ワクワクから苦痛へ!? マイホームブルーの原因と解消方法を解説

マイホームが原因となり負の感情が芽生える「マイホームブルー」をご存知ですか?

マイホームが原因となり負の感情が芽生える「マイホームブルー」をご存知ですか?

マイホームブルーはときに家族間の仲に溝を作り、深刻な不調を招く原因となります。

ここではマイホームブルーを引き起こす原因と、マイホームブルーを解消するための方法を解説します。すでにマイホームブルーに悩まされている方、これからマイホームの新築に臨む方はぜひご一読ください。

夫婦喧嘩や不調を招く「マイホームブルー」とは

マイホームブルーとは、マイホームを新築する計画のあと、あるいは引っ越し後に生じる心身の不調を指します。

・イライラする

・気分が落ち込む

・不安が大きくなる

これらの症状がひどくなることで、家族間で八つ当たりが起こり夫婦仲が悪くなったり、精神・身体の深刻な不調が起こったりするのです。場合によっては離婚や別居などにより家庭が崩壊したり、鬱に近い症状が見られたりするため、マイホームブルーは軽視できない問題です。



マイホームブルーを引き起こす原因



カップル

マイホームブルーを引き起こす原因は人それぞれですが、主なケースを分類すると以下にまとめられます。

●「本当にこれで良いのか」という不安

●住宅ローンの返済に対するプレッシャー

●住まいの理想像と現実のギャップ

●環境を気軽に変えられない束縛感

●周辺環境の変化によるストレス

それぞれの原因を解説していきます。


「本当にこれで良いのか」という不安


マイホームの新築は人生における一大イベントです。そのため、いざお金を出すまえの計画段階ではワクワクする気持ちが勝っていたものの、実際に大きなお金を動かすとなると「本当にこのまま進めて良いのだろうか」と悩むことは珍しくありません。

その不安を打ち明けたり、家族間で納得できるまで話し合ったりしないまま契約へ進めば、いつまでもモヤモヤとした感情を抱き続けることに。

マイホームが感動的な仕上がりとなり、直前までの不安が消え去るケースもありますが、マイホームの仕上がりによっては「あの不安を家族にも打ち明けておくべきだった。やはり建てるべきではなかった」といった後悔につながります。


住宅ローンの返済に対するプレッシャー


住宅ローン返済へのプレッシャーは、実際にマイホームの新築を終えて毎月返済を続けるなかで感じる場合が多いようです。一例としては「この返済はあと数十年続くけど、今後も安定して収入を得られるだろうか」といった不安が挙げられます。

また、ある時期から子どもの養育費・教育費が想像以上にかかり、結果として家計に余裕がなくなった場合もローン返済を重荷に感じるものです。住宅ローンに対する考え方が夫婦で異なることも多いため、新築前の段階でローンをどうするかが論争の原因になることも多々あります。


住まいの理想像と現実のギャップ


家族間の希望条件の不一致や予算不足などにより、想像していた理想の住まいと実際のマイホームにギャップが生まれ、それが不満となってマイホームブルーを引き起こす場合があります。

たとえば、採光が十分ではなかったり通勤通学が大変だったり、小さな見落としが積み重なり「せっかくマイホームを建てたのに完璧じゃない」とウンザリしたという意見は少なくありません。

結果、以前の賃貸物件や実家に戻りたくなる、あるいは2軒目を建てたくなるなどの願望があらわれて、新生活に不満を抱いてしまうのです。


環境を気軽に変えられない束縛感


賃貸住宅は「自分の家」ではない代わりに、そのときどきの希望に合わせて自宅の場所やグレードを変えられます。

駅まで遠いと感じれば駅が近いエリアへ、公園がないことに不満なら公園のあるエリアへ引っ越せば、不満は解消されます。引っ越し先が理想の住環境である保証はありませんが、その際にはまた別の物件を探せるところが賃貸住宅の利点です。

