もう注文住宅のカーテン選びに失敗しない!カーテンの種類・注意点・選定ポイントを解説

「カーテンはどのような基準で選ぶべきなのだろう」

「自分で選ぶか、注文住宅の施工業者に任せるかどちらが良いだろう」

カーテン選びは、注文住宅において主要な悩みポイントの1つです。良質なカーテンを選ぶなら決して安価ではなく、平均的な値段であっても設置個所が多ければ費用は膨らむため、カーテン選びの失敗は後悔につながります。

ここでは、注文住宅のカーテン選びにおけるポイントと注意点をご説明します。カーテンの種類・効果など基本的なところから解説するため、まだ理想的なカーテンの条件が決まっていない場合にご活用ください。

注文住宅のカーテンの買い方と注意点

注文住宅の新築時、カーテンを購入して設置する方法は主に3つあります。

  • 施工業者に一任する
  • カーテン専門店に依頼する
  • 自身で購入して設置する

カーテンは素材や設置方法により費用感が異なるため厳密な相場価格はありませんが、上記3つの選択肢のなかでは上から下にかけて必要な費用は下がる傾向にあります。

なお、施工業者へ依頼する場合は心配ありませんが、それ以外のケースにおいて「カーテンレールの設置が必要となった場合」には、工務店へ設置を依頼することを検討してください。カーテンレールを自ら設置する場合、作業に不慣れだと歪みが生じたり壁に傷が付いたりして、見た目が損なわれることが懸念されるからです。

また工務店へ依頼して採寸や設置が適切に行われることで、家具や冷房設備に取り付けたカーテンが干渉する事態を防止できます。

施工業者に一任する

新築時に施工業者へカーテンの取り付けを一任すれば、カーテン専門店探しの手間は最小限になるため、もっとも時間と労力をかけずに高品質なカーテンを設置しやすい方法だといえます。

ただし、施工業者がマージンを得る形となるため割引交渉が通りづらく、割安価格でカーテンを導入できる可能性は下がります。また、カーテン業者を自由に決められないため、必ずしも理想のカーテンに出会えるとは限りません。

カーテン専門店に依頼する

時間と労力を惜しまなければ、無数にある選択肢から希望条件に近いカーテン専門店を探すことが可能です。

自らカーテンサイズを測り、打ち合わせを行う必要があるため手間はかかりますが、色や素材にこだわりたい場合はカーテン専門店への依頼を検討してみると良いでしょう。

自身で購入して設置する

通販サイトなどを利用して、カーテンの購入から設置まですべて自身で対応すれば、ほとんどの場合ほかの選択肢よりも費用を抑えられます。

ただし、前述したように経験不足による不具合が生じる懸念もあるため、後悔のない形でカーテン取り付けを検討するようおすすめします。

カーテンの種類

カーテンと一口にいっても複数の種類があります。それぞれ、画像を交えてご紹介します。

ドレープカーテン

ドレープカーテンは、厚手のカーテンの総称です。後述するレースカーテンとの組み合わせを「ダブルカーテン」といい、一般的にイメージされるカーテンはダブルカーテンを指します。

レースカーテン

レースカーテンは、薄い生地から作られた透けたカーテンのことです。ドレープカーテンと組み合わせて取り付けられることが多く、しっかりと日光を遮りたいときはドレープカーテンを閉め、光を取り入れつつも屋外の視線を遮りたいときにはレースカーテンのみ閉めるといった使い方ができます。

繊細な模様をあしらったデザイン性の高い製品も多く、日中の窓辺をおしゃれに演出するうえで重要な役割を担うカーテンです。

ロールスクリーン

ロールスクリーンは、コードを引いて布を巻き上げたり、下ろしたりできる上下開閉型のカーテンです。ドレープカーテンとは違い、ヒダと呼ばれる折り目がないため見た目がすっきりとしており、フラットな印象があります。

