戸建て住宅の防犯対策はコレ!窃盗被害に備える対策グッズ・アイデアを紹介

警視庁が公開する「令和2年の刑法犯に関する統計資料」によると、2020年における戸建て住宅の侵入窃盗の件数は1.5万件を超えています。侵入窃盗の認知件数そのものは、10年以上のあいだ減少傾向にあるものの、戸建て住宅に絞っても依然年間で万単位の犯罪が起こっている現状に警戒すべきでしょう。

ここでは、戸建て住宅を窃盗被害から守る防犯対策や、被害に遭いやすい戸建て住宅の特徴を解説していきます。実害を被るまえに実践して、大切な家と財産、そして家族の安全を守りましょう。

戸建て住宅を守る効果的な防犯対策グッズ8

ひと昔前まで、自宅に設置する防犯対策グッズは高価な印象がありました。しかし、いまでは数千~数万円程度でも高機能な防犯対策グッズが手に入るようになり、自宅の防犯対策は従来よりも容易になっています。

戸建て住宅を守る効果的な防犯対策グッズを8つご紹介します。

屋外照明

顔や姿を隠しやすい夜間は、侵入窃盗犯にとって犯行に絶好の機会です。このような犯行に有利な条件を覆す防犯対策グッズの1つが屋外照明です。

屋外照明は主に2種類に分かれており、人の動きを感知して点灯する「人感センサータイプ」と、日が暮れると点灯する「夜間常時点灯タイプ」があります。どちらのタイプも戸建て住宅の近くまで迫ってきた人の顔や姿を照らすため、犯行に対する抵抗感を芽生えさせる点で効果的です。

屋外照明は数千円と安価で手に入れられるため、夜間に自宅周辺が暗くなる戸建て住宅では積極的に取り入れたい防犯対策グッズだといえます。ただし、昼間から犯行に及ぶ侵入窃盗犯には効果がないため、基本的には別の防犯対策グッズと併用することをおすすめします。

防犯砂利

防犯砂利は、人が踏んだとき76.5デシベル以上の音が発生するように作られた砂利を指します。76.5デシベルという数値は掃除機や電話のベル、夕立などに匹敵する音量です。そのため、防犯砂利を敷いておけば犯人の侵入にいち早く気付けます。

カラーバリエーションが豊富であるため庭の景観を損ねず、防草シートと組み合わせることで雑草の成長を抑制する用途でも使えます。素材によってはやや高価な製品もありますが、10kgあたり5千円を切る防犯砂利も珍しくありません。よく歩く場所には使えませんが、裏口など自宅周辺の人目に付かない場所に敷いておけば、防犯対策として有効です。

防犯カメラ

犯行を映像として記録する防犯カメラは、侵入窃盗が行われてしまった際の犯人特定に役立つほか、防犯カメラの存在そのものが犯罪の抑止力になります。1台あたり数千~数万円であるため、複数個所に設置すればまとまった出費となりますが、侵入窃盗犯には「カメラに写って証拠を残したくない」という心理が働くため効果的な対策です。

なお、カメラの存在そのものが抑止力になるというメリットを活かし、犯罪防止策としてダミーカメラを設置する手もあります。録画はできないものの、ダミーカメラであれば防犯カメラよりも安く導入できるため、費用を抑えたい場合には一部をダミーカメラで代替しても良いでしょう。

防犯ガラス・防犯フィルム

多くの場合、侵入窃盗の侵入口は「窓」であることが分かっています。そのため防犯対策では、いかに窓からの侵入を難しくするかが重要です。具体的には、人目に付かず侵入口になりやすそうな窓に防犯ガラスを採用すると、侵入窃盗犯を諦めさせられる可能性が高まるでしょう。

費用的な観点から防犯ガラスの導入が難しければ、防犯フィルムを使用する手もあります。

ただし、市販されている防犯フィルムのなかには、窓の強度を効果的に高められない製品があることに注意してください。犯行時に防犯フィルムが機能しない状況を避けるために、防犯フィルムの購入時には購入者のレビューを多数チェックしたり、厳しい基準をクリアした「CPマーク」認定商品を選んだりなどの意識が求められます。