そのため、賃貸住宅からマイホームへ引っ越す際に「もう気軽に環境を変えられないのか」と気分が落ち込むケースがあります。


周辺環境の変化によるストレス


以前住んでいた場所の周辺環境が良かったために、マイホームのある場所へ引っ越した際に居心地の悪さを感じ、それがマイホームブルーを引き起こす場合があります。

先ほど紹介した「住まいの理想像と現実のギャップ」は、主に住環境そのものの利便面や機能面に関する問題ですが、こちらは近隣住民との人間関係などの目に見えづらい問題を指します。「街の雰囲気が好きになれない」といった問題もこちらに分類されるものです。


長引くマイホームブルーを抜け出す方法



一戸建て建築

一時的な不安ではなく、長期的に続くマイホームブルーの原因は、ほとんどの場合「経済的な不安」か「新築されたマイホームへの不満」の2つに大別されます。そのためマイホームブルーが続くなら、以下の方法を検討してみてください。

・支出を見直して固定費を下げる

・住宅ローンの返済額を調整する

・部分的なリフォーム工事を検討する

・売却して新たなマイホームを建てる

・手放さずに賃貸物件として貸し出す

それぞれ、どのような意図がある方法なのか順番に解説します。


●支出を見直して固定費を下げる

マイホームの新築は数千万円単位の出費となり、多くの場合はその費用を住宅ローンでまかなうことになります。

支出的には賃貸住宅の家賃と大きく変わらない場合も多いのですが、「多額の借金をしている状態だ」という自覚から、今後の経済面を心配してストレスを感じることがあるようです。

そのような場合には一度生活費を見直して固定費を抑え、毎月の返済を行っても徐々に貯金を蓄えられる状況を作ることで、不安を軽減できる可能性があります。収入を増やすことに比べて、支出を抑えることは比較的簡単であるため、まず支出を見直すのは有効な手の1つです。


●住宅ローンの返済額を調整する

住宅ローンの返済が精神的な負担になるだけでなく、実際に大きな家計の負担となっている場合には、以下の方法が候補に挙がります。

・借り換えを行う

・返済期間を伸ばす

・元金返済を据え置く

・一定期間、返済の減額を相談する

場合により実行が難しいケースもありますが、より低金利なものへ借り換えたり期間を伸ばして借り換えたりできれば、月あたりの返済額を抑えられます。

それが難しい場合には、借入期間の延長や元金の据え置き(利息のみの返済)を金融機関へ相談する方法があります。これらは離婚や病気、失業などにより返済が困難になった際、審査の末に認められる処置です。

また入院による医療費や子どもの教育費といった支出により、返済が一時的に困難となる場合には、一定期間のみ返済の減額を受けられる可能性があります。

これらの方法は返済総額を減らすものではなく、低金利なローンへの借り換え以外は実質的に返済総額が増えてしまいますが、毎月の返済が難しくなると予想できるなら検討したいところです。


●部分的なリフォーム工事を検討する

新築したマイホームに不満がある場合、その不満が自宅の一部分であるならリフォーム工事により解消できる可能性があります。新築費用とは別に追加で支出が生じることになりますが、リフォームによりマイホームブルーから抜け出せるなら検討したい方法です。


●売却して新たなマイホームを建てる

新築したマイホームは住んだ瞬間に価値が下がるといいますが、それでも一番高く売れる傾向にあるのは入居した直後です。もちろん、数年後に住宅の価値が高騰して高く売れる可能性はありますが、それは専門家でも予想が難しい領域です。

総支出額は膨れ上がりますが、マイホームに不満を持ちつつ住むことに強い後悔を感じるのであれば、2軒目の新築を検討することはマイホームブルー解消の糸口になるでしょう。


●手放さずに賃貸物件として貸し出す

新築したマイホームをいきなり手放すことに抵抗がある場合、一度マイホームを第三者に貸し出して、自身らは別の賃貸物件に住んで再考するという手もあります。

再び賃貸物件に住んでみた結果「あのマイホームも悪くなかった」と心変わりするかもしれませんし、賃貸物件と比較することで「あのマイホームの失敗が明らかになった」と手応えを得て、マイホームブルー解消方法の発案につながる可能性も期待できます。


まとめ

マイホームの新築は本来なら希望に満ち溢れたイベントであるはずです。しかし、現実にはマイホームが家庭にストレスやプレッシャーを与え、最悪の場合には家庭崩壊や心身の不調の原因となるケースがありますので本記事をご参考にいただければ幸いです。