住み替え検討中なら必読!マンションから戸建てへ住み替えるメリット・デメリットを解説

マンション購入は、費用感を抑えつつ利便性の高い立地に家を持てる選択肢の1つですが、マンションはその特性上「理想の空間づくり」という点で戸建て住宅に劣ります。

そのため、自身や家族のために住まいにこだわりを加えたい場合、マンションよりも戸建て住宅の方が快適なマイホームとなる可能性が高いのです。

今回はマンションから戸建て住宅へ住み替えた際、どのようなメリットやデメリットを感じやすいのか解説します。住み替えは大きな出費をともなうため、ぜひ本記事を熟読して住み替えの利点を再確認してみてください。


戸建て住宅へ住み替えるメリット



マンションにも戸建て住宅にもそれぞれ長所はありますが、明確に戸建て住宅が勝っている部分はいくつか挙げられます。

まずは戸建て住宅へ住み替えるメリットを確認し、それが「自分が希望するライフスタイルとマッチしているか」を確かめていきましょう。



プライバシーの確保


戸建て住宅の魅力は多数ありますが、なかでもマンションと決定的に異なるのは「プライバシーの確保」が実現しやすい点です。

多くの場合、マンションは鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)となっており、これらは木造物件より防音性に優れていますが、隣人の生活音を完全にシャットアウトすることは困難です。

建物の出入口で隣人とすれ違ったり、ベランダで隣人と不意に顔を合わせたり、物理的に隣人との距離が近いことで起こるイベントも少なくありません。戸建て住宅に住み替えることで、これらの点はつぎのように変わります。



生活音の影響が極めて少ない


掃除機をかけたり家具を移動させたり、スピーカーで音楽を楽しんだり日常生活において「壁越しに伝わるレベルの生活音」が出てしまうことはよくあります。

マンションであれば、これらの生活音が騒音問題に発展する可能性もありますが、戸建てのような独立した建物なら近隣の迷惑になることはほぼありません。

近年では遮音性に優れた材料を使用するケースも増えているため、祖父母世代や親世代が建てた戸建て住宅より一段と、日常生活で出てしまう音に対する心配は減りつつあります。

夜遅くまでドラマや映画を楽しんだり、子どもが部屋を走り回ったり、趣味で楽器を演奏したりしても周囲への迷惑を気にしなくて良いのは、戸建てならではの利点と言えるでしょう。



隣人との距離が取れる


生活音が近隣に聞こえることの弊害は、騒音によるトラブルのリスクだけではありません。

隣人との距離が物理的に近いほど、日常会話や通話の内容が近隣に聞こえてしまう懸念が高まります。会話内容を知られる直接的なデメリットは限られますが、普段の会話が周囲に筒抜け状態となるのは気分が良いものではありません。

またマンションは出入口や郵便受けなどで隣人と顔を合わせる機会が多く、戸建て住宅に比べて近距離で他人と顔を合わせる場面は増えがちです。

そのため、近隣の評価に配慮して「身だしなみ」や「愛想の良さ」を意識せざるを得ない機会が増えることも。日常生活で感じる緊張を極力減らし、最大限にリラックスできる時間を増やしたい場合には、隣人と距離が離れている戸建て住宅に軍配が挙がります。

自由なリフォーム・改築

住居そのものを自由にカスタマイズできる点も、戸建て住宅の強みです。

マンションであっても購入した部屋は改築が可能ですが、玄関から一歩出れば共用部分であるため、自分の理想を追求できる部分は決して多くありません。マンション特有の制約が邪魔をして、自宅内も完全に理想通りの改築ができるとは限らないでしょう。

ここからは、戸建て住宅であれば具体的にどういった改築が可能になるのか解説していきます。

外観のカスタマイズ


景観を破壊するなど一定の規則に抵触する場合を除き、戸建て住宅は自由に外観を変えられます。

住居を単に「生活に必要な空間」と考える場合、外観のカスタマイズには関心が向かないかもしれません。一方、所有者が自身や家族の趣味趣向をマイホームに反映させたい場合、戸建て住宅だからこそ実現できるデザイン性の高い外観は魅力的に映るはずです。

家族の生活スタイルや時代の流行に合わせて、任意のタイミングに自分の意思で外観を変えられるのは戸建てならではの強みでしょう。


間取りの変更の自由度


最適な自宅の間取りは、家族の人数や成長に合わせて変わるものです。

しかし、マンションはこだわった間取り変更が難しく、大抵は部屋の模様替えや壁・床材を変える程度のリフォームにとどまります。一方、戸建て住宅であれば原則どの部屋でも大がかりな改築が可能で、ライフスタイルに合わせて高い自由度で間取りを変更できます。