玄関補助錠

玄関補助錠は、玄関ドアのセキュリティを高める防犯対策グッズ。玄関ドアの外側に取り付ける「外付けタイプ」と、玄関ドアの内側に取り付ける「内付けタイプ」があります。

外付けタイプは外から一目見て設置されていることが分かるため、施錠開けの難度が高くなるだけでなく防犯意識の高い家であることをアピールする効果を期待できるでしょう。内付けタイプの場合には外から補助錠の種類を判別できないため、犯人側は開錠方法が分からず侵入の難度が高まります。

防犯ブザー

侵入窃盗の入口となる窓へ、手軽に取り付けられるタイプの防犯ブザーをご存知でしょうか。防犯ブザーは、窓破りの衝撃や親機・子機が離れることを感知し、80~120デシベル前後の大音量を放つ防犯対策グッズです。

救急車のサイレンが80デシベル、地下鉄の構内が100デシベル、近くの落雷が120デシベルとされることを考えれば、防犯ブザーがどれほど大きな音なのか想像していただけると思います。

防犯ステッカー

防犯カメラを設置していることを示したり、警備会社と契約していることを示したりする防犯ステッカーは、侵入窃盗犯に「この家の防犯対策は厳重かもしれない」と思わせる効果があります。少なくとも、外観から何も防犯対策が見て取れない戸建て住宅よりも、犯人にとって侵入しづらい家になるでしょう。

ただし、防犯ステッカーを貼るだけでは犯行が強行されたときに無力であるため、基本的にはほかの防犯対策グッズと併用することをおすすめします。

「狙われづらい戸建て住宅」にする防犯対策アイデア

防犯対策グッズを購入することだけが、防犯対策につながるわけではありません。わずかな工夫を心がけるだけでも、侵入窃盗を未然に防ぐことは可能です。

警視庁の公開資料を参考にしつつ、狙われづらい戸建て住宅を目指すためにできることをご紹介します。

少しの出入りでも鍵をかける

「令和2年の刑法犯に関する統計資料」によれば、侵入手段はガラス破りに並んで「無締り」が多いとの結果が出ています。2020年の結果だけに焦点を当てると空き巣・忍込み・居空きのすべてにおいて、無締りが理由の大部分を占めているほどです。

どれほど防犯対策グッズを使用していたとしても、玄関ドアや窓の鍵が開いていれば対策として機能しません。侵入窃盗犯は、私たちが「数分の出入りだから大丈夫だろう」と油断した隙を突いて犯行に及ぶため、どれほどわずかな時間であっても家を出入りするときには必ず鍵をかけましょう。

合鍵を必要以上に作らない

無締りほどではありませんが、実は合鍵を使った侵入件数も多数報告されています。警視庁の資料によれば、2020年における合鍵を使った施錠開けの件数は1,000件近くにのぼり、施錠開けの大部分を占めました。

このことから、実際のところ「防犯性の高い鍵へ交換する」よりも「合鍵を必要以上に作らない」ことの方が、防犯上は効果があるのだと推測できます。

隣家と関係構築をしておく

隣家に不審人物が立ち入ろうとしているとき、隣家の住人がよく見知った人なら「知らせてあげなければ」や「早く警察に通報しなければ」といった心理が働きやすくなるものです。ですから、普段から近隣住民と良好な関係を築いておくことで、自然と互いに隣家の留守を見張る状態が作れるのです。

ただし「犯罪を抑制するために」という意識が先行しすぎるとコミュニケーションが不自然になりますから、あまり気を張らず自然にやり取りすることをおすすめします。

知らない人に挨拶する

侵入窃盗犯は、犯行を入念に計画するために現場を下見するといわれています。そのため、自宅周辺をうろついている「初めて見かける人」が、侵入窃盗を企んでいる人物である可能性もあるのです。

もしも犯行を目論んでいる人物だった場合、対面してこちらから挨拶をしておくことで「顔を見られたから犯行場所を変えよう」と思わせられます。仮に侵入窃盗とは無縁の人物であっても、挨拶をすることは何ら違和感のある行為ではないため、こちらにも相手にも不利益はありません。

まとめ

侵入窃盗は無締りの家を対象としたもの、および合鍵を使ったケースが多いことから、まずは「こまめに施錠して合鍵は必要以上に作らない」を徹底するだけでも効果があります。

そのうえで、今回ご紹介した防犯対策グッズを併用したり、知らない人に挨拶をしたり隣家と関係を築いたりなどの工夫を実施することを推奨します。