マンションと一戸建ての建物構造・耐久性・耐震性を比較してみる。
お住まいを探されている方にとって、「マンションと戸建てどっちがいいのか」悩まれることが多いと思います。今回、マンションと一戸建て住宅を建物構造・耐久性・耐震性の面で比較させていただきますので、ご検討のご参考にしてください。
まずは、建物構造について説明させていただきます。一般的にマンションは「鉄筋コンクリート造」、一戸建て住宅は「木造」が多いです。マンションの場合、コンクリート造の堅牢な構造になりますので、耐火性・強度も優れ火事や災害に強いと言われています。ただ、建物自体の重さが一戸建て住宅と比較にならないほど重くなりますので建物が土地に与える影響も大きくなります。
一戸建て住宅の場合、マンションと比べると窓などの開口部を多く取れることが多いので日当たり面や風通しの面で優位になります。また、コスト面でも低く抑えることができます。ただ、断熱性・気密性はマンションと比較すると劣ってしまいます。
次に、耐久性について、税法上の耐用年数として、マンションが47年に対し、一戸建て住宅が22年となっています。一般的にマンションの方が寿命が長いと言われておりますが、最近は一戸建て住宅でも「長期優良住宅」の普及も広がり、通常の維持管理を行えば100年ほど寿命を見込むことができる住宅も増えてきています。維持管理に関して、マンションが月々の管理費・修繕積立金の負担はありますが管理組合が計画的にメンテナンス・修繕を行うのに対し、一戸建て住宅は自らのメンテナンス・修繕が必要になってきます。
よって、木造住宅の場合でも、適時しっかりとメンテナンス・修繕を行えば、十分長持ちさせることができるといえるでしょう。
最後に、耐震性についてご説明させていただきます。1981年に建築基準法が改正され、関東大震災・阪神淡路大震災レベルの地震(震度6強~7程度)でも倒壊・崩壊しない建物を建てることが義務付けられております。よって、改正以降に建てられたマンション・一戸建て住宅は、地震に対して決して弱くはないということが言えます。
マンション・一戸建てのように構造・工法が異なる建物を一概に比較することができませんので、住宅の耐震性能をランク付けで表した「耐震等級」が参考になると思います。
「耐震等級」は、等級1~3の3段階があり、等級が高いほど地震に強い建物ということになります。
等級1:極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による力に対して倒壊、崩壊等しない程度(建築基準法に定める住宅に必要な耐震性)
等級2:等級1の1.25倍の力に対して倒壊、崩壊等しない程度
等級3:等級1の1.5倍の力に対して倒壊、崩壊等しない程度
弊社の「セミオーダー住宅」のように、設計段階から打ち合わせをすることができれば、耐震等級を上げて地震に強い建物を建てることもできると思います。
今回は、建物構造・耐久性・耐震性でマンションと戸建てを比較しましたが、他にも間取りや金銭面、生活環境など比較できる項目は多くあります。やはり、マンション・一戸建て住宅ともにメリット・デメリットがありますので、現地へ建物を見学に行き、実際に体感していただいて判断することがよろしいかと思います。