いのであれば、駐車場は複数台分あった方が喜ばれます。

空いた駐車スペースでもプランターを使ったガーデニングや家庭菜園、ビニールプールの設置はできるため「駐車できる庭」のような使い方も不可能ではありません。庭であることの必要性が低いのであれば、庭を設けずに駐車・駐輪スペースとした方が柔軟に活用できるでしょう。

建物部分の面積を広くできる

庭も広い駐車・駐輪スペースも必要ない場合には、規定に収まる範囲で目いっぱい建物面積を広く取れます。建物面積を広くすることで間取りに余裕が生まれ、書斎や映画鑑賞用の部屋など「特定の目的を持たせた部屋」をつくることもできます。

とくに子どものいる世帯は、時間の経過にともないライフスタイルが大きく変わるもの。生活の変化に合わせて柔軟に家の使い方を変えられることに魅力を感じるなら、庭を設けずに建物面積を広くする選択は有力候補です。

虫の発生を抑えられる

虫は草木の周りに住み着くため、庭を設けると害虫に悩まされる可能性があります。たとえば、植物の葉や芽を食べる食害性害虫(ケムシやナメクジなど)や、植物の養分を吸い取る吸汁性害虫(カメムシやダニなど)は庭に集まりがち。

そのほか、人間や植物に直接的な害はないものの、見た目の気味悪さから嫌われるイモムシやヤスデなどの不快害虫も庭に住み着く懸念があります。庭を設けなければ害虫発生のリスクを抑えられるため、虫に悩まされない家づくりを目指すなら庭なし戸建てが理想です。

管理に気を配る場所がほぼ屋内のみに

芝生であっても砂利であっても、庭は一定周期ごとに手入れが必要となります。とくにファミリー世帯の場合、子どもが遊んだ屋内の片付けに気を配りながら、草むしりや落ち葉の処理など屋外の管理も行う忙しい状況になりやすいでしょう。

放置すれば簡単に荒れた庭となってしまうため、効率的な手入れ方法を取り入れたり、もともと庭の手入れが好きだったりする以外のケースでは、屋外の管理が大きな負担となる可能性も。美しい庭を維持することに気が進まない場合は、庭を設けない選択が有力です。

庭あり戸建ての注意点

「庭なし」よりも「庭あり」の方が、設計や管理について考える事柄は増えます。庭がある住環境を経験したことがない方にとって、落とし穴となる主な注意点をまとめていますので、庭あり戸建てを検討している方はこちらもご一読ください。

芝生・砂利・人工芝により手入れの手間は変わる

一般的には芝生がもっとも管理に手間がかかり、砂利と人工芝は芝生に比べて手入れが楽です。

切り揃えられた芝生は美しく歩き心地も良いのですが、きれいな状態を維持するなら成長期は月に数回の芝刈りを必要とします。密度の高い理想的な状態を目指すには、数日ごとの手入れが必要ともいわれるため、面倒に感じて砂利や人工芝に変更するケースも珍しくありません。

砂利や人工芝であれば軽い手入れで美しさを保てるため、管理の簡単さを優先するのであれば砂利・人工芝が無難な選択となります。

庭までの動線や広さは慎重な検討を

庭の活用を日常生活の一部として取り込む動線がなかったり、用途に合わせた庭の広さを確保できていなかったりすると、やがて庭は活用されなくなります。

「人が行き来しやすいこと」と「活用に必要な広さがあること」のどちらが欠けても使いにくい庭となってしまうため、庭あり戸建てを建てるならこれら2点への意識を心がけてください。

敷地外から庭が見える

フェンスや塀を設けるなどの対応をしなければ、敷地外から庭に対する視線を遮れません。結果として庭がプライベート空間ではなくなってしまうため、庭は外から目につきやすいことを念頭において、そのうえで庭の位置や外構について考えることをおすすめします。

まとめ

庭あり戸建てと庭なし戸建てはそれぞれに特徴があり、一概にどちらが良いとはいえません。ただ、庭は明確な利用目的がなければ持て余す場合が多いため、ぼんやりと「庭があれば便利かもしれない」と思う程度でありながら、庭あり戸建てを選ぶのは得策ではないでしょう。

将来のことは分かりませんが、いま予想できる範囲で「庭はいつどのように活用するのか」を明確にしたうえで、その必要性を家族間で話し合うことをおすすめします。