家に和室は必要?和室を取り入れるメリットや理想的な使い方を紹介
新築を建てたり、既築の家をリフォームしたりする際、和室を取り入れるか全室洋室で統一するか迷いますよね。「和室はなくても生活できる」というところが本音ではあるものの、一生に数度しかない選択ですから悔いのない決断をしたいものです。
このページでは、和室を取り入れるメリットや具体的な使い方、和室を取り入れることで後悔するケースをまとめました。和室を作るか、全室洋室で統一するか迷っている場合はぜひご参照ください。
和室の理想的な使い方
和室を取り入れるかどうか迷っている場合、具体的に和室をどのように活用するのか、自分ごととしてイメージできていない可能性があります。
ご自身に当てはめて和室の必要性を検討していただけるよう、和室の活用例を6つピックアップしました。
- 客間・来客時の寝室として活用する
- 仮眠・休憩のスペースとして活用する
- 将来的に親と同居する際に活用する
- 老後に寝室として活用する
- 子どもを遊ばせる部屋として活用する
- こたつを置いて団らんの場にできる
上記を中心に、一般的な和室の使い方をご紹介します。子育てや親との同居、自身の老後など、今後のライフイベントをイメージしつつ和室が必要かどうか考える際の参考にしてみてください。
客間・来客時の寝室として活用する
客間としての活用は、和室の一般的な使い方の1つです。座るためにイスやソファを必要とするフローリングとは違い、床に直接座れる和室は面積に対して大人数を収容できます。
また、和室の床は畳であるため柔らかく、布団を敷けばそのまま寝室としても使えます。床が固く冷たいフローリングは、布団を敷いても寝室として活用することが難しいため、客間兼寝室として活用できるのは和室のメリットだといえるでしょう。
仮眠・休憩のスペースとして活用する
洋室の場合、ソファや簡易ベッドがなければ仮眠を取れませんが、和室は床に弾性があるためそのまま寝転ぶことが可能です。気軽に仮眠をしたり、寝そべって休憩したりできる点は和室のメリットだといえます。
畳に使われる天然イ草の香りを好む人であれば、和室は非常にリラックスしやすい空間であるため、なお仮眠や休憩のスペースとして最適です。
リラックスしやすいことを活かして、寝そべったまま読書ができる書斎としても活用できるでしょう。
将来的に親と同居する際に活用する
「親世代が洋室より和室を好む」という状況は、よくあるケースです。そのため、将来的に親と同居することを考えていたり、育児で忙しい期間に親を家に招いたりすることを想定しているのであれば、親のために和室を用意することも検討することをおすすめします。
また、実家にある仏間を自宅へ移動させる予定がある場合も、仏間を迎えるための和室を用意しておいた方が良いといえます。ただし、仏間を配置する方向は宗派によって異なるため、その点を事前に確認しておきましょう。
子どもを遊ばせる部屋として活用する
フローリングとは違い、和室の床は畳であるためクッション性があります。そのため、遊んでいる子どもが勢い余って転んでしまっても、大けがにつながる可能性が低いのです。
また、子どもが遊び疲れて床で眠ってしまっても、フローリングのように体が冷える心配はありません。押入れに布団を用意しておけば、眠っている子どもを見つけてすぐに布団を掛けられます。
そのほか、乳児期の子どもがいる場合にはオムツの交換にも使えます。
老後に寝室として活用する
2階建ての家であれば1階にはリビングや客間、バストイレがあり、寝室を2階に設けていることが多々あります。寝室が2階にある場合、歳を重ねるに連れて階段の昇り降りにかかる負担が大きくなり、入浴後に寝室へ向かうことや就寝中にお手洗いへ向かうことが億劫になるものです。
再びリフォーム工事を実施すれば改善できることですし、階段の昇り降りが負担になる年代を「まだまだ先のことだ」と思うものですが、将来の生活を念頭に置いておいてマイナスに働くことはありません。長く住むことを考えれば、自身が歳を重ねた時期も踏まえた住居設計を意識することをおすすめします。
子どもを遊ばせる部屋として活用する
フローリングとは違い、和室の床は畳であるためクッション性があります。そのため、遊んでいる子どもが勢い余って転んでしまっても、大けがにつながる可能性が低いのです。
また、子どもが遊び疲れて床で眠ってしまっても、フローリングのように体が冷える心配はありません。押入れに布団を用意しておけば、眠っている子どもを見つけてすぐに布団を掛けられます。
そのほか、乳児期の子どもがいる場合にはオムツの交換にも使えます。
こたつを置いて団らんの場にできる
冬に団らんの場として活躍するこたつの設置場所は、和室が最適です。
フローリングにマットを敷いてこたつを置くこともできますが、床が固いため長時間座ると疲れる懸念があります。長時間、同じ体勢でこたつを利用するのであれば、床に柔らかさがある和室が好ましいでしょう。
和室を作って後悔するケースとは?
