第一種・第二種低層住居専用地域とは?用途の制限など。

新しく戸建住宅を建てる際には、建築予定のエリアがどのような建物が建てられているのかを調べる必要があります。

もし、何も知らないで土地を購入すると、場合によっては自分の思い通りの家が建てられないことがあります。

住宅を建てる際に特に気を付けるべき地域は、第一種、第二種低層住居専用地域に指定されている地域です。

第一種・第二種低層住居専用地域は一体どのようなことに気を付ける必要があるのでしょうか。

本記事は用語を解説しながらメリット、デメリット、注意すべき点について解説します。

低層住居専用地域とは

低層住居専用地域を一言で説明をすると、建築予定の建物に対し最も厳格な条件が課されている地域を指します。都市計画法により、その土地にどのような建物を建てて良いか、いけないのかを詳しく定めているのです。

この法律があることで、土地所有者が好き勝手に建物を建築する状況を防ぎ、街の美しさを維持することが可能になります。地域は約12種類に分類され、規定以外の建物を建築すると都市計画法違反になる違法建築となります。

低層住居専用地域は、他の地域に比べて規定が厳しく、建物を建築する際には指定された要件を全て満たす必要があります。何も知らない状態で土地を購入すると、理想のマイホームを建てることができなくなってしまう恐れがあるので注意が必要です。

第一種低層住居専用地域

第一種低層住居地域の特徴について解説をします。

第一種は、他の地域に比べて最も制約が厳しく、建てられる施設も限られています。

住環境を特に意識したエリアで、日本でも限られたエリアに指定されている地域です。

土地が第一種に指定されているのであれば、次のポイントに注意をしてください。

第一種低層住居専用地域の制限

第一種低層住居専用には、さまざまな制限が設定されています。

その中でも新築戸建を建築する際には、次の3つの項目に注意が必要です。

容積率(敷地面積に対する延床面積の割合)

建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)

絶対高さの制限(高さの制限)

それぞれの数値は以下の通りになります。

容積率 50%、60%、80%、100%、150%のいずれか
建ぺい率 30〜60%のいずれか
絶対高さの制限 10mor12m

3つの基準を満たしていないと、違法建築になります。

なぜ3つの制限が重要になるのか、次の項目で詳しく解説します。

第一種低層住居専用地域で3階建ては可能

第一種低層住居専用地域では、3階建ての戸建住宅は建築が難しいと言われています。

例えば3階建てを建てるために、容積率を150%、建ぺい率を60%に満たす土地を購入しても、3階建ての建物は10mを超えてしまうため、天井を10mに抑える必要があります。

仮に高さを抑えることができても、日影規制などの制限を満たす必要もあり、屋根に勾配をつける必要がありデザインに制約ができてしまうこともあります。

他の地域に比べて自由度の制限があるので、3階建ての建物を建築することは難しいと考えましょう。

第一種低層住居専用地域のメリット

第一種低層住居専用地域は、さまざまな制限がある一方で3つのメリットがあります。

・景観が整っている

・高さ制限があるのでビルなどの高い建物が建つ心配がない

・閑静な住宅街である

他の地域に比べて住居が密集していないため、日当たりもよく風通しがある程度保証されます。

高さ制限があるため、隣に3階以上の建物が建つ可能性も低いと言われています。

2階建ての建物で、快適な住環境を求めるのであれば、第一種低層住居専用地域での購入がおすすめです。

第一種低層住居専用地域のデメリット

第一種低層住居地域のデメリットは、日常生活で不便を感じることが増えてしまう可能性があります。

第一種低層住居専用地域では、コンビニやドラッグストアなどの商業施設の建築は認められていません。

建てられるものは、小規模店舗、学校、老人ホーム、公衆浴場などに限定されるので、日用品を購入するために遠出をする必要があります。

ただし、第一種低層住居専用地域の全ての地域ではありません。

地域によっては特例としてコンビニの設置が認められるケースもあります。

一種低層住居専用地域に指定されている地域では、必ず日常生活にどの程度支障が出る恐れがあるのか、検討した上で購入することをおすすめします。

第二種低層住居専用地域

第二種低層住居専用地域は容積率、建ぺい率、高さの制限は第一種と同じ条件です。

では、どのような点が第一種と異なるのかについて解説します。

第二種低層住居専用地域のメリット

第二種低層住居専用地域は、第一種低層住居専用地域に比べて制約が緩和されています。

そのため、閑静な住宅街でありながら快適に過ごすことが可能になります。

コンビニエンスストアをはじめとした小規模なお店の建築が認められているので、第一種よりも不便さを感じることはないでしょう。

小規模の店舗が多い一方で、第一種低層住居専用地域と同様に、閑静な住宅街と日当たり、風通しをある程度確保しているので、住環境も快適です。

住居用の土地としても価値も保たれやすいので、自宅を売却することになった場合でも安定した価格で売却することが期待できます。

第二種低層住居専用地域のデメリット

第二種低層住居専用地域も、高さ制限があるため3階建ての建物を建てることが難しい地域と言えます。

さらに、利便性が第一種に比べて向上したと言っても、コンビニエンスストアなどお店の種類が限られています。

ドラックストアや大型スーパーのようなお店に行く場合は、移動が必要になります。

また投資目的で土地を購入しても、採算の取れるアパートを建てられない可能性もあるので注意が必要です。

第一種と同様「住環境に重点を置いた地域」であることを忘れないようにしてください。

第一種・第二種低層住居専用地域で気を付けること

第一種、第二種低層住居専用地域で気を付けるべきことがあります。

それぞれのポイントに注意をしながら住宅の購入を検討しましょう。

北側斜線制限にも警戒を

隣の建物の日照悪化を防ぐための北側斜線制限もあります。

建物の基準を満たしていても、他の建物の状況により、建物の仕様を検討しなければいけません。

土地を購入する前に、必ず周辺環境がどのような状態かを確認してください。

3階建てを検討するなら商業地域へ

どうしても3階建ての住居を建てたいと検討しているのであれば、第一種、第二種で検討をするのではなく、別の地域で検討をしてください。

商業地域であれば、建築基準法を満たしていれば3階建ての建物を建築することも可能です。

第一種、第二種低層住居専用地域まとめ

第一種、第二種低層住居専用地域についてまとめると、以下になります。

第一種低層住居専用地域 第二種低層住居専用地域
建てられる住宅 2階建てまで 2階建てまで
住居の制限 厳しい 厳しい
住環境 快適 快適
利便性 商業施設がなく不便 コンビニやクリーニングなど小規模の商業施設ならあるがスーパーなどは無い

かなり制限があるものが、第一種、やや制限がゆるい建物が第二種と覚えておきましょう。

どちらも住環境に重点を置いた地域で、閑静な住宅街に住みたいという方は、第一種、第二種の地域を選ぶのもおすすめです。

土地の特性を知ることも重要

今回は、第一種、第二種低層住居専用地域について解説をしました。

住宅を建築する際には、さまざまな情報を把握していないと、失敗してしまうこともあります。

マイホームで成功するために必要なことは、ためになる情報を少しでも知ることが大切です。

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正しい知識を学び、失敗しない住宅選びをしてください。