無地のロールスクリーンを設置して極力シンプルなデザインにしたり、全面に特徴的な模様があしらわれた個性のあるデザインにしたり、フラットな形状を活かして自由度の高い窓辺を演出できる点がメリットです。

ただし、吊り下がっているコードに身体が絡まり事故につながる可能性があるため、とくに子どもや高齢者がいる場合には設置場所やコードの長さに注意しなければなりません。

ブラインド

ブラインドは、スラットと呼ばれる薄い板により構成されるウィンドウトリートメント(窓周りの装飾の総称)です。

ブラインドと聞くとオフィスで利用されるものを連想しがちですが、木製や布製など素材の種類は多岐にわたり、和室や洋室を問わず住宅に取り入れてもマッチする製品は多くあります。

また、一般的にイメージされる横型のブラインドのほかに縦型の製品もあり、縦型のブラインドは都会的な印象があります。ブラインドは日光を遮りつつ風通しの良さを確保できるため、外からの空気を取り入れたい部屋に取り付けると活躍するでしょう。

シェード

シェードは、布がたたまれるような形で開閉するウィンドウトリートメント。ロールスクリーンのように上下に開放できる構造ではあるものの、見た目の印象としてはカーテンに近く「たたみ上げられるカーテン」といったイメージがピッタリです。

カーテンと同じ生地を使える場合も多いため、カーテンとシェードで素材を揃えて統一感を持たせられます。

プリーツスクリーン

プリーツスクリーンは、プリーツ加工が施された生地により作られている、たたまれる形で開閉するウィンドウトリートメント。ブラインドよりも柔らかく、シェードよりもスタイリッシュな印象が特徴的です。

ロールスクリーンのように上方向にたたみ上げるシングルタイプ、2種類の生地を開閉して調整できるツインタイプ、遮光面を上下どちらにも移動させられる逆昇降タイプなどが存在します。色や柄、素材は豊富に展開されており、洋室だけでなく和室に適したデザインの製品も多々あります。

注文住宅に設置するカーテンを効果で選ぶ

カーテンには特殊な効果を持った製品があります。注文住宅の住環境をより快適にするため、必要に応じて優れた機能を持つカーテンを選ぶと良いでしょう。

部屋に入る光の調節

カーテンには光を遮る遮光効果が備わった、遮光カーテンと呼ばれる製品があります。

遮光効果は製品によって程度が異なり、性能に応じて等級が1~3級に分類されます。

遮光カーテンの等級 どのくらい室内が暗くなるのか
遮光1級(遮光率99.99%以上) 人の顔が認識できない
遮光2級(遮光率99.80%以上、99.99%未満) 人の顔、表情が分かる
遮光3級(遮光率99.40%以上、99.80%未満) 人の顔は分かるものの、部屋は暗くなる

上図の通り、遮光1級の遮光カーテンになると、照明を付けなければ人の顔が見えないほど暗くなります。カーテンを閉め切った状態であれば、朝や昼であっても電気を付ける必要があるレベルです。

一方、日中の強い日差しは避けたいものの、部屋を真っ暗にすることを望んでいない場合には遮光2級や遮光3級が候補となります。完全に近い遮光効果が期待できる代わりにデザインの種類に乏しい遮光1級と異なり、遮光2級や遮光3級はバリエーションが豊富です。

室温の変化を抑える

冷暖房設備を過剰に稼働させず、室内を適温に保つためには開口部(窓などの出入口)の断熱が重要です。夏の冷房時に室外から侵入する熱の約7割、冬の暖房時に室外に放出される熱の約6割は、開口部が熱移動の主な経路となっているからです。

この課題への対策として、断熱効果のある窓を設置したり断熱材を壁に使用したりといった方法のほかに、断熱カーテンや遮熱カーテンを取り入れることが候補に挙がります。断熱カーテンと遮熱カーテンの名前からは似たような効果が連想されますが、両者には以下のような違いがあります。

