「土地面積」「建物面積」「延床面積」「建築面積」何を注意するべき?それぞれの違いとは?

これからマイホームの購入を検討している方、注文住宅を建てようと検討中の方に質問です。

「土地面積」「建物面積」「延床面積」「建築面積」4つの項目がどのように違うかご存知でしょうか。

同じ面積でも4つの項目はそれぞれ意味が異なります。

4つの違いを知っておくことで、住宅を購入する際にトラブルを回避して賢く購入することも可能です。

本記事では、「土地面積」「建物面積」「延床面積」「建築面積」の4つがどのように違うのか、最も知るべき項目は何かについて解説します。

戸建購入を検討している方必読の内容です。

「土地面積」「建物面積」「延床面積」「建築面積」とは何か

マイホームを購入・建築する際に知るべき4つの面積

「土地面積」「建物面積」「延床面積」「建築面積」の違いについて、1つずつ解説します。

土地面積

土地面積は、その名の通り購入予定の土地の面積を指します。土地を真上から見た際の土地の面積を指します。真上から面積を出すため平らな土地では土地面積がそのままです。しかし注意が必要なのは、傾斜のある土地。傾斜のある土地は真上から見ると実際よりも傾斜の分小さくなってしまいます。

土地面積は、建物を建てる際に建築面積を知るために求めます。

土地に対して建てて良い建築面積の割合を出す、「建ぺい率」の上限があります。

上限を超えてしまうと、図面通りの建築が出来なくなってしまうので注意が必要です。

土地面積は測定方法によっても微妙に異なることもあります。正確な数値を知りたい場合は、図面だけで判断するのではなく、専門業者の意見を聞くことをおすすめします。

土地面積は「敷地面積」と表現することもありますが、土地面積と意味は同じです。土地面積=敷地面積と覚えましょう。

建物面積

建物面積は、建物全体に占める各階の床面積の合計面積を指したものです。

建物面積は、「延床面積」と同じ意味で活用されることが多く、「延床面積」で説明することも珍しくありません。

しかし、延床面積と徹底的に異なることもあります。

それは、建物面積には、バルコニー、ガレージ、車庫なども含まれること。

居住スペース以外のものも、建物面積としてカウントされてしまうのです。

建物面積には容積率と掛け合わせた上限が設定され、建築時には上限を達しないように建物を建築しなければなりません。

延床面積とは

延床面積とは、各階の床面積の合計を足した面積になります。

延床面積には、バルコニーやベランダ、車庫などは含まれないため延床面積を考慮して設計することがあります。

延床面積の基準となるものは、柱や壁を中心にして算出すること。

玄関やひさしなどは2メートル以内であればカウントされません。

このように、外装や内装の使用により、延床面積の大きさが変わるので、建物面積と合わせて確認しておきましょう。

延床面積の上限=容積率(%)×土地面積×100%

建築面積とは

建築面積は上空から建物の周りを一周した面積のことを表します。

真上からの物件の面積が建築面積となるため、「水平投影面積」と呼ばれることもあります。

建物の構造上、1階部分の面積が建築面積となることが多く、1階の面積がそのまま採用されることがほとんどです。

仮に2階部分が1階よりも面積が大きければ、2階部分が建築面積として採用されます。

建築面積は、土地の広さに対し、適切な範囲で家を建てているかどうかを確かめる「建蔽率」を求めるために活用されます。

建築時の基準として使われる

4つの面積について簡単に解説をしました。

共通していることは、注文住宅を建築する際に建築法違反の建物にならないかどうかを確かめるために必要な数値ということ。

購入した土地に対してどの程度の大きさの家を建てることができるのか、基準となる数値だと理解しておきましょう。

最も注目すべき面積は結局のところどれ!?

4つの面積の違いを理解したところで、「どれが一番重要な面積は何?」と疑問に思う方もいるでしょう。

重要な面積は4つのうちどれに当たるのか…。

実は、どの面積も注目すべき面積なのです。購入する際には4つの面積を気にしながら購入する必要があるといえるでしょう。

4つの面積が重要なことは分かるけど、全てを覚える余裕がありません。そんな方は物件によって注目すべき面積異なります。

ここでは、5つのケースに分けて、どの面積に注目すべきかを簡単に解説します。

「三階建」「駐車場付き物件」「中庭のある物件」「アウトドアリビング物件」「隣家との距離が短い」の5つです。

事例と類似している住宅を購入しようと検討している方は、どのようなことに気を付ける必要があるのかについて解説します。

三階建ての物件は土地面積だけでなく傾斜制限にも注意

「土地面積が狭く、少しでもスペースを確保したい!」という方が検討する3階建ての物件。地域によっては建物の高さや形を規制する「傾斜制限」を設けている場合もあります。

特に注意が必要な場合は北側に住宅がある土地です。他の家の日照を確保するための「北傾斜線制限」を設けている地域もあります。

北傾斜線制限のエリアでは、土地面積の基準を満たしていても、傾斜線制限のために3階スペースに傾斜をつけなければならないこともあります。

3階建てを検討する際は、建物面積の基準を満たした建物が出来ない可能性があることも視野に入れてください。

駐車場のある物件延床面積と建築面積を

駐車場を設ける際は、屋根やカーポートも建築面積に含まれることを覚えておきましょう。駐車場を建物内に設ける場合でも、延床面積の5分の1以上は建築面積にカウントされてしまいます。

延床面積の5分の1未満に収められるようにしてください。

中庭のある物件は建築面積を考慮

中庭のある物件では、中庭部分は建築面積にカウントされます。中庭を設置したことで建物の使用が微妙に変わってしまうこともあります。

中庭のある物件を注文住宅として検討している方は、中庭部分も建築面積としてカウントしておきましょう。

アウトドアリビングのある物件は建築面積を考慮

アウトドアリビングを設置する場合、バルコニーやひさしの部分も建築面積に加算されることがあります。

加算される条件は、テラス部分が建物から1m以上突き出ている場合です。

1メートルを超えたアウトドアリビングを建築すると、アウトドアリビングも建築面積としてカウントされ、建てられる物件が変わってしまいます。

また建築面積としてカウントされない1メートル以内でも、アウトドアリビングの間に屋根や柱があれば、建築面積としてカウントされる可能性があります。

アウトドアリビングを建築面積の対象外として検討したい場合は、庭にDIYでアウトリビングを設置しましょう。

隣家との距離が近い場合はゆとりをもった建築を

隣家との距離が近い時は、隣家との適切な距離を保ちながら建設計画を検討してください。目一杯の広さで設計すると近隣住民の住宅と隣接し、トラブルに発展してしまう恐れがあります。

近隣住民へのトラブルを回避するためには、適切な距離を保ち建物を設計することも大切です。

まとめ

本記事での面積の違いを熟知しておくことで、建築時にどのようなことに気を付けるべきか理解できたのではないでしょうか。

大切なことは、どのような土地でも必ず何らかの制限が設けられています。

制約の中で失敗しない住宅を建てるためには、その地域に熟知した経験豊富な専門家に相談をすることをおすすめします。

専門家の意見を聞き、後悔しない建物を手に入れましょう。