外観の人気カラーや飽きることのない配色は?

みなさんは、住宅の外観について深く検討されたことはありますでしょうか。

住宅における外観は非常に重要であり、カラーバリエーションも豊富であるため、どのカラーとするか悩まれている方も多いのではないでしょうか。

ここでは、人気のカラーや飽きることのない配色についてご紹介したいと思います。

外観の重要性について

住宅を見るときに、一番目に最初に目に入るのが外観です。住宅のイメージは外観デザインで決まると言っても過言ではないでしょう。特に家の形状・外壁・窓などにおいては、外観デザインを決める重要な要素となっていますので、全体のバランス・予算・耐久性・プライバシーの保護・メンテナンスを含めた維持管理の容易性などを考慮して決定することが大切です。

また、見た目や機能性も大切ですが、自身でこだわりを持った外観デザインにすることにより、オーナーの住宅に対するより愛着が強くなることにより大切に扱われる傾向が強いため、メンテナンスや手入れをこまめに行います。このことにより、住宅のメンテナンスサイクルが適切に構築されますので、住宅そのものの長寿命化が図れるようになるのです。

なお、住宅の外観デザインを考える際は周囲の街並みと調和が取れているかもポイントとなります。外観デザインがあまりにも奇抜すぎると、目立ちはしますが周囲から浮いたイメージとなってしまいます。閑静な住宅ではより顕著となりますので、外観の色を選ぶ際は周囲の住宅の色を参考にして決めることも大切であると言えるでしょう。

飽きない配色とは

  • 流行り廃りを考慮する

住宅を建築する際、セミオーダーなどにおいても外観の配色を決定することができます。人生においても大きな買い物である住宅ですので、自分の個性を表現したいと考える方も多いのではないでしょうか。もちろん、念願のマイホームですので個性を大切にしたい気持ちも分かりますので、重要視されるべき項目であるといえます。しかし、住宅の配色についてもファッション同様で流行り廃りがありますので、あまり流行を追いすぎると後々飽きてしまうことが想定されます。

住宅においては、他の国のデザインをモチーフにしたものが例として挙げられます。たとえば南国風のように暖かい気候の国の建物や、西洋風のようにヨーロッパの装飾がなされた建物を模したデザインは、建てた当初は人目を引き、多くの人の関心を集めます。しかし、流行りが終わるとたちまち廃れていく傾向にあるのです。外観が派手であることから経年劣化に伴う老朽化が目立ってしまいますので、細やかな維持管理が必要となりライフサイクルコストは高くなってしまうでしょう。

そこで、念頭に置きたいのは「シンプルイズベスト」です。最初から流行り廃りのないシンプルなデザインを採用するのがベターだと言えます。長きにわたり多くの人から支持される家のデザインのポイントとして、次の2点が挙げられます。

1.シンプルなデザインにワンポイントをアクセント

白やナチュラルカラーといったオーソドックスな色をメインに使うと良いでしょう。玄関周りやバルコニー部分にビビットな色を使用することによってシンプルさをベースに、自分の個性を創出することができます。このように、ワンポイントをアクセントとして導入することによって他とは違った独創的な雰囲気を醸し出しながら、飽きのこないデザインを実現することができます。

2.全体の統一感

オーソドックスながらも窓の大きさを合わせる、シンメトリーにする、1階と2階の配色を近似色もしくは反対色にしてみるなど、全体としての統一感を意識することが非常に重要です。このような配色とすることによって飽きのこないデザインを創出することができるのです。

このように、飽きることのない配色とは長年に渡って愛される配色であることが基本概念であると言えます。そこに、自分の個性をどのようにして出していくのかを検討することによって、他にはない独創的な住宅とすることができるのでしょう。

なお、居住地域によっては景観条例などによって配色の規制がかけられている地域もあります。地域一体として景観に統一性を出す方針を打ち出している自治体もありますので、自分が希望する配色をできないこともありますので、居住地域についても調査をすることをおすすめします。

外観の人気カラーとは

外観の重要性については上述したとおりです。

ここからは、実際に人気のあるカラーとその理由についてご紹介したいと思います。

  • ベージュ系

今も昔も変わらず、人気が高いカラーはベージュ系です。ベージュ系には、落ち着いた印象を与えることができますので、住居のカラーとしては最適ではないでしょうか。シンプルなので他の色や景観と合わせやすく、周りの家からも浮きません。従って、景観条例に照らし合わせても問題なく使用できる地域が多いと言えるでしょう。

また、別の側面から考慮すると埃などが付着しても汚れが目立ちにくいのが人気の理由となっています。外壁の掃除は労力も手間もかかりますので、頻繁に掃除を実施しなくて良いカラーと言えます。

  • グレー系

グレー系は、ベージュ系と同じく他の色になじみやすく、白に比べると汚れが目立ちにくい色となっています。維持管理のしやすさは、先ほどのベージュ系と同様であると言えるでしょう。また、ベージュには温かみがありますが、グレーはクールな印象を与えます。そのことから、グレー系を単色で使用するよりは、他の色と組み合わせて使用することによってグレー以外の色を引き立たせる効果もありますので、使う場所を厳選することも大切であると言えるでしょう。

  • 茶系

茶系は、木や土などの自然な色合いを連想させることから、温かみのある色となっています。落ち着きがあり、シックで大人の雰囲気を持つ茶系は飽きのこない色とも言えるのではないでしょうか。こちらも、汚れが目立ちにくく周りと調和しやすいため、外壁には最適のカラーであると言えます。

なお、茶系のカラーは明るいものから暗いものまで幅広いため、自分のイメージとぴったりと合致するものを色見本などによりきちんとご確認されることをおすすめします。

まとめ

ここまで、飽きることのない配色や人気のカラーについてご説明をさせて頂きました。

カラーバリエーションは様々であり、オーナーによって個性も千差万別であることから、魅力を最大限に引き出す可能性は無限大とも言えます。しかし、外観のカラーは塗装してしまった後に変更することは困難であることから、最初にきちんと検討しておく必要がある項目であると言えます。例えば、小さな色見本で見ていたイメージと、実際に外観に施工した大きな面積で見るとイメージが違っていたということがないよう、自身のイメージを設計担当者や営業と齟齬がないよう、適切に打ち合わせをされることをおすすめします。

これから住宅を購入される方にとって、少しでもこの記事がお役に立てるのであれば幸いです。

川戸 雄一郎

Yuichiro Kawato