和室を活用できる場面を取り上げましたが、場合によっては後悔の要因となります。
ありがちな「和室を作って後悔するケース」としては、以下が挙げられます。
- メンテナンスや修繕にお金がかかる
- 畳がへこむため重い家具を置きづらい
- 広々とした間取りが難しくなる可能性も
それぞれ、どのような理由により後悔を招くのか解説していきます。
メンテナンスや修繕にお金がかかる
和室を綺麗に保つためには、畳やふすま、障子を定期的に掃除したり交換したりする必要があります。また、掃除機をかけて水で拭き取れば良いフローリングとは異なり、畳は掃除にやや手間がかかります。
とくに汚れのたまりやすい畳は、表面にイ草と呼ばれる天然素材が使われているため、水拭きをするとカビが生えたり色落ちしてしまったりしまうのです。そのため掃除機をかけて、ほうきや乾拭きにより細かなごみを除去し、それでも汚れが落ちない場合はクエン酸を混ぜた水を雑巾に含ませて拭き取る必要があります。
畳を掃除する際は、畳を傷めないように畳の繊維の方向に沿って掃除し、水を含ませた雑巾を使う場合には強く絞り切ったものを使わなければなりません。
また、畳・ふすま・障子の種類や等級は非常に幅広く、畳であれば素材や交換部分によって、ふすまや障子は図柄や等級によって1枚あたり5,000円未満のものから2~3万円以上のものまで存在します。洋室に使われるフローリングやドアと比較すると、和室に使われる床材や建具はメンテナンス性や費用面で負担が大きいでしょう。
畳がへこむため重い家具を置きづらい
畳の上に重い家具を置くと、へこみが生じます。綺麗な状態を維持したい場合、重量のあるインテリアを設置しないよう配慮しなければならないため、家具選びや家具の配置の自由度は洋室と比べて劣ります。
絨毯を敷くことでへこみを防止することもできますが、畳の上に絨毯を敷くと畳が本来持っている除湿機能が損なわれるため、湿気がたまりカビを発生させる要因になりかねません。
和室に置きたい家具がある場合は、事前に畳のへこみを防止する対策を検討するか、へこむものだと割り切って家具を置くようにしましょう。
広々とした間取りが難しくなる可能性も
和室を取り入れる場合、洋室で統一した間取りよりも手狭に感じる可能性があります。
たとえ洋室と和室がつながっていたとしても、見た目の一体感に欠けるため狭く見えやすいのです。
また、収納を兼ねた予備室として和室を設けてしまうと、利用頻度は高くないにもかかわらず床面積を占有する場所となってしまうため、広々とした印象を重視するのであれば和室が適していない場合もあります。
デメリットが気になるなら小上がり和室も要検討
一定の広さの和室を作ると、メンテナンスの負担がかかりますし、家の間取りを圧迫します。
これらの課題を解消しつつ、和室を無理なく組み込むなら小上がり和室も選択肢に挙がるでしょう。
小上がり和室とは、独立した和室ではなく床面に段差を設けることで、文字通り小上がりになった和室のことです。個別で和室を作るのではなく、リビングに小上がり和室を組み込むことで、小さいながらも和室のメリットを受け継いだスペースを設けられます。
子どもを遊ばせることも可能ですし、大人1人が寝そべるスペースは確保できるため仮眠や休憩にも最適です。リビングのなかに設置すれば気軽に利用できるため、物置部屋になることもなく日常的に活用できるスペースとなるはずです。
まとめ
今回は和室を取り入れるメリットや具体的な使い方、和室を取り入れることで後悔するケースをまとめてご紹介しました。
洋室で過ごすことが一般的になりつつあるいま、あえて和室を用意するかどうか迷う部分ではありますが、本記事で触れたように和室は幅広い使い道があり、育児や親との同居を考慮すると必要性は高いと判断できます。
家の新築、リフォームは一生のうちに数えるほどのイベントであるため、現状だけでなく将来的な生活も含めた理想の間取りの検討をおすすめします。また、和室のデメリットを解消しつつ、ささやかな和のスペースを用意したい場合は小上がり和室を検討してみてください。