  • 断熱カーテン:屋内外の熱移動を防ぐカーテン
  • 遮熱カーテン:屋外から差し込む光を反射して熱を遮るカーテン

通常、窓を閉めていても屋外が暑ければ室内の温度も上がり、屋外が寒ければ室内も冷え込みます。このような熱移動を防ぐことを「断熱」と呼び、断熱カーテンは屋内外の熱移動を抑えて外気による室温の変動を小さくするのです。そのため、断熱カーテンは暑さ・寒さ対策の両方に効果を発揮します。

一方、遮熱カーテンは屋外から差し込む光を反射することで、太陽光を遮り室温の上昇を防ぎます。そのため、夏場の暑さ対策には効果を発揮しますが、遮熱カーテン単体では寒さ対策になりません。

屋内外の音の反響を抑える

カーテンのなかには防音効果を持った、遮音カーテンや吸音カーテンと呼ばれる製品があります。これらを取り付けることで自宅の話し声や楽器の音が極力漏れないように対策したり、外から聞こえる騒音を軽減したりできます。

屋外からの視線を遮る

大半のカーテンは、閉じることで屋外からの視線を遮れます。

また、レースカーテンのなかには生地の裏側が光っており、外から室内が見えづらいミラーカーテン(遮像カーテン)と呼ばれるものもあり、光を取り込みつつも視線を遮断できる製品もあります。

注文住宅のカーテンはどうやって選ぶ?

価格で選ぶのか機能性で選ぶのか、部屋との調和を重視して選ぶのかによってカーテン選びの基準は大きく異なります。カーテンの選び方は三者三葉ですが、ここでは選び方を2つに大別してご紹介します。

新築した注文住宅の住環境を、どのように追求していきたいのか逆算しつつ選べると理想的です。

部屋の役割に応じてカーテンを決める

合理的にカーテンを選ぶのであれば、部屋の役割に応じた色・機能を持つカーテン選びが理想的です。

  • リラックスできることが望まれる寝室であれば、気分を落ち着ける青・緑色のカーテン
  • 紫外線により痛む本・書類を保管する書斎であれば、完全遮光のカーテン
  • 幼い子どもの遊び部屋であれば、汚れても取り換えが容易なコスト面に優れるカーテン

上記のように部屋の目的から逆算することで、寝室なのに緊張や興奮効果のある黄・赤色のカーテンを選んでしまったり、紫外線カットの効果が薄いレース素材のカーテンを書斎に取り付けてしまったり、致命的な失敗を避けられます。

なお、カーテンの設置を考えるとき「どの窓に取り付ければ十分なのか」に悩むものですが、基本的には日光や視線を遮りたい部屋にだけ取り付ければ十分でしょう。確実に必要となる部屋にのみカーテンを設置し、生活をするなかで遮光の必要性を感じた窓に追加する流れであれば、カーテンの出費を最小限に抑えられます。

部屋や家具のデザインにあわせてカーテンを決める

機能面に強いこだわりがなければ、部屋や家具のデザインと調和を取るようなカーテン選びが無難でしょう。機能面を重視しなければカーテンの選択肢は一層広がり、色・質感・装飾が異なる無数の素材から理想のカーテンを探せます。

最近では、お手本となるハイセンスな部屋のコーディネートがSNSに共有されているため、これを参考にするとカーテン設置後の部屋をイメージしやすくなります。

まとめ

本記事では、多種多様なカーテンの種類・効果を解説しました。注文住宅の新築時に取り入れたいカーテンのイメージは固まりましたか?

カーテンは単なるインテリアにとどまらず、住環境の快適性を左右する重要なアイテムです。たかがカーテンと思わず、後悔がないよう慎重にカーテン選びをするようおすすめします。

また記事前半で述べたように、施工業者を介さずに注文住宅にカーテンを設置する場合、カーテンレールを自身で設置すると傷や歪みの原因となります。カーテンレールの設置が必要となるなら、工務店への依頼を検討してみてください。