たとえば、子どもが自立して一人暮らしなどを始めたあと、その部屋を親の趣味部屋やゲストルームに変えたり、別の部屋とつなげて広々とした空間につくり替えたりすることも容易です。徐々に変わっていくマイホームへのニーズに合わせ、常に家族にとって最適な空間づくりをできる点も戸建て住宅ならではの強みでしょう。

庭や外部スペースの利用

ある程度の面積がある庭がなければ、自宅でガーデニングや家庭菜園を楽しんだり、家族や友人を集めてBBQを開いたりするのは困難です。マンションのベランダでは手狭ですし、何らかの形で隣人に迷惑をかける可能性が高いでしょう。

その点、土地や建物の面積次第ではあるものの、戸建て住宅は広い庭を設けられるため窮屈さを感じることなく園芸やBBQを楽しめます。

また、とくに都市部のマンションでは駐車スペースの確保が難しいこともありますが、戸建て住宅であれば確実に敷地内へ駐車場を確保できます。

設計次第では複数台の駐車スペースを設けたり、大型車用の駐車スペースを設けたりすることもできるため、これらはマイカーを所有する世帯にとって大きなメリットとなるはずです。

長期的な資産価値

マイホームは住まいであると同時に資産でもあります。そのため、いざというときには売却して換金する可能性もゼロではありません。

その際に重要となるのが「買値と売値の価格差」です。

  1. 買値を下回る金額で売却する
  2. 買値に近い金額で売却する
  3. 買値を上回る金額で売却する

資産としての観点で考えると、もっとも避けたいケースは1番、理想的なケースは3番です。ただし日本の不動産は築年数が浅いほど高値になりやすいため、実際には1番か2番になる場合がほとんどです。

そして、立地や周辺の開発計画などさまざまな要因に左右されるものの、マンションと戸建て住宅を比較するとおおむね「戸建て住宅の方が買値に近い金額で売却しやすい」といえます。

というのも戸建て住宅は、家を建てている土地そのものを保有する場合が多いからです。

ご存じかもしれませんが、建物部分は築年数の経過により年々価値を失うものの、土地部分は時間の経過による価値の推移が緩やかです。都市開発などにより地域一帯の地価が上がれば、むしろ土地部分の価値が上がることもあります。

以上の理由から、建物だけでなく土地も資産として保有できる戸建て住宅は、マンションよりも手堅い資産だといえるのです。

戸建て住宅へ住み替えるデメリット

住居を設計する自由度が高まることから、マンションから戸建て住宅へ住み替えることで「住まい」に対する満足度は上がる可能性が高いといえます。

ただし、以下の点でマンションよりも不満を感じる可能性があるため、あらかじめ住み替えのデメリットについて把握しておくべきでしょう。

  • 維持・管理の手間
  • セキュリティ面
  • 購入費用の高さ

ここでは上記3つについて順番に解説していきます。

維持・管理の手間

マンションの場合、管理費や共益費という形で毎月コストがかかりますが、これらの費用を負担することで管理会社や管理組合が建物の維持管理を行ってくれます。

一方、戸建て住宅はあらゆる維持や管理がマイホームを所有する本人の責任となり、修理や修繕を専門業者へ依頼する場合には自ら手配する必要があります。

セキュリティ面

戸建て住宅は、物理的に隣人との距離が離れていることでプライバシーを確保しやすい一方、裏を返せば不審者が侵入しやすいという一面もあります。

そのため、遠隔モニタリングが可能なセキュリティカメラを設置したり、セキュリティ性の高い鍵・窓などを使用したりといった対応が重要となります。

購入費用の高さ

戸建て住宅とマンションでは立地条件が大きく変わる場合も多く、一概に価格の高い・低いを判断できるものではありませんが、グレードが同等の住まいを手に入れる場合の価格は戸建ての方が高額になる傾向があります。

とくに利便性が高い都市部に戸建て住宅を建てる場合、土地そのものが高額となる傾向があるため、マンションよりも割高になりやすいといえるでしょう。

このほか、大部分をこだわるオーダーメイドに近いつくり方か、既存プランをベースに数ヶ所のみをこだわるかによっても費用感は変わります。自由度の高さは戸建て住宅の強みですが、複雑なデザインや高品質な材料を使うほど購入費用が高額になる点は留意が必要です。

まとめ


すでにご存じの点も多かったと思いますが、空間づくりの自由度やプライバシー確保の観点においては、基本的にマンションよりも戸建て住宅が圧倒的に優れています。

ただし、記事後半で解説したような住み替えのデメリットもあります。住み替え時には、住み替え前後を比較して以下の点をクリアし、そのうえで「より家族の希望にあったマイホームへ住めるか」が重要なポイントとなるでしょう。

  • 現実的な予算計画を立てられるのか
  • 立地や周辺環境の快適性は十分なのか
  • ライフスタイルの変化に対応できるのか

ぜひ本記事の内容を参考に、理想的な住まいへの住み替えを検討してみてください。