猛暑対策バイブル!戸建て住宅の冷房効率化術で節電クールダウンする方法を解説

年々気温が上昇し暑くなるなか、2022年から電気代が高騰しています。

エアコンをつけないわけにはいかず、どうしても高い電気代を払っていくしかありません。

しかし、エアコンの電気代の節約方法はいくつもあり、光熱費を抑えていくことは可能です。

本記事ではエアコンをうまく使った節約方法を解説します。最後まで記事を読み進めていただければ、電気代を抑えつつエアコンを使えるようになります。

2022年から電気代が高騰している

次の表のように、2022年から電気代が高騰しています。

電気代
2023年 13,944円
2022年 15,807円
2021年 12,797円
2020年 12,850円
2019年 13,443円
2018年 12,918円
2017年 12,206円
2016年 11,853円
2015年 13,340円

※金額はすべて東京23区の平均したもの

※2023年のみ5月までのデータ平均金額したもの

出典:政府統計の総合窓口「小売物価統計調査 小売物価統計調査(2023年5月19日公開)

表では2023年の電気代が落ちているようにも見えます。しかし、2023年は1月~5月までの平均金額であり、まだ夏の電気代が入っていません。すでに5月までで2021年の平均を上回っているため、相当な電気代がかかると予測されています。

電気代の値上げの理由は、燃料費調整単価の上昇です。

燃料費調整単価とは、電気を作るために必要な石炭や天然ガス、原油価格の増減を加味するための調整費用です。

ウクライナ紛争により燃料費調整単価が上がってしまいました。未だ終わりが見えないため、今後も電気代は高い状態が続く可能性もあります。

電気代がかかるのはどの家電?


電気代がかかる家電の順位は、次のとおりです。

  • 1位:エアコン(年間電気代15,800円~90,100円)
  • 2位:エコキュート(年間電気代22,800円~46,800円)
  • 3位:テレビ(年間電気代570円~18,000円)

参考:経済産業省資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2022年版

家電は使い方や容量などによって金額が大きく変わりますが、エアコンとエコキュートの2つの電気代が飛びぬけて高いという結果でした。

また、電気冷蔵庫と電気冷凍庫も電気代がかかりますが、テレビとそれほど大差はありませんでした。

つまり、エアコンを節電すれば、電気代を大きく節約できるということです。

幸い、エアコンの節電方法は多くあり、簡単に実施できるものばかりです。エアコンの節電する方法を理解し、電気代を節約していきましょう。

エアコンの節電方法

エアコンの節電方法は、次のとおりです。

  • 適切な設定温度にする
  • エアコンフィルターをこまめに掃除する
  • 室外機の日よけや送風口を確保する
  • 室内を空気循環させる
  • 短時間の外出ならエアコンをつけっぱなしにしておく
  • 窓に断熱シートを貼る

エアコンの節電方法は多く、実施できるものから取り組んでいきましょう。エアコンは暑さ対策になるため、使わないという極端な節電方法をおこなってはいけません。

近年は危険な暑さになり、室内でも熱中症にかかる可能性があります。

ここからは、エアコンの節電方法について解説します。

適正な設定温度にする

エアコンの設定温度は夏28℃、冬20℃が適正だといわれています。

環境省によると、夏は設定温度を1℃上げると電気代が13%抑えられ、冬の設定温度を1℃上げると電気代が10%抑えられるとしています。そのため、適正な温度設定にすれば、エアコンの電気代を抑えることが可能です。

また、エアコンは外気温と設定温度の差が大きいと電気代が高くなります。

夏よりも冬のほうがエアコンの電気代が高くなる、と感じた人がいるかもしれません。それは外気温と設定温度の差によるものです。夏の平均気温は設定温度とそこまで差はありませんが、冬の平均気温は設定温度を20℃にしてもかなりの差があります。設定温度との乖離があると室内が暖まるまでエアコンがフル稼働してしまうため、電気代も上昇してしまいます。

このように冬場のエアコンは設定温度だけでなく、外気温も気にして使用しなければ相当量の電気を使ってしまいます。ほかの節約方法をあわせて、冬場のエアコン稼働率を少しでも下げる工夫をして使用しましょう。

エアコンフィルターをこまめに掃除する

エアコンフィルターをこまめに掃除すると、電気代の節約になります。

エアコンは室内の空気を取り入れ、温度を調整して空気を放出しています。そのため、空気を取り入れたときにホコリを吸引し、エアコンフィルターが汚れていきます。

フィルターにホコリが溜まってくると、空気の温度調整に時間がかかり稼働する電力も大きくなるため注意しなければいけません。

電気代がかかるうえにエアコンの効きが悪くなるため、フィルターの掃除がこまめにおこないましょう。

室外機の日よけや送風口を確保する

室外機に日よけをしたり、送風口を確保したりすると電気代が節約できます。

室外機は外に置くものとして設計されていますが、やはり機械には変わりないため温度が上昇すると電力を大きく消費してしまいます。

また、送風口が確保できないと室内の空気循環を阻害してしまうため、なかなか室内温度が変わりません。室内温度が変わらないとエアコンは稼働し続けてしまうため、電気代が上がってしまいます。

室内を空気循環させる

室内の空気を循環させると室内温度が調整しやすくなり、エアコンの稼働時間が短くなります。

室内を空気循環させるには、サーキュレーターをおすすめします。

サーキュレーターとは室内の空気を循環させるための家電であり、上下左右に空気を送風することが可能です。

室内の空気が循環すると温度調整が簡単におこなえるため、エアコンの設定温度になる時間を短縮できます。短時間で設定温度に近くなるため、エアコンの稼働時間が減って電気代を節約できます。

短時間の外出ならエアコンをつけっぱなしにしておく

短時間の外出をするときには、エアコンはつけっぱなしにしておきましょう。

エアコンは設定温度と外気温の差が大きいと、稼働が大きくなるため電気代もかかります。外出時にいったんエアコンを切ってしまうと、設定温度と外気温の差が大きくなってしまいます。近くのコンビニに行く程度であれば、エアコンをつけっぱなしにして低稼働のままにしておいたほうよいでしょう。

窓に断熱シートを貼る

窓に断熱シートを貼ると熱の侵入を防げ、エアコンの稼働時間を抑えることが可能です。

室内にこもる熱のほとんどは、窓から侵入してきます。

屋根や外壁から侵入してくる熱は、合計しても26%ですが、窓から侵入してくる熱は単体で70%を超えます。つまり、室内の熱は窓からのものが4分の1近くということです。そのため、窓から侵入する熱を防止するだけで室内温度が下がります。

窓から侵入する熱を防ぐには、断熱シートを貼って断熱効率を上げるのがよい方法です。

断熱シートは、ホームセンターやネットショッピングサイトで売っていますので簡単に入手できます。

ただし、断熱シートを貼ると窓の視界がなくなるため、貼る窓の場所や断熱シートの種類をきちんと選んで購入することが大切です。

高性能な住宅ならより一層の節電になる

高性能な住宅であれば断熱性が高く、より一層のエアコンの節電が可能です。

エアコンを節電する方法はありますが、結局は住宅の断熱性能に左右されてしまいます。

たとえば、窓が二重サッシになっているかどうか、気密性が高い住宅なのかどうかなどです。二重サッシになっていれば外からの熱の侵入が少なくなりますし、気密性が高ければ室内の空気が外気と混じり合う量が少なくなります。

これから住宅を建築する人は、高性能住宅を建築すれば電気代の節約が可能です。

なお、高性能住宅とは、次の項目の数値が高いものをいいます。

  • 気密性
  • 断熱性
  • 耐震性
  • 耐久性
  • 省エネ性

そして、高性能住宅と呼ばれる種類は、次のとおりです。

  • 長期優良住宅
  • ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)
  • 省エネ基準適合住宅
  • 低炭素住宅 など

今後も光熱費が上がっていくことも予想されているため、高性能住宅を建築するのもよいでしょう。

まとめ

エアコンはほかの家電と比べ、消費電力が多く、つけっぱなしにするため電気代が高くなりがちです。

しかし、エアコンには節電方法が多くあるため、電気代の節約をすることが可能です。

エアコンの節電方法は手軽におこなえるものばかりであるため、方法を理解して実践していきましょう。

また、エアコンの冷暖房効率は住宅の性能に大きく影響されます。そのため、これから住宅を建築する方は、気密性や断熱性が高い高機能住宅を検討するとよいでしょう。高機能住宅でエアコンを利用すれば冷暖房効率が上がって節電につながります。